Saturday 27 October 2012
Friday 26 October 2012
電子メールでは
電子メールでの通信について、思ったこと3点。
1)最近、ある雑誌の「編集委員会」と何度かやりとりをしたのだ が、いつも「編集委員会」とあるだけで個人名がない。それが失礼 だという感覚がないのかな。ぼくの感覚では「はなはだ失礼」の部 類に入るが、いかが?
2)同様に、会社や組織の用事でメールをくれるとき、姓しか記さ ない人がいる。名前を書いて、たとえば性別がわかるのがいやなの かもしれない。しかしこれも、仕事をするならそれくらい引き受け て当然ではないのか。自分の仕事でしょ。
3)これは友人・知人にもときどきいるけど、あえていわせてくだ さい。メールの件名に「〜です」と自分の名前を書いてくるのはま ったく無意味だと思うけれど、いかが? ちゃんとほんとの用件を 書いてほしい。
というわけで学生たちには「必ずフルネームを記せ」「必ず件名を 記せ」といってます。うるさい? だがそうしたほうがいいよ。ほんとだよ。
1)最近、ある雑誌の「編集委員会」と何度かやりとりをしたのだ
2)同様に、会社や組織の用事でメールをくれるとき、姓しか記さ
3)これは友人・知人にもときどきいるけど、あえていわせてくだ
というわけで学生たちには「必ずフルネームを記せ」「必ず件名を
11月10日(土)レイニーデイで
秋の夜長を、ろうそくの炎のもとでの朗読会で。ぜひいらしてください。3人の女性詩人のソウルがしずかに炸裂します!
http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/299121300.php
http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/299121300.php
Monday 22 October 2012
日本比較文学会シンポジウム
昨日、日曜日、快晴。桜上水の日本大学文理学部にて、日本比較文学会関東支部の50周年記念大会が開催されました。午後は池澤夏樹さんの講演につづいてシンポジウム。野谷文昭さんを司会として、ラテン・アメリカ文学と翻訳文学全般を広く論じる機会になりました。
英米文学から鴻巣友季子さん、フランス文学から工藤庸子さん、そしてイスパノ・アメリカ文学から花方寿行さんが発表。ぼくはディスカッサントとして参加しました。
鴻巣さんが提起した「重訳」の問題の本質的重要性、工藤さんによるナショナルな文学という問題圏、花方さんによるスペイン語圏の出版事情とロベルト・ボラーニョへの導入。いずれも多彩で軽みのある、非常にいい発表でした(さすが!)。
ぼくはそれを受けていくつか思いつくままに語ったのですが、最終的な問いは「翻訳文学を読むことは何の役に立つのか」ということ。それぞれから的を射たお答えをいただき、聴衆のみなさんにも大いに刺激になったはず。
そしてあらゆる対話はその場で終わるのではありません。これからも断続的に、みなさんとの意見交換を続けていこうと思います。
お越しいただいたみなさん、ありがとうございました!
英米文学から鴻巣友季子さん、フランス文学から工藤庸子さん、そしてイスパノ・アメリカ文学から花方寿行さんが発表。ぼくはディスカッサントとして参加しました。
鴻巣さんが提起した「重訳」の問題の本質的重要性、工藤さんによるナショナルな文学という問題圏、花方さんによるスペイン語圏の出版事情とロベルト・ボラーニョへの導入。いずれも多彩で軽みのある、非常にいい発表でした(さすが!)。
ぼくはそれを受けていくつか思いつくままに語ったのですが、最終的な問いは「翻訳文学を読むことは何の役に立つのか」ということ。それぞれから的を射たお答えをいただき、聴衆のみなさんにも大いに刺激になったはず。
そしてあらゆる対話はその場で終わるのではありません。これからも断続的に、みなさんとの意見交換を続けていこうと思います。
お越しいただいたみなさん、ありがとうございました!
Saturday 20 October 2012
Friday 19 October 2012
Thursday 18 October 2012
田中功起プロジェクト
来年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表作家は、田中功起さん。彼がロスアンジェルスに移る前(2008年だったかな?)われわれディジタルコンテンツ系でレクチャーをお願いしたこともありました。
その田中さんのヴェネツィア用プロジェクトのひとつに、ぼくも参加。5人の詩人の共同制作プロセスの全体がヴィデオに収録され、これから映像作品へと制作されていきます。
月曜日の共同制作に参加したのは、三角みづ紀さん、柏木麻里さん、斉藤倫さん、橘上さん、そしてぼく。作業の一部として、5人で1行ずつ書き進んだ作品を以下に。
なんとも不思議な、楽しい経験でした! 来年はヴェネツィアへ行くぞ。
*****
水を飲んだ、別に水だから飲んだわけじゃないけど
なんてちょっといいすぎたかもしれないな
わたしたちは円になっているだけで
惑星同士のような引力にとらわれてしまう
砂と水を見分けろ。
砂がわたしにそう言ったわけじゃないけど
あきらかな感覚です。
たとえば、窓のむこうだよ
けんけんぱであんなとこまで行けるんだ
四谷四丁目東と月面が近接する
1987年12月19日にやったけんけんぱと月面が近接する
月に氷はないのになぜあんなに輝くの
垂直な月光が私を立たせる
そのあしのうらにかくれていた半分のもの
残欠と残欠が教えてくれる瞬間
月光という出来事
引かれあうのではない引力をさがして円になる動物
獣としての私は水を飲み砂に眠る
この夜。
獣にだって影はあるよ。夜にだって影は出る
夜の水と影の光に裏切られては
四谷四丁目東と月面が近接する
この夜。
砂漠を流れる水と中庭の噴水から噴き出す砂
水に許される日まで水を飲み続けよう。
その田中さんのヴェネツィア用プロジェクトのひとつに、ぼくも参加。5人の詩人の共同制作プロセスの全体がヴィデオに収録され、これから映像作品へと制作されていきます。
月曜日の共同制作に参加したのは、三角みづ紀さん、柏木麻里さん、斉藤倫さん、橘上さん、そしてぼく。作業の一部として、5人で1行ずつ書き進んだ作品を以下に。
なんとも不思議な、楽しい経験でした! 来年はヴェネツィアへ行くぞ。
*****
水を飲んだ、別に水だから飲んだわけじゃないけど
なんてちょっといいすぎたかもしれないな
わたしたちは円になっているだけで
惑星同士のような引力にとらわれてしまう
砂と水を見分けろ。
砂がわたしにそう言ったわけじゃないけど
あきらかな感覚です。
たとえば、窓のむこうだよ
けんけんぱであんなとこまで行けるんだ
四谷四丁目東と月面が近接する
1987年12月19日にやったけんけんぱと月面が近接する
月に氷はないのになぜあんなに輝くの
垂直な月光が私を立たせる
そのあしのうらにかくれていた半分のもの
残欠と残欠が教えてくれる瞬間
月光という出来事
引かれあうのではない引力をさがして円になる動物
獣としての私は水を飲み砂に眠る
この夜。
獣にだって影はあるよ。夜にだって影は出る
夜の水と影の光に裏切られては
四谷四丁目東と月面が近接する
この夜。
砂漠を流れる水と中庭の噴水から噴き出す砂
水に許される日まで水を飲み続けよう。
Sunday 14 October 2012
Thursday 4 October 2012
「毎日新聞」夕刊10月4日
きょうの「毎日新聞」夕刊の記事「ことばの周辺・10月」で、ぼくの詩集『海に降る雨』が城戸朱理さんの『漂流物』と並べて論じられています。大井浩一記者。まっすぐに核心をつかみとってくれる読者の存在は、ほんとうにうれしいものです。これをもって、次の1片に進みます!
「考える人」2012年秋号
雑誌「考える人」の新しい号は特集「歩く 自足4kmの思考」。ぼくはエッセー「歩くことを作り出すために」を寄稿しています。津田直さんの写真つき! 津田さん、ありがとう。
かっこいい表紙写真はハミッシュ・フルトンのプロジェクトWalk 2です。
かっこいい表紙写真はハミッシュ・フルトンのプロジェクトWalk 2です。
Wednesday 3 October 2012
「詩の発生と現在」
東大文学部での授業「比較文学概論」はじまりました。以下が概要。詩の本質に迫る授業になることは確実です!
東京大学文学部言語文化学科現代文芸論専修
「詩の発生と現在」(冬学期・水曜4限)
管 啓次郎 明治大学理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系
214-8571 川崎市多摩区東三田1−1−1 明治大学理工学部 044-934-7275
目標=詩を探してくること。探しあてたとき、それはすでに詩として体験されている。そのときには、詩とは何かについての自分なりの了解が生じている。それを、さまざまな詩との出会いをくりかえしつつ、さらに考えてゆく。
教科書=シラバス段階では指定していなかったがオクタビオ・パス『弓と竪琴』(牛島信明訳、岩波文庫)を教科書に指定する。それ以外の参考書は随時紹介したり、されたり。
朗読=現代の詩は文字の体験と音声の体験が乖離している。それには理由があり、一概に悪いとは思わない。ただし音声レベルでの体験の強さと共有可能性を、ここでは重視することになると思う。
授業構成=授業は参加型。毎回必ず発言してほしい。かぎりなくリラックスした場なので、思ったことは自由に。
1 朗読の時間。毎回3篇ほどの詩を朗読し、作品の実践批評をみんなで試みる。毎回、持ち回りの作品選定と朗読。
2 『弓と竪琴』を読む。毎回の指定範囲に現われる問いを自由に議論する。毎回、ディスカッサント3名を指定。
3 詩の周辺で。ぼくが最近考えていることを生の状態で話す。話題はどう展開するかわからない。
4 思考の種子。各自の関心にしたがって、そのとき考えていることを即興で話す。準備をしてはいけない。
5 出席カード代わりに毎回最後の10分を使って質問カードを記入し提出。
最終評価=「論文」「作品」の2つのトラックから選んでいい。
論文は、詩論。400字詰め原稿用紙換算15枚以内(厳守)。学期半ばの段階でプロポーザルを提出すること。
作品は、詩作。300行以内。(散文形式の場合、上記に準ずる。)
いずれも学期末に(人数にもよるが)ひとりあたり20分程度をかけた発表会を行う。
提出物はいずれも紙で、郵送あるいは手渡しを基本とする。
学期中、現代日本の詩人・アーティストらが突然ゲストとして現われる可能性が大きい。予告する場合もある。
関連イベント=ぜひいらっしゃい!
10月12日(金) 三角みづ紀さんとの対談 下北沢B&B
10月14日(日) 「星の王子さま」朗読 金子飛鳥さん、青葉市子さんと Rainy
Day Books & Cafe
10月22日(日) 日本比較文学会シンポジウム 野谷文昭・工藤庸子・鴻巣友季子・花方寿行さんと
11月19日(月) 鼎談「翻訳という怪物」柴田元幸さん、ジェフリー・アングルスさんと d-labo
Tuesday 2 October 2012
11月19日(月)、翻訳をめぐって?
11月19日、D-Laboにて柴田元幸さん、ジェフリー・アングルスさんとの鼎談です。入場無料、要予約、そして席数は80席のみ。お早めにどうぞ!
http://www.d-laboweb.jp/event/121119.html
http://www.d-laboweb.jp/event/121119.html
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