Monday 23 December 2019

大妻女子大学にて

21日(土)、大妻女子大学で開催された宮沢賢治学会イーハトーブセンター冬期セミナー「今、宮沢賢治を世界に解き放つ」に参加しました。

まず、『宮沢賢治 デクノボーの叡知』という画期的な賢治論を上梓したばかりの今福龍太さんの60分の講演が、たぶん200名近い聴衆のみなさんに大きな感動を与えました。

休憩をはさんで、ぼくがゲイリー・スナイダーについて、司会も兼ねる岡村民夫さんが賢治の世界性について、それぞれ20分あまり話したのち、3人の鼎談。いろいろな話題が交錯しましたが、ひろがりのある場になったと思います。

賢治のテクストをめぐって集まるみなさんの熱気もたしかに感じられました。シュルレアリストたちとまったく同世代のこの世界詩人の魂が、死後に成長をつづけているという不思議な事態。

ぼくも来年の仕事のひとつとして賢治の動物論があります。お正月になったら、そろそろ手をつけるつもりです。

東京藝大で

20日(金)はほんとうにひさしぶりに東京藝術大学。ていうか、音楽学部に入るのは初めてでした。映像人類学の研究会であるAnthro-film Laboratory の第39回、太田光海(あきみ)さんの作品上映のゲストとして。

作品はKanarta (2019, 120m) 。エクアドルのアマゾン地方に住むシュアール族のクランデイロ(薬草の知識をもつシャーマン)を追う、強烈な作品でした。120分のトリップ体験です。

上映後、監督、川瀬慈さんとぼくの鼎談。ぼくはしろうとならではの質問に終始しましたが、楽しく刺激的なひととき。太田さんの作品は民族誌フィルムというよりはドキュメンタリー映画に近いものですが、彼が意識しているドキュメンタリー作家としてワン・ビン、ペドロ・コスタ、そしてアニェス・ヴァルダを挙げたことに頷きました。特に今年はぼくのゼミでもヴァルダを取り上げていたので、相手とていねいに向き合う愛にみちた彼女の姿勢を思い、それに通じる視線が太田さんの作品にもたしかにあるように感じました。

映像人類学、確実にいまいちばんおもしろいジャンルです。

Tuesday 17 December 2019

「週刊朝日」12月27日号

本日発売の「週刊朝日」12月27日号に、陳耀昌『フォルモサに咲く花』(下村作次郎訳)の書評を書きました。19世紀後半のある時点で、現在の台湾島南部が世界史の最先端だったことがはっきりとわかる、驚くべき歴史小説です。台湾のみならず、東アジアが何を経験してきたかに関心をもつすべての人、必読の作品。

Tuesday 10 December 2019

DARE 2019

Participated in DARE 2019, Third International Conference on Deleuze and Artistic Research at Orpheus Institute, Ghent. The subject this year was Machinic Assemblages of Desire.

Our panel "On Ecosophy" was chaired by the anthropologist Barbara Glowczewski and we were five to present: Ralf Gilsinger, Stacy Lo, myself, Christophe Thouny and Toshiya Ueno.

My paper was called "Tokyo: Heterotopia and Beyond." Boy it was so depressing to talk on this topic, as the 2020 Olympic Games seems to be really happening and we haven't been able to do anything in the past 6 years...

Anyway, thank you DJ Toshiya for bringing me in! We'll definitely come back in 2021.

Sunday 8 December 2019

シンポジウム「動物のいのち2」

総合芸術系シンポジウム「動物のいのち2」は、11月30日(土)、明治大学中野キャンパスホールにて開催されました。百数十名の聴衆。ひとり15分の持ち時間による14名の発表が、確実に相互の思考を誘発する場を作り上げたことと思います。参加者のみなさま、オーディエンスのみなさま、ありがとうございました。

この日は懇親会の料理も完全ビーガン。対応してくれたケータリングのキッチンわたりがらすにも、いつものことながら最高のお料理にお礼を申し上げます。

来年はまたまったくちがう主題と形式でシンポジウムを組織してみます。

第6回「鉄犬ヘテロトピア文学賞」贈賞式

川瀬慈『ストリートの精霊たち』への贈賞式は、11月23日、雨の土曜日に、四ツ木の超本格的エチオピア料理店、リトル・エチオピアにて開催されました。お店の人たちを交えて、親密ないい集い。

われわれの賞も、いよいよ来年の第7回でおしまいです。今年出版された書籍の中から選びます、選ばせていただきます。オリンピックの狂躁と利権だらけの社会に対して、ささやかな抵抗の意志をしめす作品を。そのあとにつづくために。

ともあれ、川瀬さん、おめでとうございました!