人文書出版の老舗8社が共同でおこなっている「書物復権」という企画=運動がある。岩波書店、紀伊國屋書店、勁草書房、東京大学出版会、白水社、法政大学出版局、みすず書房、未來社。いずれも、この一社を欠けば日本の出版はどれほど貧しくなることかと思える、着実に良書を出しつづけてきた版元ばかり。
各社とも5、6点、品切れになっていた、読者からの要望の多い名著を少部数復刊し、また「東京国際ブックフェア」(7月10日から13日)に共同出展するという企画だ。
昨年秋の、佐藤良明さん、坪内祐三さんとぼくの紀伊國屋ホールでの鼎談も、この「書物復権」の一部。
このたび「書物復権」共同復刊XII第2号と題する小冊子ができた。ぼくは「教養と生存」と題した短い文章を寄稿。大手の書店でただでもらえるので、ぜひ入手して読んでみてほしい。