2013年12月31日火曜日

「三十三歳のジョバンニ」in 那覇

さあ、大晦日。仕事が終わらない、休みもない、この連続性を生きていこう。

とりあえず新年のお知らせです。1月18日(土)の19時。那覇のあの桜坂劇場のカフェ、さんご座キッチンにて、「三十三歳のジョバンニ」の全文朗読会を開催します! ゲストミュージシャン、交渉中。予約方法、近日お知らせします。

ぜひみんなでお誘い合わせの上、来てくださいね。

2013年12月27日金曜日

24日は、イヴは、

12月24日。サラヴァ東京で朗読劇『銀河鉄道の夜』を上演。2年前、おなじ場所で初演したこの劇、2年間で大きく変貌しました。全力でやりました。やりながら、イメージとの戦いが続きます。

この2年間の、そのつどちがう十数カ所の舞台。でもひたすら「東北」を、「福島」を、そしてわれわれの社会と国家を、考えながら旅してきました。

3月11日とそれに続く日々をめぐる記憶が、急激に消されようとしている昨今、この朗読劇の上演にはいっそう意味が生じていると思います。

完全にsold outのため、入っていただくことのできなかったみなさま、すみません。来年の予定は未定ですが、必ずなんらかのかたちで続けます。またどこかでお目にかかるのを楽しみに。それでは、よいお年を!

2013年12月21日土曜日

スナフキンによるイベント報告

昨晩の対談の報告を、工藤晋さんが書いてくれました。みなさま、ぜひごらんください!

http://d.hatena.ne.jp/snafkinne/

キース・ジャレットの ferocious longingって、気になるね。

B&Bで

『ストレンジオグラフィ』刊行記念イベントとしての石田瑞穂さんとの対談、盛況のうちに終わりました。お越しいただいたみなさん、ありがとうございました。

この本のみならず、詩集『時制論』と瑞穂さんの詩集『まどろみの島』についても、かなり深い話ができたと思います。詩がもたらすもの、詩がめざすもの、詩がかなえる約束、詩が挫折するとき。まだまだいくらでも話せるはず。

イベントの最後に、瑞穂さんがこの朝書いたという、ぼくに捧げられた(!)詩を読んでくれました。感激。しかもそれが、ロシアへの旅の詩。うれしいなあ。「ホボーシュ」という音、「鳴かないウグイス」、見たことのない風景。いろいろな光がいちどにさしてくる体験でした。

来年は瑞穂さんともいろいろ一緒にできそうです。

修士研究中間発表会

20日、修士研究の中間発表会。明治大学中野キャンパス6階プレゼンスペースにて。新領域創造専攻の最大の年中行事です。26名の修士1年の学生全員が全員の発表を聞きました。一見、相互に無関係な主題ばかりでも、「すべてはすべてにつながっている」というわれわれの姿勢からすれば、いろいろな糸が見えてきます。

今年のぼくの学生は3名。

陳瑤瑤「21世紀日本映画における監督たちの好機と苦境」
中尾愛「フラの背景としてのハワイ先住民の世界観」
林亜華音「ミュージック・ビデオにおける音楽空間の視覚化」

みんなまだまだ手探りですが、この半年で大きく成長しました。あとほぼ1年の修士論文完成にむかって、これからもがんばって。

2013年12月16日月曜日

『ストレンジオグラフィ』刊行記念イベント@B&B

20日(金)、下北沢のB&Bで石田瑞穂さんと対談します。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131220_strangeography/

『ストレンジオグラフィ』(左右社)を出発点として、痛切なしずけさとケルト感覚にみちた詩集『まどろみの島』(思潮社)の詩人と、旅と詩を主題にした話を。

ぜひ遊びにきてくださいね。

2013年12月14日土曜日

奥多摩スタディーツアー

12日、奥多摩見学の一日でした。6月に明治大学で講演をお願いした株式会社トビムシの竹本さんに、新しいプロジェクト「森と市庭(いちば)」の舞台となる奥多摩を案内していただきました。

http://mori2ichiba.tokyo.jp/

放置され荒れはてていく森に新たに手を入れ、都市とのあいだにモノとヒトの循環を作り出す。東京の森と都心をつなぎ、サステイナブル経済への一歩を毅然と踏み出す。

築後300年は経っているという加藤家への訪問にはじまり、森とわさび畑、ついで夕方の旧・小河内小中学校まで、こんなに都心に近くこれほどの森の文化が息づいていることに感動しました。

都市再生をテーマとしている安全学系の山本研究室との共催。最近では「セノポイエーシス」につづき「総合制作」を名乗っているわれわれディジタルコンテンツ系にとっても大きな意味のある一日でした。

竹本さん、現地スタッフの菅原さん、ほんとうにありがとうございました。


郡山の銀河鉄道

8日、待ちに待ったその日がやってきました。朗読劇『銀河鉄道の夜』の郡山公演です。今回は特別な意味が2つ。

まず書籍『ミグラード』(勁草書房)完成後最初の上演だということ。これまでのような紙の束ではなく、本としての台本を手に演じることができました。

そして何より、会場。安積高校敷地内にある安積歴史博物館は築百年を超える木造校舎、元・福島尋常中学校です。そして安積高校は古川日出男の母校!かつてこの高校の演劇部長として活躍していたヒデオにとって、はるかな遠い時と場所からのホームカミングの一日となりました。

お客さんは350人を超えました。フラットなフロアの中央で、出演者同士は背をむけあったまま演じるという初めての形式。川島さんのコズミックな音響建築はあいかわらず完璧。小島ケイタニーラブは新曲「ベルカ」をもって臨みました。柴田さんの「ラッコの上着」、驚異のキャラクター、驚異の完成度。

寒い一日でしたが、すばらしい一日でした。ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。現地でサポートしていただいたみなさん、ありがとうございました。そしてスタッフのみんな、いつもながら本当にありがとう。

次は24日、サラヴァ東京です。

2013年12月6日金曜日

読売書評 #48

2年間にわたった読売新聞書評委員の任期が終わり、最後の書評を書きました。

工藤庸子『近代ヨーロッパ宗教文化論』(東京大学出版会)。8日掲載です。

あの恐るべき『ヨーロッパ文明批判序説』からちょうど十年。工藤さんの渾身の書。これからの文学研究のお手本のひとつとなるでしょう。

『チーロの歌』発売!

初めての絵本の翻訳を出しました。アリ・バーグ作、ローレン・ロング絵『チーロの歌』(クレヨンハウス)。

初めての飛行にとびたつコウモリの子を主人公にした、かわいいお話。原題はNight Songです。クリスマスの贈り物にどうぞ!

http://www.amazon.co.jp/チーロの歌-アリ・バーグ/dp/4861012651/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1386338626&sr=8-1&keywords=チーロの歌

強行採決という卑劣

ところで、いまとんでもないことが進行しています。強行採決とは民主主義の恥。原発業界や兵器業界の利権ばかりを追求する政権が、われわれをどんどん危険な方向にひきずっていこうとしています。

やめろ、やめてくれ、絶対に、よせ。反対すべきことに反対する時、それはいま。政治の名において一部の人間の利益が追求され、国民の大部分が無用な危険にさらされる。かれらから「日本」を奪還しよう、民主主義という理想の追求をけっしてやめないようにしよう。

始まった!何が?展示が!

明治大学生田図書館内にギャラリー・ゼロを作ってもらって、すでに丸4年以上が経過しました。毎年恒例の「作品と図書の展示」、今年のテーマは「岩、石、砂」です。

これまでに「WALKING」「樹木」「川から海へ」「動物のいのち」と続けてきた、エコロジカルな主題のシリーズが、ついに無機物の世界にたどりつきました。

昨日、5日(木)から開幕。小田急線「生田」から徒歩10分の丘の上ですが、ぜひごらんください。ぼくは現時点で写真22枚とキャプション代わりの絵はがきを展示。これからどんどん増えていきます。

よろしく!

野村喜和夫さんと

そして4日(水)の夜は吉祥寺のパルコブックセンターで、野村喜和夫さんの新詩集『芭(塔(把(波』とぼくの詩集『時制論』のジョイント・イベント。いずれも左右社刊行。

朗読をはさんで詩について思いきり話すことのできた、貴重なひとときでした。さすが実作者の野村さんが、ぼくの意図を的確に読みといてくださるのに感動。相当に内容の濃いセッションだったと思います。

喜和夫さんの詩集は、金子光晴の旅を追ったもの。ぼくの旅は、おおぜいの幽霊たちにみちびかれたもの。タイプはちがいますが、たしかに交差する光があったと思います。

われわれの共通の友人である石田瑞穂さんも来てくれて、また未来が見えてきました。その意味は、来春には明らかにできるでしょう!

本谷有希子さんと

劇作家にして小説家の本谷有希子さんと、来年の那覇でのイベントの打ち合わせをすませました。1月18日、おもろまちの沖縄県立博物館・美術館で。JPIC出版文化産業振興財団主催です。

ダイアローグの書き換えワークショップを中心として、楽しめることまちがいなしのイベントになります。沖縄のみなさん、ぜひどうぞ。詳細は適当に検索してみてくださいね。

鋭い言語感覚の怪物みたいな本谷さん、その素顔はいい声の、配慮にあふれた人でした。どんな会になるか、いまから楽しみです!

12月か!

ああ、今年も12月。早いね。

12月は、まず3日(火)に明治大学中野キャンパスホールにて大川景子監督のドキュメンタリー『異境の中の故郷 作家リービ英雄52年ぶりの台中再訪』上映会を行ないました。

第1部として、Port Bのプロジェクト(フェスティバル/トーキョー参加作品)「東京ヘテロトピア」の総括報告を、ポルト刊行リサーチセンター主任研究員の林立騎さんがみごとにこなしてくれました。ついで高山明さんのコメントも。ぼくは作家として温又柔さん、小野正嗣さん、木村友祐さんとともに参加しましたが、かけねなく、きわめて重要でアクチュアルな作品になったと思います。

まだ体験していない人は、ぜひこの週末(8日が最終日!)にどうぞ。

ついで第2部。50分強の作品ですが、感動的でした。リービさんとその愛弟子・温又柔さんの台中への旅。日本語表現のすべてを相対化するふたりの言葉は上映後のディスカッションでも輝いていました。

この作品の上映会、今後も企画していきます。ぜひどこかの時点でごらんください。ぼくは「プロデューサー」としてクレジットされていますが、台中の現地での協力者、東海大学の笹沼さんや燕先生の努力なくしては実現しない企画でした。改めて、ありがとうございました。

このビデオ作品、「東京ヘテロトピア」との接続がみごとに果たされました。これから2020年にむかって集団的な健忘症を強いられることになる、われらが東京。その300の地点に埋もれた物語を、これから数年かけて発掘してゆくつもりです。

みなさん、また会いましょう!

2013年11月29日金曜日

リービ英雄ドキュメンタリー完成!

明治大学理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系管啓次郎研究室では、大川景子監督によるドキュメンタリー作品『異境の中の故郷 作家リービ英雄52年ぶりの台中再訪』完成記念上映会を開催いたします。


日時 12月3日(火)18:10〜20:45
会場 明治大学中野キャンパス5階ホール
予約不要・入場無料
問い合せ先 明治大学理工学部 管啓次郎(044−934−7275)

これは現在開催中の演劇祭フェスティバル/トーキョー参加作品「東京へテロトピア」関連企画でもあります。

プログラム
 『東京ヘテロトピア』総括レクチャー 林立騎、高山明
 『異境の中の故郷』上映(55分)
 アフタートーク リービ英雄、温又柔 (司会=管啓次郎)

お誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

2013年11月25日月曜日

「東京ヘテロトピア」進行中!

フェスティバル/トーキョー参加作品「東京ヘテロトピア」、公開期間は早くもあと2週間を切りました。

13の場所をめぐるサウンドインスタレーション、ツアー型演劇。さすがはPort B高山明演出の、強烈なオリジナリティのある作品です。

http://www.festival-tokyo.jp/program/13/tokyo_heterotopia/


ぼくは3つの場所をめぐるテクストを書きました。池袋西口公園のベンガル語記念碑ショヒド・ミナール、神田駿河台の中華料理店・漢陽楼、そして東洋文庫。

ショヒド・ミナールは「ベンガルの母」のような朗読者が驚異的にすばらしく、とても自分が書いたテクストとは思えない、驚くべき高みに達しました。きょうは遅ればせながら漢陽楼にゆき、ここでも中国青年の訥々とした朗読に打たれました。東洋文庫は、ぼく自身が読んだ。じつはまだ聴いていません。今週行くでしょう。

ぼくがいってもなかなか信じてもらえないかもしれませんが、これは歴史に残る作品だと思います。そしてこのプロジェクトを、われわれは今後も進めてゆくつもりです。歴史の忘却を意図する者たちに抗して、語られなかった東京を。アジアの人々が体験した東京を、物語に。

ぜひどうぞ。


青森ツアーを終えて

23日、八戸郊外のバイパス沿いにあるSlow Baseに。ここは小説家・木村友祐のお兄さん木村勝一さんが営む複合スペースで、カフェ、雑貨店、古着屋などが入った大きな建物。勝一さんはキックボクサー、俳優、アーティスト。鉄板を切って犬のフィギュアを作る、パワフルな人です。

そして彼が作り上げたのが、裏手の森に点在するツリーハウス群! 友祐さんの佳作『海猫ツリーハウス』の舞台そのもの。ちょっとびっくりします。この規模の村が森の空中にあるなんて。まさに八戸ヘテロトピア。

ここのカフェで、友祐さん、山内明美さんと語り合いました。われわれが生きる時代を、そして<東北>という土地を。その糸口を見つけただけで終わりましたが、これから長い時間をかけて持続的に話し合っていかなくてはならないことばかりです。この鼎談、「すばる」の2014年3月号に掲載予定です。お楽しみに。その後、詩人の田中庸介さんの朗読、木村兄弟による八戸弁全開の『海猫ツリーハウス』朗読もあって、すばらしい一夜でした。

24日はおなじメンバーで、まず新郷村の「キリストの墓」を見たあと、奥入瀬渓流ホテルにむかいました。十和田奥入瀬芸術祭、最終日のクロージング・イベントとして、石田千さんと対談。土地の魅力にどうアプローチするかを、改めて話し合いました。この芸術祭をプロデュースした藤浩志さんも来てくれて、藤さんの「やせ犬」たちと木村勝一さんの「鉄犬」が出会う可能性が生まれました。十和田と八戸の新たな連係?

ともあれこれにて6日間連続イベント、どうにか終了。みなさまありがとうございました。これからも、ヘテロトピアの創出をめざしましょう。

2013年11月23日土曜日

読売書評 #47

24日掲載。ベノワ・マンデルブロ『フラクタリスト』(田沢恭子訳、早川書房)。

フラクタル幾何学の創始者マンデルブロの自伝です。リトアニア系ポーランド生まれのユダヤ人、フランスで自己形成し、やがてIBM研究所を舞台にあらゆる事象のラフネスを研究。デッサンがうまく絵が好きだったということに、なるほど。数学的天才をもって物理学・経済学・工学・芸術をむすびつけ、誰にも似ていない着想をくりひろげてきた生涯に感嘆。

昔読んだパウル・ファイヤーアーベントの自伝もおもしろかったけど内容はすっかり忘れたので、また読み直してみます。

それにしても。数学やっておくんだった。

4つ終了

6夜連続イベント、4つまでぶじ終了しました。

19日、B&B。『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』のイベントで畠山直哉さんと対談。畠山さんのスライドショーを中心に進行しましたが、ぼくの『時制論』朗読の途中、次の1行に畠山さんが爆笑。

 写真を撮るなら撮ることに徹したいので被写体はむしろ邪魔だった

 こっちにも笑いが感染し、最終行を読むことができませんでした。ちなみにその最終行とは

 一枚の板チョコを組織的に十二分割して十二人で同時に食べる

でした。満席で、楽しい一夜。

20日、池袋の東京芸術劇場。「東京ヘテロトピア」イベントとして、演出家と作家チームの鼎談。高山明さんの質問に、小野正嗣さんとぼくが答える形式で。これも熱心な聴衆が多く、「東京ヘテロトピア」の今後の展開も語られて、大変に意味深い会でした。

21日、馬喰町アートイート。『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』所収のぼくの小説を、港大尋さんの伴奏つきで全文朗読。50枚、70分、予想ぴったりでした。この2年半に考えたさまざまなことを盛り込んだ、奇妙な小説です。満席のお客さんはずっと集中して聴いてくださったのもありがたかった。ちょっと見えてきたので、これは必ず再演します。

22日、明治大学アカデミーホール。岩波書店創業100周年記念シンポジウム。広井良典さんの基調講演のあと、ぼく、長谷川一さん、高橋源一郎さんが順に話し、あとは討論。司会進行もぼくが務めました。「大学、出版、知の未来」と題する場でしたが、広井さんが人類史の人口推移から自然エネルギーコミュニティ構想にいたる非常に大きな枠組を提示してくれて、その中をみんなで旅した感じ。時間が短すぎたのが惜しい、充実した議論でした。

明日、23日は、八戸に、むかいます。

2013年11月19日火曜日

今週の予定

秋もずいぶん深まってきました。今週は風邪をひかないことが課題。いくつかイベントが続きます。

19日(火)『十和田、奥入瀬』をめぐり畠山直哉さんと対談。
20日(水)「東京へテロトピア」で小野正嗣さん、高山明さんと鼎談。
21日(木)小説「三十三歳のジョバンニ」全文朗読会。
22日(金)岩波書店創業100周年記念シンポジウムで司会担当。
23日(土)八戸で山内明美さん、木村友祐さんと語り明かす夜。
24日(日)十和田奥入瀬芸術祭最終日、石田千さんと対談。

いずれかに、ぜひいらしてください。

2013年11月17日日曜日

読売書評#46

11月17日掲載。ズザンネ・ブッデンベルク+トーマス・ヘンゼラー『ベルリン 分断された都市』(フランツ+深見訳、彩流社)。

分断時代のベルリンをめぐる5つの実話からなる歴史漫画。いまとなっては夢のようにさえ思える、異常な時代の記憶を淡々と刻みます。

2013年11月15日金曜日

12月4日、野村喜和夫さんと

12月4日、野村喜和夫さんと対談します。パルコブックセンター吉祥寺店にて。喜和夫さんの新詩集のタイトルを記したいのですが、漢字が出てきません!ぼくの詩集とともに、左右社刊。旅と詩をめぐる話になることでしょう。

http://www.libro.jp/news/archive/003796.php

2013年11月13日水曜日

伴奏は港大尋!21日は馬喰町へどうぞ

21日(木)、馬喰町Art & Eat にてぼくの書き下ろし小説「三十三歳のジョバンニ」の全文朗読会を行います。即興でギターによる伴奏をつけてくれるのは、あの知る人ぞ知るバンドSociété contre Etat を率いる音楽家・港大尋さん。

『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)のために書いた小説ですが、この2年半の状況のすべてが、そこに流れこんでいます。直接には、今年6月の南相馬市立中央図書館での滞在制作から生まれた作品。

50枚の長さですから、おそらく70分ほどの朗読時間になるのではないかと思います。緊張しますが、万全に体調を整えて臨みたい。ぜひ聴きにきてください。

なお33歳、あるいは1980年生まれの方には、特別なおみやげを進呈します!

http://www.art-eat.com/event/?p=2563

畠山直哉さんと、下北沢で

19日(火)、下北沢B&Bで畠山直哉さんと対談します。『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』(青幻社)出版記念イベントです。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131119_oiraseart3/

石田千、小野正嗣、小林エリカのみなさんが土地をめぐる小説を書き下ろし、畠山直哉さんが3度にわたる旅行で撮影してきた写真を収めたこの本、自信作です。ちょっと類例がないくらい、いいものになりました。

ぜひ読んでみてください。

「声と文学」、文月悠光さんと

17日(日)、高松市のBOOK MARUTEで文月悠光さんと詩のワークショップをします。といっても、誰でも参加できる楽しいイベント。ことばって、声って、詩っておもしろいんだなと感じてもらえるような構成を考えています。

瀬戸内地方にお住まいのみなさん、ぜひ遊びに来てください。

http://www.jpic.or.jp/topics/docs/takamatsu.pdf

2013年11月11日月曜日

『ストレンジオグラフィ』完成!

そして9日、新著『ストレンジオグラフィ』(左右社)が完成しました! これまでにない(たぶん)といえそうな仕掛けがいくつもありますが、中でも「あとがき」はぜひごらんください。そしてその秘密を、誰にも教えないでくださいね。

ぼくにとっては9冊めのエッセー集です。

『コロンブスの犬』(1989)
『狼が連れだって走る月』(1994)
『トロピカル・ゴシップ』(1998)
『コヨーテ読書』(2003)
『オムニフォン <世界の響き>の詩学』(2005)
『ホノルル、ブラジル』(2006)
『本は読めないものだから心配するな』(2009)
『斜線の旅』(2009)

これに続く9冊め。最大の特徴は、この本に収めた文章の中に、2011年3月11日という大きな切断の日付が隠れていることでしょうか。この日、そしてそれにつづく日々、日本社会は「それまでのやり方」にはっきり別れを告げる決意をしたはずです。それを何事もなかったかのように、好き勝手な方向に日本をむかわせようとするやつらには、あくまでも抵抗しなくてはなりません。

そして抵抗の基礎は、読書にあります。何しろ、日本を動かしている、と称しているやつらは、本らしい本なんてぜんぜん読まないんだから。

すごかった

そして9日(土)夜のエスパス・ビブリオでの朗読会。『時制論』の過去形と現在形を、ぼくとドリアンさんが1行ずつ交互に朗読。これは熱かった! 予想をはるかに超えて、いい効果が生まれました。

もちろん、その他の話もいろいろ。『時制論』の64片をぜんぶ読むと、おそらく3時間強。ドリアンさんとふたりなら、それもできそうな気がしてきました。

いつか実現したら、ぜひ聴きにきてください。

同僚のカリスマ・フランス語教師、清岡智比古さんが、すごく的確な感想を書いてくれました。清岡さん、ありがとう!

http://tomo-524.blogspot.jp/


読売書評#45 

中村隆之『カリブ-世界論』(人文書院)。11月10日掲載。フランス語圏カリブ海に興味をもつ人にはmustの一冊が生まれました。

スロヴェニアにはLOVEがあるから

世界のすべての国の中で国名にLOVEが含まれているのはここだけでしょう。そう、SLOVENIAです。ゲルマン、ラテン、スラヴのすべての交差点。人口200万の小さな国ですが、大好きになりました。

そのスロヴェニアから来日していた4人の現代詩人とのセッション、ぶじ終了。かれらは元気に帰ってゆきました。

3日の明治大学には約50名、5日の神戸大学には約25名。多くはありませんが熱心な聴衆を得て、大変に有意義なひとときをすごすことができました。特に神戸でお世話になった樋口大祐さん、増本浩子さん、楯岡求美さんをはじめとするみなさん、ありがとうございました。

4日には大阪の都心とは思えないしずかな住宅地、福島区の一角にあるフォトギャラリーサイにお邪魔して、赤阪友昭さんからスコットランドを撮影したすばらしい写真を見せていただき、みんなで感嘆。そのあとの焼鳥屋、トルコ・バーも最高。スロヴェニアに大阪ファンが、確実に6人は生まれました。赤阪さん、ありがとうございました。

スロヴェニアとの関係は、これからも育ててゆくつもりです。詩がむすぶ友情を。再会がはやくも楽しみです!

2013年11月7日木曜日

9日(土)、エスパス・ビブリオで

あさっての土曜日、夜7時。駿河台、男坂わきに新しくできたエスパス・ビブリオで、詩集『時制論』とエッセー集『ストレンジオグラフィ』(いずれも左右社)の刊行記念イベントを開催します。

つきあってくれるのは、われらがドリアン助川さん。『時制論』のジョイント朗読を、ぜひ聴きにきてください!

http://sayusha.com/news/event/p=201310181817

2013年11月2日土曜日

スロヴェニア+日本?

スロヴェニアから4人の代表的現代詩人が来日。きょう金曜日、相互翻訳ワークショップの第1日を開催しました(明治大学中野キャンパスにて)。

明日、土曜日も続行。そしてその成果を日曜日に問います。

『スロヴェニア+日本 詩の対話』

ミラン・デクレバ
アレシュ・シュテゲル
ガシュペル・ピウシェク
カティア・ペラト
福間健二
野村喜和夫
管啓次郎
三角みづ紀
橘上

お茶の水の明治大学アカデミーコモン2階A2・A3会議室にて。15時〜17時。

ぜひお誘い合わせの上、ご来場ください。予約不要、入場無料です。

なお5日(火)には神戸大学文学部でも。そちらは17時〜18時30分です。

「水牛」11月号

八巻美恵さんのウェブジン「水牛」、更新されました。ぼくは連作詩「写真論」の5、6、7。これで完結です。

ぜひごらんください。

「東京へテロトピア」

11月9日からはじまる演劇祭フェスティヴァル・トーキョー。高山明さんを中心とするプロジェクト「東京へテロトピア」に、ぼくも参加しています。

いよいよ制作も佳境に入りました。ぼくが書いたテクストが、はたしてどんな声により語られ、どんな風に聴かれるか。

楽しみです。

『アメリカ文化55のキーワード』

笹田直人・野田研一・山里勝己編著『アメリカ文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房)が完成。アメリカ研究を志す人には必携書となるでしょう。

ぼくは1項目だけ、「カリブ海世界 クレオール文化の母胎」を担当しました。新味はありませんが、サント・ドミンゴで撮影してきた写真を見てくださいね。


2013年11月1日金曜日

『十和田、奥入瀬』関連イベント報告

われわれの『十和田、奥入瀬 土地と水をめぐる旅』の関連書店対談シリーズ@下北沢B&Bでは、26日(土)に石田千さんと小林エリカさんの対談、ついで29日(火)に小野正嗣さんとぼくの対談を行ないました。

まず千さんとエリカさんの繊細で優美な作品の背後にあるものをうかがい、ついで小野さんとぼくの珍道中の印象を語り合い。いずれも楽しく、また内容のある話になったと思います。

次は11月19日(火)に、畠山直哉さんとぼく。写真とコトバの関係、そして両者と土地の体験の関係との、もっとも深いところにまで達する話をしたいと考えています。

ぜひいらしてください。というか、急がないと満席になっちゃうよ!

2013年10月29日火曜日

あ、今夜だ!(小野正嗣さんと)

下北沢B&Bでの小野正嗣さんとの対話、今夜8時です。ひまでひまで仕方がない人は、ぜひ遊びにきてくださいね。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131029_oiraseart2/

2013年10月26日土曜日

読売書評 #44

アレハンドロ・サンブラ『盆栽/木々の私生活』(松本健二訳、白水社)。10月27日掲載です。ポスト・ボラーニョのチリの新鋭による中篇2つ。いい感覚。楽しめる作品でした。


2013年10月25日金曜日

石田千さん、小林エリカさん

十和田奥入瀬芸術祭参加作品として作った書籍が『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』でした。すばらしい作品を寄せてくださった参加作家の石田千さんと小林エリカさん、初の顔合わせです。

土曜日、下北沢、B&B。ぜひお誘い合わせの上、ご来場ください。その場で立ち上がる目が覚めるような言葉を、きっと体験できます。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131026_oiraseart1/

2013年10月21日月曜日

『時制論』、ドリアンさんと

詩集『時制論』刊行記念イベントの第2弾は、ドリアン助川さんをお招きして詩と旅についての対談。ぼくの詩の朗読を、ドリアンさんとのかけあいでやります! これは相当すごいものになりそう。ぜひおいでください。

http://sayusha.com/news/event/p=201310181817

2013年10月17日木曜日

山形

今年のゼミ合宿は山形国際ドキュメンタリー映画祭。週末の滞在で、各自で行動。きょうそれぞれの報告を聞きます。

ぼくはインターナショナルコンペティション部門を中心に10本ほど見ることができました。Joshua Oppenheimer の衝撃的なThe Act of Killingや、静謐な抒情と社会意識をたたえたIgnacio AgüeroのEl otro díaもすばらしかったけれど、今年の(ぼくにとっての)最高傑作はSourav SarangiのChar... The No-Man's Island。インドとバングラデシュの国境に生まれた川の中洲に住みついた人々を追った、驚くべき作品です。

できれば期間中ずっと滞在したかった。といっているうちに昨日から東京国際映画祭? 東京にいるあいだは用事が多すぎて、どれも行けそうにないな。山形の再来年が、早くも楽しみ。


2013年10月13日日曜日

読売書評 #43

高啓安『敦煌の飲食文化』(山本孝子訳、東方書店)。10月13日掲載。

1000年前のシルクロードのオアシス都市と現代が一直線につながる思いで読めます。不思議な漢字がたくさん出てくるのも楽しい。

2013年10月10日木曜日

小野正嗣さんと

29日、下北沢B&Bで小野正嗣さんと対談します。十和田奥入瀬の土地を一緒に体験したわれわれが、「土地とは何か?」について、思うことを語る夜。

ぜひ、いらしてください。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131029_oiraseart2/

2013年10月8日火曜日

MONKEYが帰ってきた、やってきた

柴田元幸さん編集の戦闘的ウルトラ・ポップ文芸誌「モンキービジネス」が、版元を変え名前を変えて帰ってきました。

http://www.amazon.co.jp/MONKEY-No-1-◆-青春のポール・オースター-柴田元幸責任編集/dp/4884183894/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1381241876&sr=8-1&keywords=monkey

まずはポール・オースター特集。木曜日発表のノーベル賞にも注目。

ぼくは「あなたがいたい場所」というアンケートで参加しています。ぜひごらんあれ!

2013年10月7日月曜日

セルビアでのインタビュー

ベオグラード最後の夜に受けたインタビューがオンラインで公開されたようです。まったく読めないので、ちょっと心配。インタビューそのものは英語でした。

http://www.politika.rs/rubrike/Kultura/Uz-poeziju-i-svece-preziveli-smo-noci-posle-cunamija.sr.html

石田千+小林エリカ

十和田奥入瀬芸術祭参加作品(書籍)『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』に小説を寄稿していただいた石田千さんと小林エリカさんの対談を、下北沢B&Bで行ないます。26日(土)です。おふたりがこのエリアをどんな風に体験されたか、ぜひ生の声でお聞きください。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131026_oiraseart1/

その翌週、小野正嗣さんとぼくの対談も。平日になりますが、そちらもよろしく! 詳細はまたね。

『時制論』イベント終了

5日、下北沢B&Bでの『時制論』(左右社)刊行記念イベントを開催しました。おかげさまで満席+。ありがとうございました。

はじめ、ぼくが単独で『時制論』の11〜20を朗読。ついで高山明さんに入っていただき、作品をめぐる対話。それから倉石信乃さん、南映子さんとともに3声で21〜30を朗読。さらに高山さんとの話、最後に会場のみなさんとの応答でしめくくり。

この詩集の特異な性格の一端がわかっていただけたのではないかと思います。詩集から派生する作品については、来年以後の展開を。

さて、左右社からの新しいエッセー集『ストレンジオグラフィ』も制作の最終段階に入りました。11月8日刊行予定です! こちらもお楽しみに。

2013年10月2日水曜日

「第117支店被害者の会」

そして今夜は高田馬場で、田内志文くんの次のイベントにゲストとして。ダーツ・バーでの開催! 遊びに来てください。

http://www.tsogen.co.jp/news/2013/09/13091117.html

「水牛」10月号

そして10月、今年の最終4半期に突入。「水牛のように」10月号に「写真論」のつづきを書きました。

http://www.suigyu.com/

2013年9月30日月曜日

台湾朗読会終了、そして終わらず

28日(土)、台中の東海大学。29日(日)、台北の交流協会。『ろうそくの炎がささやく言葉』朗読会をぶじ終えることができました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。十分な時間ではありませんでしたが、いろいろな意見を交わすこともできて、たいへん充実したひとときでした。

全体をアレンジしていただいた東海大学の黄淑燕さん、笹沼俊暁さん、交流協会の長谷川理恵さん、ほんとうにありがとうございました。また台湾でもっとも重要な原住民作家のひとりであるワリス・ノカンさんの参加を得たことは、われわれにとって大きな意味のあることでした。

終えて、終わりではありません。声の糸はさまざまなかたちで多方向につながっていきます。この続きは、また必ず。いつかはワリスさんの山の村を訪ねてゆきたいと思っています。また、この春の台中行きのそもそものきっかけだった、大川景子さんによるリービ英雄さんのドキュメンタリー制作も、そろそろ佳境を迎えています。お楽しみに。

2013年9月29日日曜日

読売書評 #42

スヴェン・ハヌシェク『エリアス・カネッティ伝記』(北島玲子ほか訳、ぎょうせい)。9月29日掲載。

カネッティの浩瀚な伝記。おもしろい。でも書評では字数がないので、いろいろなエピソードの紹介には至りませんでした。鉛筆を40本も削って一晩中書き続けたこととか、子供のころお母さんから超スパルタ教育でドイツ語を叩きこまれたこととか、カール・クラウスの影響下、朗読好きだったこととか、チューリヒのお墓はジョイス父子の隣にあるとか。

自伝作家として、ほぼ同世代のミシェル・レリスとの対比を考えてみるのもおもしろいでしょう。タイプはぜんぜんちがうけれど。

来年はチューリヒ詣でに行くか。

2013年9月27日金曜日

「現代思想」10月号

10月号はなんと富士山特集。日本を代表する冒険家、石川直樹さんと対談しました。おととしの富士登山を思い出しつつ、楽しい対話! ぜひごらんください。

ゼミ見学歓迎します

後期の授業開始、大学院も。早速、早稲田の大学院で写真研究を専攻するXくんが見学に来てくれました。慶應の学部4年生Yさん、中央の学部3年生Uさんと合わせて、ゲスト3人。全員、議論にも参加してくれたので、うちの(本来の)ゼミ生たちにもいい刺激になりました!

ゼミ見学を歓迎します。毎週木曜日の13時から。明治大学中野キャンパス5階の511教室に来て、声をかけてください。

そしてぜひ、受験してくださいね。いろいろな考え方の種子に、これほど多く出会えるゼミは、そうはないはずです。

2013年9月25日水曜日

10月5日のイベント

10月5日、下北沢B&Bでの『時制論』刊行記念イベントですが、演出家の高山明さん(Port B)が対話の相手をつとめてくださることになりました。十和田奥入瀬芸術祭を機に知り合った高山さんとは、この秋のFestival Tokyoでの彼のプロジェクトでもご一緒することに。その鋭利な知性が、ぼくの詩集にもむけられます。楽しみ。

そして朗読のパートでは、倉石信乃さん(詩人・批評家)と南映子さん(メキシコ文学者)が、それぞれ男声、女声として作品の立体化に協力してくれることになっています。

かなりおもしろい午後になるはず。ぜひいらしてください。予約、たぶんすぐに埋まります。お問い合わせは直接B&Bにどうぞ!

2013年9月24日火曜日

『ミグラード』刊行記念イベント

23日、池袋の西武コミュニティカレッジ5番教室で、『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)の刊行記念イベントを開催しました。

満員。ずっとわれわれのツアーを追ってきた河合宏樹監督による映像を見て、みんなで話をし、ついで各人の出し物。小島くんはなんとエスペラント語歌詞のオリジナル曲を、小説家の温又柔さんおよび歌手のめいりんさんとともに披露。ぼくは本書所収の「33歳のジョバンニ」の一部を朗読。古川さんは宮澤賢治の詩、柴田さんはシンガーの短篇。最後にみんなで「春と修羅」をひさびさに。

 いてふのこずゑまたひかり
 ZYPRESSEN いよいよ黒く
 雲の火ばなは降りそそぐ

もちろんこの旅に終わりはありません。少なくとも、分断されたわれわれの社会に「橋」を架ける必要を認めるかぎり。

またいつかどこかで、ぜひ見に来てください。


十和田奥入瀬芸術祭、はじまる

21日、十和田奥入瀬芸術祭が開幕。オープニング・イベントの一環として、会場のひとつ「森のホテル」フォワイェのカフェで、ぼくの朗読会を開催してもらいました。

できたばかりの『時制論』から最初の10片。ついでキュレーターの小澤慶介さんと、今回の展覧会および書籍の意図をめぐる対話。窓の外にひろがる緑を見ながら、気持ちのいいひとときを過ごすことができました。

http://artstowadaoirase.jp/

翌日は、音楽家Mamoruさんの作品である、十和田湖の遊覧船クルーズ。すばらしい秋晴れで、このエリアの美しさを堪能することができました。

みなさん、この機会にぜひ十和田へ。光の明るさにかけては比類ない土地です。

2013年9月19日木曜日

10月5日は下北沢で

そして10月5日には下北沢B&Bで『時制論』の刊行記念朗読会です。16行詩を朗読すると、およそ1分半。自分の話を交えると、32片を読むのにちょうどいいくらいかもしれません。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131005_agendars4/

16行詩、64片を、全4冊。これをもって『Agend'Ars』シリーズは完結。その全容を知るために、ぜひ遊びにきてください。

奥入瀬で朗読会

その十和田奥入瀬芸術祭のオープニング・イベントの一環として、ぼくの新しい詩集『時制論』(左右社)の朗読会を21日午後に開催します。

この土地の良さ、すばらしさを体験するためにも、ぜひいらしてください。

http://artstowadaoirase.jp/

『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』

いよいよ21日から、十和田奥入瀬芸術祭が開幕します。その展覧会の出品作品としてぼくが監修した書籍『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』が完成しました! 青幻社より刊行。

中心的なイメージを提供するのは畠山直哉さんの写真アルバム。それに小林エリカさん(湖)、石田千さん(渓流)、小野正嗣さん(平原)という、まったく個性のちがう3人の作家の書き下ろし小説が加わり。この魅力的な青森中央部エリアが全面的に前景化される、類例のない本になりました。

この機会を与えてくれた芸術祭キュレーション・チームのみなさん、そして書籍編集を担当した影山さん、ありがとうございました。すばらしいできばえです!


『ミグラード』完成!

セルビアの日々を終え、すっかり秋の肌寒いウィーン経由で帰ると、東京はまだまだ夏ですね。関係した書籍が2冊届いていました。

まず、『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)。2011年12月24日の初演以来、われわれが全力をあげて取り組んできた『銀河鉄道の夜』の関連CDブックです。

古川日出男による完成版脚本に加えて、柴田元幸とぼくの書き下ろし小説(柴田さんのは中にブライアン・エヴンソンの傑作「ウインドアイ」の名訳を含んでいます)、そして小島ケイタニーラブの歌(エスペラント語歌詞のものも!)を収録したCD。

この劇の各地での上演によって出会うことができたみなさんの表情、声も、よみがえってきます。ささやかだけれど、確実な手応えのある活動でした。これからも、仲間たちとともに、このどうしようもない社会のかたすみでそっと続けていきたいと思います。

朗読劇ツアーの全体をとりまとめるとともにすっきりとした本に仕上げてくれた編集の関戸さん、やはりツアーのちらしからずっとお世話になっている装丁の椚田さん、ほんとうにありがとうございました! 



2013年9月15日日曜日

セルビアにて

セルビア北部、ハンガリーとの国境地帯に滞在中です。セルビア文芸協会主催の「文学コロニー」(要するに作家、詩人の合宿)に招待され参加中。アルバニア、ドイツ、クロアチア、日本から各1名。そしてセルビア側の世話役です。

国内3カ所での朗読会のほかは義務もなく、田園地帯のしずかな葡萄畑・果樹園つきベッド&ブレックファストで終日、創作と読書。5日間がまたたくまに過ぎて、残すところあと2晩になりました。

ここの近くの町センタはハンガリー人が人口の7割とか。またたばこ産業が盛んなのですが、たばこ畑の所有者は日本のJTだそうです。町の公園の四阿も日本人の寄付だといっていました。

こんな文学キャンプ、日本でも開催したいものです。すでにこの6月、スロヴェニア人の詩人アレシュ・シュテゲルと2人で南相馬に行き、南相馬市立中央図書館にこもって制作をするという試みをしましたが、それはいわば自主トレ。

しかるべきスポンサーを探し、大都市から遠いどこかにせいぜい5、6人のグループで合宿し、ひたすら書くという日々を。

特に、いま、世界中の文学者に福島を訪れてほしいと思います。そして書いてほしい。そんな機会を、どうにかして作りたいものです。


読売書評 #41

本谷有希子『自分を好きになる方法』(講談社)。9月15日掲載です。

何の魅力もない平凡な女性の生涯を、彼女の人生のさまざまな年齢にわたる6日間のエピソードによって提示します。恐るべき才能。

なお、今月下旬発売のわれわれ(古川日出男、柴田元幸、小島ケイタニーラブと)の本『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)にぼくは「33歳のジョバンニ」という50枚の小説を書きましたが、本谷さんのこのリンデの物語とはまったく無関係に構想されたものです。この続編「42歳のジョバンニ」もいつか。

2013年9月10日火曜日

台湾朗読会

『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)の朗読会を、台湾で開催することになりました。9月28日(土)は台中の東海大学。29日(日)は台北の交流協会文化ホール。台湾のみなさんと、震災の経験を、東北の土地を、語り合う機会にしたいと思います。

http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/post/60733358422/9-28-29


『ミグラード』刊行記念イベントは9月23日(月・祝)

われわれが一昨年以来つづけてきた朗読劇『銀河鉄道の夜』の完成脚本を含む書籍『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)が今月下旬に発売されます。それを記念して、古川日出男、柴田元幸、小島ケイタニーラブとぼくがそろって出演する刊行記念イベントを、以下のように開催します。ぜひおともだちと連れだっていらしてください。

http://www.libro.jp/news/archive/003630.php


2013年9月7日土曜日

読売書評 #40

8日掲載です。岩合光昭『イタリアの猫』(新潮社)。岩合さんの手にかかると、猫がほんとうに高貴でかわいい動物に見えてきます。のんびりページをめくって、いつまでも楽しめる写真集。

「水牛」9月号

ウェブマガジン「水牛」には「写真論」と題した短い詩の連作から2つ。次号で2つ、その次で3つ発表し、7つで完結するつもりです。読んでみてください。

「すばる」10月号

連載「旅ときりぎりす」、10月号は「ハワイ島」です。ぜひごらんください!

南相馬への旅

その大会が終わって、つづく9月2日と3日は、会員有志14名による南相馬への旅となりました。いまこの土地でフロッタージュ制作プロジェクトを進行中の岡部昌生さんの作品を拝見し、ついで津波によって「浦」に戻った地帯を見学しながらフロッタージュ作品の制作体験。陸地に打ち上げられたテトラポッドにつく小さなふじつぼたちの生命に、ふるえるような感動を覚えました。

ついで翌日は、やはり津波のあとの生態系の変化を、自然部門の学芸員の方のご案内によって見てまわりました。それから海岸にあった海水浴場が受けた破壊の大きさ、重さに、ずしんと強い衝撃を受けました。ついで最後に世界に誇れる南相馬市立中央図書館見学。多くのことを次々と考えさせられる、充実の小さな旅でした。

この企画は、南相馬市立博物館および福島県立博物館、そして南相馬市立中央図書館の全面的なご協力によって可能になったものです。当日もずっとおつきあいいただいた博物館スタッフのみなさま、ほんとうにありがとうございました。

そして岡部さんのアーティストとしての偉大さを、改めて痛感する機会にもなりました。指先の感触を認識の道具とし、世界をそのままに擦り取る。大きな破壊をこうむった土地で、具体的な希望への感触を強烈にしめしてくれる、すばらしい作品群でした。これからも、その制作はつづきます。岡部さんが着実に、まさに全身全霊をこめて残してゆく痕跡を、じっと見てゆきたいと思います。


ASLE-Japan 文学・環境学会

本年度のASLE-Japan大会は8月31日と9月1日、白百合女子大学を会場として開催されました。初日は纐纈あや監督による映画『祝の島』上映とディスカッション、そしてドリアン助川のアルルカンシアター『ブカレスト=プノンペン=フクシマ』が、いずれも観衆に大きな感銘を与えました。

2日目は2つの部屋に分かれてのエコロジー批評の研究発表。最後に、生態系を主題とするファンタジー小説の作者である舟崎克彦さんの基調講演(舟崎さんは白百合女子大教授でもあります)。

きわめて充実した2日間でした。大会実行委員長の岩政伸治さん、ありがとうございました。

人間世界と自然の境界面をじっと考え、想像力によって次の位相を考える環境文学は現代の地球社会にとってきわめて重要な分野です。ASLEは文学研究者のみならず、あらゆる人々に開かれています。

来年度は11月22〜24日、沖縄本島北部の名護で開催する予定です。この機会にぜひ入会してください。一緒に沖縄に行きましょう!

2013年8月24日土曜日

31日はドリアン助川さんと!


本年度の「ASLE-Japan/文学・環境学会」全国大会は来週末、31日と1日に、白百合女子大学(京王線・仙川)で開催します。

今年のキーノート・スピーカーをお願いしたのは、われらがドリアン助川さん! 彼のとっておきのパフォーマンスを見せてくれることになっています。 

この部分は一般の方にも公開します。ご興味のある方は、ぜひおともだちとお誘い合わせの上、見にきてください。

8月31日(土)15時50分〜17時50分
白百合女子大学カフェテリアにて

創作家ドリアン助川氏のアルルカンシアター
「ブカレスト〜プノンペン〜フクシマ」

ドリアンさんの歴史的ヴィジョンにふれて、見えていなかったことを考える機会になればと思っています。特に、高校生、大学生のみなさん、ぜひどうぞ。

2013年8月23日金曜日

十和田奥入瀬ツアーへ

9月21日から十和田奥入瀬芸術祭がはじまります。これに合わせてAIT主催のツアーあり。

http://www.a-i-t.net/ja/future_archives/2013/08/towada-oirasetour.php

個人で行くより、かなり安上がりです。初日の夕方には、ぼくの新しい詩集『時制論』(左右社)の朗読会も。

秋の青森を味わいたい人は、ぜひどうぞ。

2013年8月21日水曜日

「書評空間」再開します!

紀伊國屋書店の書評ブログ「書評空間」、ずいぶん長いあいだお休みしてしまいましたが、再開します。再開記念は古川日出男+後藤友香『コレクションさん』から。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/

大竹昭子さんや阿部公彦さんが着実なペースで充実した書評をつづけています。紙媒体では実現できない自由度(原稿の長さ、しめきりのなさ、とりあげる対象の広さ)が大きな魅力。

特に学生のみんなに勧めたい本を、とりあげて紹介していく場にしたいと思っています。ときどきチェックしてみてください。


2013年8月18日日曜日

『STRANGEOGRAPHY』

ぼくの第9エッセー集にあたる『STRANGEOGRAPHY』、11月に左右社から刊行できるよう準備中です。

すべて既発表の文章ばかりですが、歩くこと、旅、地形をめぐる省察、そして現代批判が入り混じった本になると思います。乞うご期待!

なお、この数年の書評などを集めた、「本は読めないものだから心配するな 2」にあたる本は、来年の夏には必ず。タイトルもすでに考えています。

こうしてこの秋もどんどん過ぎてゆくことでしょう。

読売書評 #39

ジョン・フランクリン『子犬に脳を盗まれた!』(桃井緑美子訳、青土社)。8月18日掲載。

人と犬の共生関係、共進化の歴史をめぐる科学エッセーと、著者自身の愛犬チャーリーとのつきあいをめぐる回想。プライベートなものを通じて発見される学知の世界、というポピュラー・サイエンスの常道を行く本ですが、楽しめました。

ただ、犬そのものをめぐる経験がそんなにない人だという点があらわなので、ハードコアな犬好きには物足りないかも。ムツゴロウ畑正憲先生のように生涯に1000頭近くを飼ったことのある人の話のほうが、やはり聴いてておもしろい。

書評で書こうと思って書き忘れていたのが、フロイトと犬の関係。フロイトが犬好きでチャウチャウを飼っていたことは有名ですが、犬がもつ治癒的な意味を強調していた点は、ちょっと調べてみたいと思っています。


2013年8月10日土曜日

読売書評 #38

和合亮一『廃炉詩篇』(思潮社)。8月11日掲載、メガ評(読売では月1回掲載の大きな枠)です。和合さんの生涯の代表作となるでしょう。

2013年8月4日日曜日

「読売新聞」夏休みの1冊

8月4日掲載。書評委員全員が「夏休みの1冊」として文庫本を推薦する企画です。ぼくは四方田犬彦『ひと皿の記憶』(ちくま文庫)を選びました。

みなさんのセレクションを興味深く拝見。キョンキョンの一文、一読をお勧めします(特に「あまちゃん」ファンのみなさんには)。また、ぼくが即座に購入を決意したのは、政治学者の田所昌幸さんお勧めの『高橋是清自伝』。ほかにもあれこれ読みたい、読みたいけど時間がない、休みもない。

ともあれ、夏を大切に。八月といえばフォークナー『八月の光』です。みんなで読みましょう(原文でも、加島訳でも)!

「すばる」9月号

「すばる」9月号、明日(6日)発売です。連載「旅ときりぎりす」、今回は台湾海峡の馬祖。表紙をあけると、でっかい笑顔が飛び込んできます。さて、誰でしょう?


2013年8月2日金曜日

「水牛」8月号

八巻美恵さん編集のウェブジン「水牛」8月号です。ぼくは「ケベック少年」と題する60行の詩を、ダニエル・ラノワ『ソウル・マイニング』(鈴木コウユウ訳、みすず書房)からの引用だけで構成しました。ごらんください!

http://www.suigyu.com/

2013年7月30日火曜日

「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた」、だから

にわかには信じがたい暴言。現役の副総理が、ほんとうにそんなことをいったのか? 耳を疑う、疑いたい、疑わせてくれ。昨日、麻生太郎が憲法書き換えのための「手口」を「ナチスに学べ」と発言したそうです。

http://news.livedoor.com/article/detail/7905609/

このひとことだけで政治生命を絶たれて当然。ありえないレベルの、愚昧で幼稚な、恥ずべき配慮のなさ。ヨーロッパなら、冗談にも許されない発言です。

現政権には絶対に憲法に手をつけさせてはいけない。いったいいつの時代のどんな亡霊たちが、かれらの耳もとでささやいているのか。

2013年7月26日金曜日

フランシス・アリスのおもしろさ

21日(日)、東京都現代美術館のフランシス・アリス展第2期に合わせて、杉田敦さんとアリスの詩学をめぐる対談を行いました。対談といっても、事実上は学芸員の吉崎さんを交えての鼎談。吉崎さんの適切な画像提示と解説に助けられ、この稀有のアーティストの魅力の一端を、楽しく語り合うことができました。

聴衆として来てくれたのが、今年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本選出アーティストでみごと特別賞を獲得した田中功起さん。ぼくからの質問に答え、アリス作品から受けた刺激を率直に語ってくれて、ありがとう!

そしてアリスの作品 "El Gringo"に対する応答ともいうべきぼくのビデオ「サント・ドミンゴの墓地犬軍団」も上映してもらい(ちょっと悪のりだけど)、ぼくとしては非常に有意義な午後となりました。

このアリス展、まだ当分やっています。おもしろい。特に、プロジェクトの完成にいたるエフェメラの展示は、この機会にしか見られないはず。お勧めします。ぜひ見てください!

一杯のギネスが

7月25日は4年前に亡くなった同い年の友人の命日。ふだんひとりで呑むことはないけれど、きょうばかりはギネスを一杯。思い出、あれこれ。

思えば彼は東日本大震災も福島第一の状況も知らないまま。時空をわざと混乱させて、そんなことを話してあげたい気分になりました。

そして震災後の2年あまりでぼくがもっとも力を注いできた活動、古川日出男たちとの朗読劇『銀河鉄道の夜』を、初めからかなわないことではあるけれど、いちど見てほしかった。仕方ない、仕方ない、人の世は。再会は遠からず、この世の外で。

それにつけても、汚染水を排出しつづける電力会社の無責任と政府の無策をどうにかしたい。そうじゃないか?

2013年7月17日水曜日

十和田奥入瀬芸術祭

この秋開催される十和田奥入瀬芸術祭に参加します。

http://www.cinra.net/news/2013/07/16/212819.php

取材のため、連休に十和田エリアを再訪。ひたすら走り回って、土地に対する感触をつかんできました。

ぼくは「ものがたり集」(仮称)つまり書籍の構想を担当。石田千さん、小野正嗣さん、小林エリカさんの書き下ろし小説に、畠山直哉さんの撮り下ろし写真が加わる、すごい本になります。もちろん、ぼくのエッセーも。

9月21日が展覧会のオープニングで、その日はちょうどぼくの第4詩集『時制論』の発売日です! オープニング会場で、つまりは奥入瀬渓流のほとりで、詩集の朗読会も開催します。

みんなで遊びにきてください。

読売書評 #37

西井 凉子『情動のエスノグラフィ』(京都大学学術出版会)。7月14日掲載。


南タイ、仏教徒とイスラム教徒がほぼ半々の村をフィールドとする人類学者による民族誌。フィールドで出会った数々の死の体験を中心に、たぶんもっとも科学になりにくい、人々がつねに共有している情動の流れを意識化しようとする好著です。

2013年7月10日水曜日

ドリアン助川

明治大学学部間共通授業「作る人になろう」、古川日出男さんに始まった今学期の13人のゲストの掉尾を飾るのはドリアン助川=明川哲也さん。昨年の夏から秋にかけて彼がひとりで実行した「奥の細道」自転車と線量計の旅を、スライドショーで語ってくれました。

微細に土地を見てゆくことの、無為と無意味、その彼方の発見と認識。芭蕉の精神をそのままに生き直す、すばらしいお話でした。心にしみいる蟬の声。

このあまりに画期的な授業の本当の意味を、学生のみんながどれだけ受けてくれたか。でもそれは、今後十年、二十年経たなければ、誰にもわからないことなのかもしれませんね。

ドリアンさん、ありがとうございました!

2013年7月8日月曜日

声と文学

七夕の今日は、朝10時から正午まで、柴田元幸さんとの対談でした。場所は東京駅そばのKITTE(そう、中央郵便局です)内にあるマルノウチリーディングスタイル。JPIC主催の「声と文学」イベント、第1回です。

主として翻訳と朗読をめぐって展開した話ですが、呼び物は柴田さんによる翻訳教室! おそらくボルヘス作のごくごく短い英語の幽霊話をその場でみなさんに訳してもらい、議論。

まちがいなく最年少の小学校6年の女の子の訳文があまりにあまりに見事で、万雷の拍手を浴びていました。

このシリーズ、これから柴田さんホストの仙台、金沢、ぼくがホストの高松、那覇と、今年度中に順次開催されます。

声と文学、声は文学。参加者のみなさんと、そのつどいろいろなことを考えていければ、と思います。ぜひご参加くださいね。


2013年7月4日木曜日

同僚になりませんか?

5月にお知らせした専任教員募集、いよいよしめきりが近づいてきました。

http://www.meiji.ac.jp/sst/recruit/6t5h7p000000skfl-att/English2014.pdf

われこそは、と思われる方、ぜひ応募してください。あるいは、おともだちにお勧めください。

英語と並んで「社会学」も募集中。明治大学トップページから情報を探してください。

新しい仲間を、待ってます!

2013年7月2日火曜日

「水牛のように」7月号

http://www.suigyu.com/sg1307.html

「水牛のように」が更新されました。ぼくは今月はがらりと趣向を変えて、太宰治の短篇紀行文「佐渡」に着想を得た「佐渡 after Dazai」を発表。

おもしろい作品です。ぜひ読んでみてください!

ImaginAsia 2013

7月か、7月なんだね、7月だそうだ、そうだ、7月だ。今年も後半に突入。みんな元気でやりたいもんだ。

さて。台湾の国立政治大学およびタイのチュラロンコン大学との共催ワークショップ、ImaginAsia 2013がぶじ終わりました。6月20日に日本を発ち、21日〜24日まで中国大陸福建省のすぐそばにある馬祖列島に滞在。少人数に分かれての映像制作、ほとんど眠れなかったけれど、楽しかった!

今年は地元の国立馬祖高等中学(つまり高校)の生徒たちも参加して、さらに楽しさが増幅。寮生活のかれら彼女らは、ほんとうにすなおで元気。美しい島の海と空を満喫しつつ、ぼくらもその笑顔を学んできました。

ちょうど今日から、うちの大学院(明治大学理工学研究科新領域創造専攻)の入試願書受付です。8月1日に入試。もっとも、それを逃しても2月にまたやりますから、だいじょうぶ。ぜひ受験してください。

来年のImaginAsiaは日本で開催します。一緒に、イメージ作りの新しい冒険にとりくみましょう!


2013年6月16日日曜日

読売書評#36

鳥飼玖美子『戦後史の中の英語と私』(みすず書房)。6月16日掲載。

アポロ月着陸の1969年、大阪万博の1970年、鳥飼さんこそわれわれ英語少女・少年の女神であり偶像でした。万博の年、ぼくは小6。

英語における彼女の境地に、結局足元にもおよばずに終わった自分を、深く反省します。

中学生のころ何かで読んだ「結婚しても鳥飼玖美子です」というフレーズをなぜかよく覚えています。


2013年6月9日日曜日

なだいなださん、さようなら!

なだいなださんが亡くなりました。高校から大学にかけて、彼の本のいくつかをよく読みました。彼から学んだもっとも大きなことはje-m'en-foutismeだと思っていました。ジュ・マン・フー主義。ジュ・マン・フーとは「そんなこと知ったことか」という意味。つまり、どんな権力の命令でも、どんな作法や同調圧力でも、自分が気に入らなければ「知ったことか」と平然と無視する、そんな徹底的な反権威主義・自律性を表すものだと理解していました。

でも一般にはこの言葉は、むしろ「そんなことして何になる」という冷淡で共感のない態度をしめしているようです。ゲンズブールのA quoi bon? に近いのかな。

なだいなだのどの本でそれを読んだのかも忘れてしまった今は、その本当の意味もわからなくなってしまいました。でもぼくは、一般の用法とはちがっても、「みんなそうしてるんだから」的お行儀のよさの対極をしめすものとして、この言葉を使い続けたいと思います。

ブレーズ・サンドラール(なださんは「サンドラルス」と表記していたはず)やチェーザレ・パヴェーゼへの興味を抱かせてくれたのも、彼。こうしてみると、ぼくにとっては非常に大きな存在だったのかも。

学部生のころ、ヘミングウェイの短篇A Clean Well-lighted Place を読んで、その中にnada y nada というフレーズを発見したときは、ほんとうにうれしかった。これが名前の由来なのか。なだいなださん、お目にかかることのできなかったなだいなださん、やすらかにお眠りください、永遠の休息を、永遠の無を。

(ところでぼくはこれから「なだいせる」というペンネームを使ってみようかな。Nada y ser 「無と存在」です!)

読売書評#35

6月9日掲載。アイザック・バシェヴィス・シンガー『不浄の血』(西成彦訳、河出書房新社)。

イディッシュ語世界の強烈な匂いと奇妙な光を体験してください。

「風の旅人」

雑誌「風の旅人」復刊第2号。きわめて充実した写真と文章の、そしてあいかわらず余分な広告その他がいっさいない、端正な志があふれる雑誌です。

ぼくは「思い出したこと」という短いエッセーを寄稿。小学生時代の思い出。

小説家・丸山健二さんの花写真がすばらしい。

2013年6月7日金曜日

何かが何かにつながって

毎週木曜日が中野キャンパスでの大学院授業日。13時にはじまり19時半まで、だらだらとやってます。

だらだらではあるけれど、今日も、なんかいいなあ、と思った。これだけ雑多な知識がつねに相手に呼びかけ合って別の風景を見ようとしている姿は、あまり見られるものではないでしょう。TRANSversityの理想に、着実に近づいています。

今日のゼミ発表は

横須賀の地図について
神経科学から見た歌について
19世紀ハワイの新聞を素材とするハワイ伝統文化について
映画における「サウンド派」について
日本人論の歴史について
柳澤田実らのdisposition という概念について
翻訳における等価交換について

でした。うち2名は明治の学生ではなく、ゲスト。それもうれしい。

それからダニエル・ラノワが音楽を担当しているビリー・ボブ・ソーントンの映画『スリング・ブレイド』をめぐるディスカッション。それからみんなで軽食を食べて夜の「コンテンツ批評」の授業へ。

そこではまた、話題が飛びまくり。音痴とは何か。池田葉子の『マイ・フォト・デイズ』とロモグラフィー。遺言と遺書。ナチュラル・ヒストリーの科学性。ヒトデとイカの構造的類似。結婚指環の起源。中国における仏典翻訳。ヴェルサイユのトイレ問題。「あの人はメシアだったのだ」と過去の見直しとして始まったイエス。ドラえもんと報復装置ポセイドン。映画ポスターの情報量。終わらないゲームの魅力。ドラマーの訓練法。何が何やらという感じですが、抱腹絶倒のおもしろさです。

見学歓迎、受験歓迎。やる気のある人は、ぜひどうぞ!

2013年6月5日水曜日

「すばる」7月号

「すばる」7月号が出ました、「旅ときりぎりす」も第7回です。今回は奥尻島の冬。季節外れ感を楽しんでください!

Shut upだって、国連で?

英語を勉強しているみなさんへ。SHUT UP!というのはきわめて強い言い方です。けんかのとき、あるいはけんかを覚悟するときにしか、使ってはいけません。ましてや公式の話し合いの場では。

国連の「拷問禁止委員会」で、上田秀明・人権担当大使が、会議中に「笑うな、Shut up!」と怒鳴ったそうです。ありえないことです。まともな人間が公務中にとる行動ではありません。

どれだけ恥ずかしいことか。大使が? 日本国民の代表者が? ただちに更迭されるべきです。黙って見すごしていいことではない。

上田大使には、委員会に出席していた各国の全委員に、そして日本国民に、謝罪を求めます。

学期も半ば

今年の夏学期も半分を過ぎて。さらに密度を増して進んでいかなくてはなりません。

和泉校舎で開講中の「作る人になろう」は、目を開かれる経験の連続で、順調に推移しています。これまでに

古川日出男
新井卓
三角みづ紀
港大尋
佐野陽一
佐々木愛
笹岡啓子
富田俊明

のみなさんをお迎えしました。今後は

温又柔
小島ケイタニーラブ
床絵美
橋本雅也
ドリアン助川

のみなさんがゲストとして来訪。ありえない顔ぶれです。きょうの富田さんも、背筋がふるえるほど充実していました。

大半の学生が真剣に、食い入るように聴いているのですが、一部の学生の態度に深刻な危機感を覚えます。

数でいえば1割ほどですが、とにかくずっと寝ている。それが異常なことだという感覚がない。幼児です。最後のコメントだけ、質疑応答部分から適当なことを書いて辻褄を合わせている。一見、よく書けていて、要領のよさを窺わせる。でも本質的に何も学んでいない。何より悪いことに、それが教師に見抜かれていることに気づいていない。

まったくバカげた話です。みずから、大学の意味を貶めている。自分の人生をムダにしていることがわからない。いつかは悟るものと、何もいいませんが、たぶんもうダメでしょう。「作る人になろう」の精神にあまりに対立しているのですが、バカバカしくて何をいう気にもなりません。

いまある人間世界は、たぶんあと40年ほどで終わるでしょう。大学に通ったという事実など、それだけでは何の役にも立たない。まともな感覚があれば、それくらいのことはわかりそうなものですが、愚かな幼児的ふるまいを続ける者は、このまま進んでいくことでしょう。何も考えることなく。

はっきりいいます。きみたちには教室を、大学を去ってほしい。何の役にも立たないのみならず、はた迷惑ですから。そんな態度で人生をやっていけると思ったら、おおまちがい。でもそれも、自分がいざ追いつめられるまで、わからないのかも。

これから学期の終わりまでに、学ぶという基本に忠実な態度を、ぜひ見せてください。


2013年6月3日月曜日

『私が目覚める、読書案内』

Figaro Booksの1冊として先日刊行された『私が目覚める、読書案内』。以前に「Figaro Japon」に掲載されたエイミー・ベンダーへのインタビューが収録されています。エイミーの素顔、彼女の部屋、そして山田緑さんからエイミーに贈られた絵など、楽しい写真も数点。

エイミー・ファンのみなさま、お見逃しなく。

昨日のB&Bのイベントでも、エイミー・ファンだという方が終了後に話しかけてくれました。長篇の翻訳も、なんとか早くお届けしたいと思っています。お楽しみに。

現代社会をまるごと考えてほしい

われわれのユニット「新領域創造専攻」では「社会安全学」を担当する専任教員を公募しています。

http://www.meiji.ac.jp/sst/recruit/6t5h7p000000skfl-att/Frontier-2014.pdf

考え方のまったく新しい枠組みをみずから作り出してくれる人を求めます。適当と思われる方がいたら、ぜひ応募をお勧めください。専任教授/准教授枠ですので、ある程度のキャリアのある方に。

所属は安全学系ですが、ディジタルコンテンツ系とも密接な連携を保ちつつ、やっていきましょう!

明治大学4年生のみなさんへ

大学院学内選考の出願、いよいよ来週です。理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系は、全学部から出願することができます。

これまでに学内では理工学部以外に、情報コミュニケーション学部および国際日本学部から進学した人が、きわめて充実した大学院生活を送ってきました。美術系・文系の他大学出身者も多く、ここでの2年間では、ぼくの研究室のモットーであるTRANSversity(universityを超えてすべての領域をつらぬいて学ぶ場)を実感してもらえると思います。

映像、写真、メディア、広告、デザイン人類学、文化研究、批評理論、文芸創作、全ジャンルに対応します。

入試情報は明治大学ホームページからどうぞ! 学内選考には現在の各学部指導教員の推薦状が必要なので、すぐ動くこと。

相談したい人は木曜日に中野キャンパスに来てください。13時〜15時に511教室に、18時〜19時半は502教室にいます。

2013年6月1日土曜日

「水牛」6月号!

無限をめざしてのんびり歩むウェブマガジン「水牛」、6月号です。先月お休みした「犬狼詩集」のつづき、3つ。ごらんください。

http://www.suigyu.com/

明日は下北沢で

このご案内を忘れていました。日系アメリカ詩人ミシェル・ナカ・ピアスの来日を機に、明日2日15時から、詩も北沢(おもしろい誤変換?)の本屋B&Bで朗読会を開きます。参加は田中庸介、高野吾朗、永井真理子、そしてぼく。英語作品中心になりますが、翻訳のハンドアウトなども準備していきます。

題して「コロラドの道、東京の道」。ぜひ聴きにきてください。詳細はB&Bのホームページをごらんください。

COYOTE「東京国際文芸フェスティバル」特集号

「COYOTE」の特別号TOKYO  LITERARY CITYが出ました。われわれの朗読劇「銀河鉄道の夜」六本木ヴァージョンの報告も載っています。いいフェスティバルでした。

「ユリイカ」山口昌男特集

「ユリイカ」6月号は特集「山口昌男 道化・王権・敗者」。ぼくは短いエッセー「そこにすわれ、本を読め」を寄稿しています。

山口先生にそれほど身近に接していたわけではないので、執筆者としては不適格だったと思います。すみません。ごくわずか、ぼくが見た「幻影の人」としての山口先生の思い出を。特に資料的価値もありません。この号では、なんといっても、今福龍太さんの「素描的精神の鉱脈」、そして札幌の吉成秀夫くんの「山口昌男先生のギフト」が光っています。

それでも山口先生については、いい思い出ばかりです。この稀代の「歴史家」(そう、ぼくにとっては山口先生は本質的に精神史家でした)の仕事を、われわれの世代の者がどれだけ継承しているのか、延長しているのか。内心忸怩たるものがあります。

でもまだまだ、これから。フィールド読書人のおもかげを偲びつつ、山口先生の撒いたトリッキーな種を育てていきましょう。


2013年5月31日金曜日

倉橋由美子文芸賞

今年も明治大学父母会文学賞「倉橋由美子文芸賞」の募集が始まりました。

http://www.meiji.ac.jp/bungaku/bungakusho/bungaku/parents/2013bungakusyo.html

明治の学生のみんな、ぜひ応募しよう! 審査員は中村和恵(法学部)、越川芳明(文学部)、そしてぼくです。ぼくは今回が最終年度になります。

力作を待つ。

2013年5月30日木曜日

ツアーを終えて、また


28日(火)に大阪大丸心斎橋劇場で『銀河鉄道の夜』関西・西日本ツアーの最後の公演を行いました。26日の高知・いの町の「くらうど」での公演が完成形の初演でしたが、それがさらに手直しされ、理想的な音環境で。われわれは燃えつきました!

仲間を誉めるのはバカげていますが、それでも。古川日出男のパフォーマーとしての才能、斬新な着想、真摯。小島ケイタニーラブの天性の歌声と震えるメロディー、清浄さ。柴田元幸の朗読の巧みさ、声のよさ、存在の温かいユーモア。この顔ぶれで、まったく新しい何かを作ることができて、ほんとうに幸運でした。

見にきてくださったみなさん、ありがとうございました。全幅の信頼がおける音響、映像、運営スタッフ、現地協力者のみんなにも、改めてありがとう! どこかわからない次のステーションをめざして、またいつのまにかゴトゴトと揺られていきましょう。

2013年5月27日月曜日

『銀河鉄道の夜』ついに完成形!

5月26日、高知県いの町の土佐和紙工芸村くらうどでの公演。さまざまに変貌を重ねてきた朗読劇『銀河鉄道の夜』ですが、これをもってついに完成形に達しました。一昨年クリスマス・イヴから何度か見てくれた人たちも、きっとあっと驚くことでしょう。予想もしなかった変化がいろいろなかたちで織り込まれています。

なかでも驚くべき新キャラクター「らっこの上着」。柴田元幸さんの神懸かりの熱演に、思わず共演しながら背筋のふるえを感じました。

前日の叡山電車の鞍馬駅部分(第2部)は、この芝居全体の40%ほどにすぎません。ぜひこの機会に、完成したばかりのフル・ヴァージョンを、大阪・心斎橋劇場という理想的な舞台でお楽しみください。

明日(火曜日)、心斎橋でお会いしましょう!

2013年5月26日日曜日

毎日新聞

本日(26日)の毎日新聞読書欄「この3冊」。「音楽的自伝」と題して3冊を選びました。和田誠さんの似顔絵つきのコーナーです。

もうずいぶん前ですが、このコーナーの前身「この人、この3冊」でも和田誠さんの似顔絵で、故・星野道夫さんとぼくが焚火をはさんで語り合っているところを想像で描いていただいたことがありました。

今回は、なんと故・登川誠仁、ニール・ヤング、ダニエル・ラノワとの1枚。和田さん、ありがとうございました!

2013年5月23日木曜日

専任教員公募します!

ぼくが所属する明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻では「社会安全学」を担当する専任教員の公募をはじめました。同時に、学部レベルの「社会学」を担当してもらいます。

また、ぼくが所属する明治大学理工学部総合文化教室では「英語」の専任教員を募集します。

いずれも明治大学ホームページ、トップページの右下にある教員採用公募情報から情報を得てください。

「社会安全学」の人は、ぼくの2つ隣の研究室。「英語」の人は、ぼくの隣の研究室になります。

やる気がある人、楽しい人、Ich denke gern!と胸を張っていえる人、ぜひ応募してください。または、おともだちに勧めてください。

2013年5月21日火曜日

『銀河鉄道の夜』関西・四国ツアー予告編

古川日出男、小島ケイタニーラブ、柴田元幸、ぼく。2011年のクリスマスにスタートした4人の朗読劇『銀河鉄道の夜』が、初めて西にむかいます。いよいよこの週末から。

予告編をぜひごらんください!

http://www.youtube.com/watch?v=j8stU5DrYzI

読売書評 #34

5月19日掲載、リン・シェール『なぜ人間は泳ぐのか?』(高月園子訳、太田出版)。

水泳の人類史、文化史。日ごろ水に入る習慣のないぼくでさえ、むずむずと、無性に泳ぎたくなります。体が異常にやわらかい水泳選手が、だいたい他のスポーツはぜんぶダメという話がおもしろかった。

おなじ面に畠山重篤さんが、秋道智弥『漁撈の民族誌 東南アジアからオセアニアへ』(昭和堂)を書評。その締めくくりにいわく、「沿岸の漁民の生活が成り立つということは、じつは人類の行方を占う鏡なのである」畠山さんがいうと説得力があります。

週末は畠山さんの養殖場を訪ねて、気仙沼・唐桑地区への小旅行に行ってきました。森は海の恋人を実感させる、あまりにも美しい土地、海でした。

2013年5月12日日曜日

『銀河鉄道の夜』関西・四国ツアー!


古川日出男、柴田元幸、小島ケイタニーラブとぼくの朗読劇『銀河鉄道の夜』。2011年12月24日に誕生したこの朗読劇、初の関西講演です。遠く東北の土地を思いながら、夜空の体験を。ぜひいらしてください、またおともだちに勧めてあげてください。

*****
銀河鉄道が、はじめて西日本に向かいます。
5/25(土)〜28(火)、京都、高知、大阪を、あらたに書き直された脚本をもって、かけめぐります。

京都では、動く列車や待合室の中での特別上演、高知と大阪では、朗読と映像が融けあう新バージョンでの公演です。大阪では、公演を記念したプレイベントも行います。

どんどん進化を続ける朗読劇「銀河鉄道の夜」にぜひご乗車ください!
朗読劇「銀河鉄道の夜」春の関西ツアー
5月25日(土)18:30開演 京都・叡山電車 (出町柳〜鞍馬駅)
5月26日(日)17:00開演 高知・土佐和紙工芸村 QRAUD くらうど
5月28日(火)19:00開演 大阪・大丸心斎橋劇場
朗読劇「銀河鉄道の夜」大阪公演 プレイベント
大阪公演を記念して、出演陣の朗読やミニライブ、ツアーの映像上映などを行います。
詳細はこちらをご覧ください。→「次回公演
予約受付も開始します。→「チケット予約」をご確認ください。

2013年5月5日日曜日

読売書評#33

堀内孝『マダガスカルへ写真を撮りに行く』(港の人)。本日、5月5日掲載です。

2013年5月4日土曜日

「旅きり」第6回

「すばる」の連載「旅ときりぎりす」、6月号は与那国島です! ぜひ牛を山羊をごらんください。

毎月1日は「水牛」の更新日ですが、今月は新学期業務に追われているうちに落としてしまいました。ちょっとがっくり。でも気を取り直して、来月からはまた。

いいお天気ですね。みなさん、のんびり楽しい休日を(ぼくは仕事をしますが、そしてうちの学生たちはもちろん勉強ひとすじですが)。

2013年5月2日木曜日

フランシス、フランシス

きょうはフランシス・ベーコン日。大学院ゼミのみんなと竹橋に。強烈、見とれる、茫然。いても立ってもいられない。ぜんぶいいけど、特に好きなのは割と初期の「走る犬」、そしてゴッホ習作の、歩くひと的ゴッホ。小物では、ルシアン・フロイドとジョージ・ダイアの肖像画トリプティック。でもスフィンクスもいいなあ。緑色の背景の、ドアから入ってくる男みたいなのもいいなあ。最晩年のも壮絶。

それから中野に戻り、アダム・ロウ監督によるドキュメンタリーを見てからディスカッションに移る。ベーコンの作品と生涯に感動して「勇気が湧いた」というMちゃんが「あ〜、恋がしたい、セックスしたい!」と絶叫するのでみんな大笑い。最後はみんなでビールを飲んでお開きでした。いい日だった。

絵画の直接的な力は人に勇気を与える。ドキュメンタリーもすごくいいんだけど(画面のベーコンはだいたい酔っぱらっている)、かつてはミシェル・レリス研究者だったぼくが<闘牛>には嫌悪感しかもたなくなっていることを発見。闘牛、やらなくていいよ。もう歴史的使命を終えている、形骸化している。千松信也の狩猟のほうが、よほど意味がある。などなど。

ともあれ、現在開催中のフランシス・ベーコン展、フランシス・アリス展、お勧めします、強く。このフランシスの重なり、これこそシンクロニシティです。

2013年4月26日金曜日

新領域創造特論

オムニバス授業、今日はぼくの回。全体は3部構成でした。

1)生命と言語をめぐる簡単な考察
2)2011年3月11日以降を扱う3冊の本。畠山直哉『気仙川』、志賀理江子『螺旋海岸』、遠藤水城『陸の果て、自己への配慮』
3)東京事典「Uncovering / Walking」

以下に、1のノート(30項目)を転記しておきます。

*****

新領域創造特論 2013年4月25日                     
メディア、生命、言語、世界をめぐるノート

1 Medium, media. 媒質、媒体。情報媒体は、みずからは変形をこうむることなく情報を伝える。
2 テクノロジーは共有されることを前提とする。新たなメディア・テクノロジーへの適応は一瞬だ。
3 テクノロジーは人の生活と感受性を同時に変える。その変化は大部分、不可逆的に経験される。
4 メディアはそれ自体としては内容を(数位内容を!)支配しない。
5 しかしメディアがもたらす内容の流れに、われわれの心は大きな影響を受けずにはいない。
6 心とは何か(後述)。それをふりかえるために、生命の誕生以来の歴史を考えてみよう。
7 ミラーの実験。単細胞生物の成立。構造と機能の生成。First-order autopoiesis.
8 多細胞体制、細胞社会の成立。Second-order autopoiesis. 構造的カップリング。
9 有性生殖、2つの<個>のカップリング。種社会の成立。Third-order autopoiesis.
10 種社会は他のすべての種社会と構造的にカップリングされ、すべてが環境を構成する。
11 生命の個は外部環境を解読し、その反応によってみずからの行動を調整して生存を図る。
12 この観点からするならば生命現象とはsemioticな適応だといっていい(後述)。
13 ふたたび、心とは何か。われわれの心はイメージと言語を素材としてできている。
14 一方、それは身体の経験とつねに接触し、そこから全面的な影響を受けてもいる。
15 心とは個の生存のために世界を解釈しつつ、心みずからを作り替えてゆくものでもある。
16 心の目的とは生存であり、そのつどの時点における適応のための解の創出だ。
17 心はつねに新しいイメージ=言語流にさらされ、<世界>と<自己>を同時に像として制作する。
18 心にとって、すべての変化への契機は外から到来する(イメージ、言語、身体的経験)。
19 生命とセミオーシス(記号過程)。パースによる記号分類。Index / icon / symbolの区別。
20 Indexiconはおそらく他の哺乳動物も解読している。Symbol (conventional sign)は?
21 言語とは不在物をめぐる行動の調整(同種間)のために生物が編み出した様式のことだ。
22 ヒトの言語は不在物指示の機能を極端なまでに高めている。非在の現前。
23 詩的言語と供儀の関係。花と不在の花、鹿と不在の鹿。
24 不在物を特徴づけるのはその取得可能性であり、財としての潜在的価値だ。
25 財を測る指標として発明されたのが貨幣だが、貨幣は最初から言語の裏打ちを受けている。
26 共同体間の財の交換をめぐる媒体としての貨幣は、始めから言語の翻訳可能性に直面している。信用。
27 不在物を含んだ総体としての<世界>は想像力による以外到達しえない。
28 イメージ=言語複合としての世界=私カップルを制作し改変しながら生きてゆくのがわれわれ。
29 ヘレン・ケラーによる世界制作ほど言語の驚異的な力、不気味な力を証明するものはない。
30 彼女が作った世界像がcompatibleであること。完全に想像的な世界。創造は想像に始まるしかない。 

大学院授業の進み具合

毎週木曜日、中野の新キャンパスで、ぼくのゼミその他が進行しています。きょうは東京造形大4年のGさんが見学に来てくれました。慶應4年のYさんも、いまでは準ゼミ生待遇。新領域創造の名のもとに新しい仲間が増えてゆくのは、ほんとうに楽しいことです。

見学希望の人は、遠慮はいらないので、木曜日の13時に明治大学中野キャンパス511教室に直接来てください。

毎週の展開は以下のとおりです。

1)ゼミ発表。各人12冊のリーディングリスト(それぞれの分野)。それについての発表とディスカッション。

2)ダニエル・ラノワ『ソウル・マイニング』輪読。この驚くべき着想にみちたテクストを精読している。

3)ドキュメンタリー映画を見て、議論。これまでのところ取り上げた作品の対象は、コルシカ島の男性合唱ポリフォニー、建築家フランク・ゲーリー、そしてアンディ・ウォーホル。

その後少し休んでから

4)コンテンツ批評。ただしディジタルコンテンツというよりは、各自の興味にしたがった文化史/批評の短時間口頭発表の連続。これでも驚くほど発表技術が向上します。

そしてきょうは

5)として、オムニバス授業『新領域創造特論』を担当。これを終えると夜も9時10分、さすがにちょっと疲れました。

それでも毎週、充実の日々です。くりかえします、興味がある人はぜひ受験相談に来てください!


Uncovering / Walking

昨秋11月15日にAITで収録した「東京事典」。ぼくのプレゼンテーションの全文を掲載します。

*****

Uncovering. 覆われたものから覆いを取り除き、光と風にさらす。覆われているのは土、そして水。人間たちの都市はアスファルトとコンクリートという鉱物的な素材によって、地下と地表の世界を分断し、水と水を分断してしまった。舗装は交通に奉仕し、物資や人の流れの管理を容易にする。でも命は? 閉ざされ固められた水路がどれほど水を流しても、そこに美しさが生じる余地はない。命の場所がない。

 覚えている人はたくさんいるはずだ。半世紀前、東京にも未舗装の道路や空地がいくらでもあった。土地は少しずつ覆われていった。排水と汚れを呑みこみながらも、さらさらと流れる川もたくさんあった。川は暗渠とされていった。人工物の非情な面に覆われて、地水火風の流動はせきとめられ、都市は生命に敵対する。

 みみずたちの活動を、チャールズ・ダーウィンは造山運動に喩えた。土を作ったのはかれらだ。みみずたちがいなければこの地表では、現在のようなかたちで生命が営まれることはなかった。だがかれらの活動も、舗装された街の下では、きびしく制限されている。もぐらが死んだ。蛇もとかげも住めない。

 水が流れるところ、樹木と草が育ち、魚が住み、鳥が集まる。けれどもその流れに対して、太陽の光や新鮮な風にふれる権利を奪うとき、そこで生きることのできる生命はごく限られたものになる。生命とはわれわれの想像をはるかに越えてしぶといものなので、どんな環境であれ何かが生きてゆくだろう。だがわれわれが親しみ、われわれをその共同体の一員として迎えてくれたような、多くの哺乳動物や鳥類を擁する土地は、ヒトの自己規制と意識の改革がないかぎり失われてゆく一方だ。

 けさ、神田小川町を歩いていた。ここはかつて元鷹匠町と呼ばれていた。鷹匠が住み鷹を飼い小動物や鳥を狩る。その狩猟のマトリックスとなる草原があり、湿原があった。かつて日比谷は入江だった、海だった。整備される以前の水辺は当然、葦やすすきが茂る湿原であり、ひしめく生命のための広大な場所だったはずだ。江戸を忘れて、さらに千年を、二千年を遡ろう。そこにひろがるこの土地のかつての姿をすべて忘却によって舗装し、そこに貨幣と商品をしきつめ、われわれはいったいどんな生き方をしようとしているのか。

 ぼくはuncoveringを提唱したい。都市の一定区域から覆いを取り除き、エレメンツの循環を確保することだ。ヒトでありヒトでしかないわれわれも、土を踏む権利を主張しよう。舗装された歩道ではなく、なまなましく露出した赤土や火山灰を踏みながら日々を暮らそう。森を回復し、落葉を踏みしめよう。舗装道路の総面積を現在の6割以下にまで縮小し、一定以上の面積を占めるすべての都市建築のマージンに露出した土と樹木の地帯を義務づけよう。植林しよう。多種多様な植物が織りなす土着の植生を回復しよう。森を作ろう。

 プエブロ・インディアンのある村では、村の中の地面にいくつかの聖なる地点があるのだという。子供たちは遊びながらでも、それらの地点をなるべく多く踏むことを勧められて育つ。踏めば踏むだけ、それはその子の命にとって、力になるからだ。踏めば踏むだけ、土地の力も増す。踏むことは感謝の表現であり、祈りの一形式だ。すべてを人工物で塗りつぶしたわれわれの都市は、そんな地点をふたたび想像し、その実在をつきとめなくてはならない。そこに小さな森を作り、日々その森をめぐりながら、その地点を足で踏みながら、暮らしてゆくことにしよう。そのとき「東京」が取り戻すのは、失われ、ないがしろにされてきた聖性の感覚であり、生命の循環に対する、必要な意識の覚醒だ。


Walking.

海が上陸してくる、その海岸で
波が立ち上がり歩いてくる、その海岸で
波が打ちつける岩に埋もれた火山弾に手をふれた後
ぼくも歩いた、かつての誰かの後を追って
ぼくは歩いた、数人の幽霊をひきつれて
海猫のにぎやかな歌声を聴きながら
強い風を浴び
明るい光を浴び
初秋のある謎めいた午後を
北の村にむかって
無口な鮫たちの村にむかって
広大な芝地がひろがる海岸を
重力に逆らって
時間に逆らって
ヒースの藪が燃えるように踊っている
太陽がくるくると回り世界を陰画にした

The sea comes landing, to the shore,
The waves stand up and come walking, to the shore,
I touch a volcanic bomb in the rock beaten by the waves,
And I, too, walk on the shore, following somebody from the past.
I walk, accompanied by several ghosts,
Listening to the gay songs of the seagulls (that we call “sea cats” in Japanese).
Exposed to the strong wind,
Basking in the bright light,
In an unknowable afternoon at the beginning of this autumn,
Heading towards a northern village,
Heading towards the village of the wordless Shark,
On the coast where a vast grassland spreads out,
Against gravity,
Against time.
The heath bushes are dancing as if they were burning.
The sun keeps spinning and turns the world into a negative.

秋が歩いてくる、風の無謬の足で
すすきの湿原を、すすきの隙間を
早すぎる秋を出迎えるつもりで
私たちも無言で歩いていた
狭い、狭い木の道を行けば遠い山の姿が見える
高い、高いすすきの影に快活な知識をもつトンボが乱舞する
物陰に潜むのはどんな日の生者たちか
ここで氷を割ったのかい
石を焼いたのかい
どんな季節のオレンジ色の太陽やどんな雨雲の下で
歌があったの
笛と弦を知っていたの
群れなす鳥を捕ったの
すすきが隠す古い旋律には耳が届かないけれど
ざわめく雲のような希望を捨てることはない
私はきみたちに語りかける

Autumn comes walking, with the infallible feet of the wind,
Through the shallow marshland, through the narrow openings of the tall silver grass.
We, too, are walking, speechless
With the intention of welcoming this autumn that has come too early.
Walking on this narrow wooden boardwalk, we see the shapes of the faraway mountains.
In the shade of the tall silver grass, dragonflies with cheerful knowledge dance wildly.
Hiding in the shades are the living of what past periods?
Did you break ice here?
Did you burn stones here?
Under the orange sun of which season, and under what kind of rain clouds?
Did you sing songs?
Did you play the pipes and strings?
Did you capture flocking birds?
My ears cannot reach the old melodies buried under the silver grass
But there’s no need to give up your hope that’s humming like clouds.
I am addressing all of you.

いかにしてみずからを生んだのか
どんな成長の痕跡を留めているのか
森は究極的には水の色をしている
雲の色だ、花崗岩の色だ
雨と雪の色だ、腐葉土の色だ
きわめて多量の水に島のごとく浮かぶかたちで
この森が、この土地で、ゆらゆらと揺れている
霧の色だ、霜柱の色だ
そのすべての水の色から
自然の音階をたどるようにして
あらゆる色調の緑が成長する
葉緑素の呼吸と振動につれて
潜在する緑はエイの尾のように先鋭化し
咲き出す、舞い出す、狂い出す
そのどんな動きが自然の蓄音機に移しとられるのだろう
ほら、この蔓はぼくのつむじとまったく同型だ
生命の螺旋を貝殻のように力強く踊っている

How did it give birth to itself?
What traces of growth does it retain?
The forest, ultimately, is the color of water.
It’s the color of clouds, the color of granite,
The color of rain and snow, the color of rotten leaves.
Floating like an island on an enormous amount of water,
This forest, in this land, is gently swaying.
It’s the color of mist, the color of ice needles.
From all the colors of water
As if following the musical scale of nature
Green of all hues grow.
Along with the breaths and vibrations of chlorophyll
The latent greens sharpen themselves like the tails of rays.
They bloom, they flutter, they go mad,
What movement from that process could be registered by nature's gramophone?
Look, this vine is exactly isomorphic with my hair’s whorl,
Strongly dancing the spiral of life, like a seashell.