Tuesday 26 February 2019

ダブの夕べ

ついで24日(日)はぼくのダブ・ポエトとしてのデビュー・イベント。レゲエ・ミュージシャンのハミングバードが作ってくれたトラックに載せて、自作の新作を3つ。そこからサックス奏者の仲野麻紀さんに入ってもらい、いま制作中の『狂狗集(きょうくしゅう)Mad Dog Riprap』の一部を読みました。全体で40分ほど。

なんといっても圧倒的な麻紀さんの即興に助けられ、完全にぼく好みのメロディアスなトラックも気持ちよく、いいパフォーマンスになったと思います。

新作詩は、まず英語の"Translation Is"、ついでスペイン語と日本語の"Caminando"、そして日本語の「海を海に」でした。

ぼくの通常の詩(=目で読むこと前提)とはかなりちがったものばかり。書く時にも、ふだんは使わない種類の注意力が必要です。いい経験。ありがとう、ハミングバード。 これからもどしどし新作を書いて、1時間ほどのステージをいつでもこなせるようにしたいと思っています。

この晩、ぼくらは前座。メインだったのはポルトガル出身でバルセロナで活躍するベーシストのJorge da Rochaでした。ウッドベースの弾き語り。情感あふれるベースとカラフルな歌声に驚愕。初来日初ステージを目撃することができて、幸運でした。

この場を準備してくださった、カフェ・ラバンデリアのみなさまにも、心からのお礼を申し上げます。

Monday 25 February 2019

『敷石のパリ』出版記念イベント

新宿2丁目のカフェ・ラバンデリアでの週末2連続イベントが終了しました。

まず23日(土)、詩集『敷石のパリ』出版記念イベント。4人の作者がひとり20分の持ち時間で、パリを巡る自作を読んだり、話したり。

ぼくはさいわい金子雄生さん(トランペット)と河崎純さん(コントラバス)というすばらしいミュージシャンの即興をバックに得て、のびのびと朗読をすることができました。セットリストをあげるなら

1)ランボー「感覚」(フランス語、ついで日本語訳)
2)ヴェルレーヌ「心に雨が降る」(おなじ)
3)アポリネール「ミラボー橋」(おなじ)
4)『敷石のパリ』より「パリについて」7片(日本語のみ)

特筆すべきはこの本の共著者のひとり、ミシマショウジさんのパン。彼は西宮でパン屋さんを経営していて、この日も朝パンを焼いてから新幹線で駆けつけたとのこと。そのパンのおいしさ。特にバターのきいたクロワッサンは、これまで食べたすべてのクロワッサンの最高峰でした。

編集制作にあたってくれた佐藤由美子さん、佐藤さんの作品のフランス語訳を作り朗読してくれたスレイマンさん、自分で撮影したパリの街角のビデオを見ながらこの都会の魅力をレクチャーしてくれた清岡智比古さん。かれらとともに充実した声の場を作ることができたと思います。


キューバで

現代におけるもっとも神話的な国のひとつ、それがキューバ。初のキューバに行ってきました。参加したのは第28回キューバ国際ブックフェアと第9回イベロアメリカ・カリブ海若手作家の集い。ラテンアメリカ全域を中心に世界中から多くの小説家・詩人たちが参加するかなりの規模のフェスで、1週間の会期のあいだ、ぼくは2回の朗読と、1回の自著紹介(朗読つき)をこなしました。使用言語はスペイン語。

朗読の素材とし、また紹介の対象としたのは、ぼくの詩集Agend'Arsからの選集メキシコ版(クリスティナ・ラスコン+南映子訳)、そして1月に出たばかりの詩集Transit Blues スペイン版(ハビエル・ボサロンゴ訳)。いずれもすごく真剣に聴いてくれる観衆に恵まれ、終わった後、各国の詩人たちがあいついで感想を述べに来てくれて、小さな祝祭気分になりました。

ハバナの街については、いずれまとめます。今回はハバナだけでしたが、キューバの良さはたぶん田舎にあり。早くも第2回目の旅を企画したいところです。必ず。

Saturday 9 February 2019

2月23日(土)です!


1968年5月の運動から半世紀を記念して昨年暮れに出版されたのが詩集『敷石のパリ』。その朗読会が新宿2丁目のカフェ・ラバンデリアで開催されます。ぜひいらしてください!

大竹昭子さんと

渋谷、文化村そばにあったすてきなイベントスペース、SARAVAH東京が、惜しまれつつ今月店じまいします。「ことばのポトラック」、朗読劇『銀河鉄道の夜』など、思い出深いいくつものイベントを開催させていただきました。

そのクロージング記念として、5日、BOOKS青いカバで、ピエール・バルーの生涯をめぐる対談をしました。大竹昭子さんと。そして特別ゲストとして、レ・ロマネスクのTOBIさん! まさに不世出の天才、ヒッピー世代以前のプロト・ヒッピー、そしてボサノヴァのフランスへの導入者としてのピエールさんのことを、しっかり捉えなおす場になったと思います。

おかげで気分はひさびさにボサノヴァ。鳴り止まない音楽がいまも脳をにぎわせています。

BOOKS青いカバは、さすがの本棚作り。ぜひお立ち寄りください。でもなぜ「青いカバ」なのかは知らない。

http://www.bluekababooks.shop/

小原一真さんと

大阪・福島のフォトギャラリー・サイで、小原一真さんの写真展開催中。きわめて重要な展示です。チェルノブイリ以後に成長した子供たちが、成人し、家庭をもつ。そんなかれらの生活を、静謐に、精密に、追っています。

http://kazumaobara.com/2019/01/13/exposure-everlasting/

2月2日(土)に、オープニング・イベントとして小原さんとぼくの対談。ついで3日(日)には、ぼくの小説「33歳のジョバンニ」全文朗読会を、音楽家・歌手のKawoleさんにサポートされながら開催しました。

Kawaoleさんの効果的な音響と新作の歌を背景に、ぼくにとっての大震災のヴィジョンの一部を編み上げたものです。

両日とも20名ほどのお客さんをむかえて、いい会になりました。

会期中、映画上映や対談など、関連イベントが毎週用意されています。この機会に、ぜひギャラリーに行ってみてください。

Sunday 3 February 2019

「水牛のように」2月号

 「水牛のように」に160行ほどの詩「グラナダ」を寄稿しました。ぜひ読んでみてください。

http://suigyu.com/2019/02#post-6046

2月5日(火)、ピエール・バルーのために

 生きることがまるごと詩であり歌だったような天才、ピエール・バルー。サラヴァ・レーベルを少しでも知る人なら、自分の感受性のある部分が、彼のヴィジョンによって生み出されたものだと考えないわけにはいかないでしょう。

そんな彼の生涯と活動について、大竹昭子さんと対談をします。BOOKS青いカバにて。「一期一会」を生の原則とし、そこからつねに新鮮な果実を人々に与えてきた彼の大きな足跡を、一緒にふりかえってみましょう。いうまでもなく、ボサノヴァ気分、ブラジル気分満点の場になることが予想されます。

http://www.bluekababooks.shop/items/16303807

ぜひ、いらしてください。ぼくからの特別なおみやげも用意してます!