2011年3月10日木曜日

私は原始人

先日の中原中也賞の選考委員会による選評が読めるようになっていました。以下、引用します。今後はさらに人間世界から遠ざかり、動植物や鉱物が書く詩に近づいていきたいと思います。

「最終候補の7冊のうち、最後に残ったのは、ほぼ3冊だった。それは高谷和幸『ヴェジタブル・パーティ』、管啓次郎『Agend’Arsアジャンダルス』、そして、辺見庸『生首』である。高谷の詩集は、詩でしか可能にならないことばの連想やずれ、多義性、高度なユーモアが評価されたが、同時に、わたしたちの生きている世界への通路が見えないことが、不満として出された。また、管の詩集も、太古から人や動物や植物、光や風が現れてくる世界の起源に働いているエレメントを、いま、甦らそうとする壮大な展望が評価されたが、フレッシュな感覚を求める中也賞としては、保留せざるをえなかった。最後に辺見の詩集が、選考委員の支持を集めたのは、わたしたちが生きている世界のいまとここに、全存在をかけていることばの強度が並はずれていることだった。彼の詩には現代社会の腐敗し、機能不全に陥っている内臓が、鷲掴みされている臨場感がある。これまで作家、ジャーナリスト、エッセイストとして実績のある人が、詩の世界に新人として飛び込んでこられた。その意味を、わたしたちは重く受けとめたい、ということでも、選考委員の気持ちは一致した。」


http://www.chuyakan.jp/09syou/16/09main16.html