Tuesday, 20 August 2019

『狂狗集 Mad Dog Riprap』の特典

『狂狗集』より、ランダムなサンプル。

 さりがたし地球されど金星(ウェヌス)に磁力あり
 迂回せよ牛と見し世は泥の河
 干潟よ干潟ちいさな命の運動会

今回の特別企画として、10部を左右社ホームページから直接購入してくださった方に、お礼としてそのお名前を織り込んだ「狂狗」新作の色紙をお作りします。
http://sayusha.com/catalog/books/p9784865282351

たとえばお名前が「すぎもときみよ」さんなら

す 彗星が落ちてきた西瓜が割れる
ぎ 銀の月がみずうみに糸電話
も 申し訳ないが眠れないよ書けないよ
と トイストーリーを見ながら夢を口述筆記
き 危険な切っ先グラスが血まみれだ
み みんなでわたるので鉄橋がたわんでいる
よ よろこびが悲しみに似るよ白夜

すべて新たに書いた「狂狗」=1行詩ばかり。いかがでしょうか。購入いただいた10部は、ご友人ご家族にぜひプレゼントしてください。みんなで楽しめます、きっと。本体 価格は1部999円です。個人名だけでなく、お店の名前(たとえば「秋田犬書店」)もお引き受けします。「めいじだいがく」とかでもいいけど、誰がその名で依頼して くれることだろうか。

ぜひ! あなたのお名前を作品=色紙に作らせてください。色紙自体を贈り物にするのもいい考えですね。こうして目標500部を売り、赤字を残さないようにしたい、と願っています。

『狂狗集』発売!

ぼくの新作『狂狗集 Mad Dog Riprap』(左右社)が発売されました。俳句ではなく「狂狗」、自由律俳句に似た1行詩、264片の1冊です。左右社、定価999円。

日本語世界に類例のないおもしろい作品です! 五十嵐哲夫くんによる装幀、最高。ぜひお求めください。まとめ買い(5冊ないしは10冊)には特典があります。左右社ホームページからどうぞ!

http://sayusha.com/catalog/books/p9784865282351

Monday, 19 August 2019

boundary 2

アメリカの批評誌 boundary 2 の最新号はマサオ・ミヨシ特集、Critique and Cosmos: After Masao Miyoshi です。ぼくは熱心なアマチュア写真家でもあったこの偉大な批評家の写真をとりあげ、短い批評エッセー "Looking Back at the Phenomenocene: On the Road, Again, with Masao Miyoshi's Photography" を寄稿しました。ぼく自身の旅行写真4点が添えられています。お読みいただければさいわいです!

Monday, 12 August 2019

第6回の選評と受賞のことば

Sunny Boy Booksのホームページに、第6回鉄犬へテロトピア文学賞の選評と、川瀬慈さんの「受賞のことば」を掲載していただきました。ぜひご一読ください。

http://www.sunnyboybooks.jp/the-6th-irondog-heterotopia-iteraryprize/?fbclid=IwAR00V-rNlej6MeCE4G7w8-YnTxR8agfaE_Rc186zZgHpmx_-10mwoKmommI


Wednesday, 7 August 2019

「震災と動物」(8月5日)

5日は南相馬に。福島県立博物館のみなさんを中心とするライフ・ミュージアム・ネットワーク主催で、「動物と震災」と題したスタディーツアーが実施されました。南相馬の「有害鳥獣処理施設」と、震災後、牛舎を放棄せざるを得なかった(つまり乳牛たちを餓死させざるを得なかった)半杭農場の見学。参加者のみなさんとのディスカッションも途切れることなく続き、実りの多い一日でした。

そして改めて思うのは、震災をめぐるさまざまな事態は、日本の「近代」の露呈そのものだということです。震災後の風景を引きずりながら、一方で来年のオリンピックと利権構造の延命に着々と邁進する者たちの横暴を、許すわけにはいかないでしょう。

ツアーには『いのちへの礼儀』著者の生田武志さん、『聖地Cs』作者の木村友祐さんも参加。かれらとともに、動物との共闘を考えてゆきましょう。

Tuesday, 6 August 2019

佐藤直樹さんとの対話(8月4日)

ついで4日(日)は、太田市美術館・図書館で、個展開催中の佐藤直樹さんとの対談。土地の自然成長性を体現するかのような圧倒的な植物の繁茂をベニア板に木炭で描いてゆく彼の異常な大作を巡って、いろんな話が出ました。

彼にとっての絵、ぼくにとっての詩。どちらも50歳になろうとする時期から爆発的に取り組むようになった営みです。この遅れはなぜ? 引き止めていたのは何? 考えるべきことは色々。

そしてその答えへの糸口が、あれこれ見えてきました。これからの10年、思い切りやってみたいものです。佐藤さん、また会いましょう。そしてこのお膳立てをしてくれた学芸員の小金沢智さん、ありがとうございました!

四元さんとの対話(8月3日)

予告された初対面対話 mit 四元康祐さん 。下北沢B&Bで、楽しいひと時を持つことができました。サービス精神旺盛な四元さんの、シベリア鉄道の旅をめぐるお話に導かれ、われわれにとっての詩、外国、仕事、いろんな話題が出ました。途中、「初対面の親友」という言葉が口をついて出ましたが、ほんとうにそう思います。これからも、あと10年くらい、ガンガン詩を書き、旅をし、語り明かす機会を作りたいと思ってます! 

Friday, 2 August 2019

「水牛のように」8月号

ウェブ雑誌「水牛のように」8月号にダブ・ポエトリー作品「歩けないきみが」を寄稿しました。

http://suigyu.com/2019/08#post-6318

読んでいただければわかるとおり、話題の人である「彼」に「きみ」と呼びかけるリリックです。彼はぼくとおない年。その重要な歩みに敬意を表しつつ、応援したいと思います。

貴州冊子の完成!

昨年秋に行った貴州トン族の「歌の祭り」へのツアー。現地シンポジウムを記録した冊子『トン族の歌にふれて』が完成し、7月30日に記念シンポジウムを開催しました。

かれら歌の民族。この日は、ぼくの研究室所属の谷口岳・林真による概観のあと、詩人の新井高子さん、鉄鋼マンの伊藤岳さんによるミニ・ミュージカル、ファッション・デザイナー新居幸治さんによる貴州ミャオ族の衣服文化の紹介、伊藤岳さんによるトン族の民族誌紹介、神戸をベースとする歌手Kawole さんによる世界各地の先住民の歌で第一部。

休憩のあと、ブックデザイナーの祖父江慎さんによる旅の報告、日中平和観光の増田さんによる貴州の魅力をめぐるお話、そしてしめくくりに精神科医の宮地尚子さんによる旅のまとめ。

あっというまの1時間40分でした。お客さんの満足度、非常に高かったはずです。

この冊子は新井高子(埼玉大学)、宮地尚子(一橋大学)、管啓次郎(明治大学)の3研究室の共同発行です。興味のある方は、実費をいただく程度でお分けしますので、何かの折りに声をかけてください。

きっと貴州への夢にとりつかれます!

Monday, 29 July 2019

ダブの夕べ

7月27日(土)、新宿2丁目のカフェ・ラバンデリアで、ハミングバードとのダブ・ポエトリーを。今回は詩のアクティヴィスト村田活彦さんを交え、同時進行中のバンコクでの詩のフェスティヴァルに20分間の遠隔地参加を果たしました。

ぼくのセットリストは

 歩けないきみが(新作)
 Translation Is...
 Caminando
 海を海に

ライヴ中継を終えたあと、「翻訳が」(新作)、そして詩集『時制論』の中からの一片を読んで終了。また新たな課題がいくつも見つかりましたが、いずれ50分ほどのステージに仕上げていきたいと思います。ちょっとは服装にも気を遣って?

Tuesday, 16 July 2019

第6回鉄犬ヘテロトピア文学賞発表!

お待たせしました。昨夜、7月15日、下北沢の本屋B&Bで発表会を行いました。第6回「鉄犬ヘテロトピア文学賞」受賞作は

 川瀬慈『ストリートの精霊たち』(世界思想社)

です。エチオピア、ゴンダールでの長期間のフィールドワークで出会った人々、変わりゆく自分。映像人類学者のしずかな認識が、淡々とした筆致で描かれます。贈賞式と記念イベントは、この秋以降に予定。

いよいよ来年は、この賞の最終年度です。第7回は、はたしてどんな作品が。これまでの11冊とおなじく、私たちの社会の行方をそっとしめしてくれる、小さな灯火のような作品を選びたいと考えています。

Saturday, 13 July 2019

「日本経済新聞」7月13日

本日(7/13)の「日本経済新聞」に、大石・近藤・池田編『犬から見た人類史』(勉誠出版)の書評を書きました。犬好きの人、必読の好著です。ヒトなくしてイヌなし、イヌなくしてヒトなし。ふたつの種の共進化の歴史を考え直すために。

まずは書評を読み、ついで書店に走れ、跳べ、吠えながら!

Thursday, 11 July 2019

『第四世紀』、いよいよ

お待たせしました。19年、お待たせしました。エドゥアール・グリッサンの代表作『第四世紀』、いよいよ発売です。

https://www.amazon.co.jp/第四世紀-エドゥアール・グリッサン/dp/4900997528/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=第4世紀&qid=1562852262&s=gateway&sr=8-1&fbclid=IwAR1bRm4-exE-JsgjTLpCW0uEjHh8Po8Xapd5ABvzIerXtAHosJkoo-xd5vA

カリブ海の小さな島の歴史に注目することで、現在の世界を作り上げ支配している力が見えてくる。ぜひ、読んでください。

Wednesday, 10 July 2019

Alunissage, il y a 50 ans! (Giant Steps)

Just arrived! GIANT STEPS is a collection of poems from fifty international poets commemorating the fiftieth anniversary of the Apollo 11 landing. I contributed two poems, "What We Didn't Know" and "Mother Moon". Thank you, Paul Munden and Shane Strange, for your great editorial work!

アポロ11号の月面着陸50年を記念する、50人の詩人による100篇の新作詩集が完成しました。タイトルは Giant Steps です。すばらしい出来映え。ぼくも2篇を寄稿しました。英語詩人としての小さな一歩、また。

Sunday, 7 July 2019

8月4日(日)は太田で会おう

現在、太田市美術館図書館で開催中の佐藤直樹さんの個展。説明のしようがない、圧倒される、ぐっと込み上げてくるものがある展示です。

https://www.artmuseumlibraryota.jp/post_artmuseum/3330.html

8月4日、彼にとっての絵画の意味を巡って、会場で対談をします。彼とも、ちゃんと話をするのは初めて。ぜひいらしてください。太田というと遠い印象をもつ方も多くいらっしゃると思いますが、浅草から東武の特急「りょうもう」号に乗れば、快適な旅になります。そして美術館図書館のカフェで、ぜひソフトクリームを。


8月3日(土)も下北沢B&Bへ!

詩人の四元康祐さんは同世代。共通の友人もたくさんいるのですが、彼がドイツ在住であることもあって、会って話をしたことがありませんでした。その彼との最初の対話が実現します。

http://bookandbeer.com/event/20190803b/

詩について、旅について、言語について。そして多分、歳をとることについて?

みなさんもビールでも飲みながら、この対話に参加していただければ。

Saturday, 6 July 2019

7月15日(月)は下北沢B&Bへ!

第6回「鉄犬ヘテロトピア文学賞」受賞作発表。ぜひその場に立ち会ってください。

http://bookandbeer.com/event/20190715b/

5月にシカゴ大学で行ったぼくの講演を、日本語版として再現します。それによりこの賞の意図と歴史をふりかえったあとで、いよいよ受賞作の発表。受賞者にも、その瞬間まで知らされません。

歴史の新たな1ページへ。この賞、来年度の第7回が最終回となります。しかしはっきりと、力強い流れができました。はたして今年はどんな本が?

Monday, 1 July 2019

ライヴ・ポイエーシス@SCOOL

6月最後の大きなイベントは三鷹のSCOOLを舞台に行ったライヴ制作「おと/ずれる言語」でした。永方佑樹さんの構想とディレクションのもと、川瀬慈(映像人類学)、ジョーダン・スミス(詩人、パフォーマー)、白佳益(大学院生、ファッション研究)のみなさんとぼくが参加。さらに全体のライヴ映像を河合宏樹さん、次々に産み出される詩のtweetをぼくの研究室のM2の学生・林真くんが担当し、緊張感にあふれるステージを作ることができました。

暗闇の中、言語の誕生からはじまり、模倣というキーワードを出してきたアリストテレス以後の詩論とその解体、そしてさまざまな資料コピーの中から聴衆のみなさんに選んでもらった3つの単語を織り込んだ3行詩即興制作まで。この詩はTwitter で「おと/ずれる言語」のアカウントを見ていただければ、全体を読むことができます。

ぼくにとってうれしかったのは、長年の心の師匠だったアメリカの哲学者アルフォンソ・リンギスさんが、東京滞在最後の夜であるにもかかわらず見物に来てくれて、日本語がまったくわからないのに1時間に及んだディスカッション、その後の打ち上げまでずっとつきあってくれたこと。これこそ生涯の思い出です。

即興制作のフォーマットを確立できたので、これを応用し、近いうちにさらに苛酷な即興制作に挑んでみたいと思っています。


Tuesday, 18 June 2019

フィンランドで

今回のフィンランドでの活動記録。

14日(金)LIWRE初日。第1パネルに参加、Rachel Rose, Anni Kytömäki, Arian Lekaと。

夕方、Vesi Järvi 水上ステージでのケイタニー(小島ケイタニーラブ)のコンサートに出演、詩をひとつ読み、歌をひとつ歌う。

夜、レストランTirraでのオープン・マイク。村次郎の詩に曲をつけた3曲を歌う。

15日(土)LIWREのクロージング朗読会、コンサート・ホールにて。8人の朗読のトリを務める。言語は日本語、英訳・フィンランド語訳を字幕で。

16日(日)Runomaraton (ポエトリーマラソン)に出演、朗読。翻訳者のMayu Saaritsaと。言語は日本語、マユちゃんがフィンランド語訳を読む。

17日(月)これからHeinolaという森の町に向かい、そこで詩人のCristina Johansonと朗読と対話。使用言語はたぶん日本語と英語とフィンランド語。(結局、ケイタニーも加わり3人の、いい構成のイベントになりました!)

美しい土地の、いい季節です。

Friday, 14 June 2019

Lahti International Writers' Reunion

隔年開催で2年前には古川日出男さんが参加した「ラハティ国際作家の集い」に参加しています。今朝これから話します。主題は「詩人の自然」。

今年はどうも詩人中心みたいですが、1963年創設の伝統あるフェスティヴァルで、毎回主題を決めて世界中から作家・詩人が招待されています。日本からは過去に安部公房、開高健ら。

この過去の参加者の顔ぶれを見ると、心から感動。ノーベル賞作家だけでもアストゥリアス、クロード・シモン、カミロ・ホセ・セラ、ギュンター・グラス、ナイポール、クッツェー、バルガス・ジョサが来た。サルマン・ラシュディ、グレアム・スイフト、アンドレイ・マキヌ、ベルナルド・アチャーガ、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー、アーシャ・ジェバールらも参加したことがある。他にもぞろぞろ。

やる気をかきたてられるには十分です。これからの制作への糸口を、いくつかこの土地で、見つけられればと思っています!

Wednesday, 5 June 2019

6月3日、和光大学

3日(月)、和光大学での上野俊哉さんの授業にゲスト参加しました。生態学、環境史、アメリカ文学の先生たちと彼が共同でやっている詩人・思想家ゲイリー・スナイダーをめぐる講義の一環。上野さんが「部族」という名の、日本における対抗文化運動のグループとスナイダーの関わりを説明したあと、屋外に出てパフォーマンスの時間になりました。

上野さんのDJのもと、ぼくはスナイダーを意識した自作詩をいくつか朗読。ついで、かつてぼくとハイダグワイへの旅をともにした宮田浩介さんが自作を朗読。そのままいつしか夕闇をむかえ、楽しいバーベキュー大会に。教室のすぐ外でこれができる自由さ! さすがは和光です。

それからしばらく学生のみんなとビールを飲みながら談笑。悩みを聞いたり、ジョークを教わったり、自分の勤務校ではなかなかできない(仕事に追われて)交流のひとときでした。こんな機会を、詩と音楽に乗せて、明治でも作りたいものです!

Thursday, 30 May 2019

対談、ユーラシアンオペラをめぐって

5月29日、音楽詩劇研究所を主宰するベーシストの河崎純さんと対談しました。かれらの昨年の舞台、ユーラシアンオペラ「Continental Isolation」をめぐって。まず舞台の記録映像を上映、その後、ふたりで1時間ほど話しました。

強烈な作品。ここまで大きな構想力をもったものだとは思わず。無知を恥じました。トゥバ共和国、トルコなどからの4人のすばらしい女性歌手をゲストとし、中ソ国境地帯で20世紀を追いつめられるように生きてきた狩猟民族の神話と歴史をモチーフに、シャーマンの死と再生が語られます。

話は、ぼくが訪れたばかりのイスタンブルのことからはじまって、アニミズムのもつ意味、ルクレジオ文学の特異性と重要性といったことにおよびました。

6月26日に上演するために永方佑樹さんたちと準備している「ライヴ・ポイエーシス」のためのヒントもたくさんもらいました。詩と歌、音と沈黙、声と文字、ヒトとケモノ、楽器と自然音。考えるべきことがぽろぽろ湧いて。

まずは、これだけ重要な作品を作り続けている河崎さんの思索と感覚に、おめでとう、ありがとう。かれらの6月のイベント「東方声聞(しょうもん)録」も楽しみです。

Wednesday, 29 May 2019

「週刊朝日」6月7日号

「週刊朝日」6月7日号に、生田武志『いのちへの礼儀 国家・資本・家族の変容と動物たち』(筑摩書房)の書評を書きました。ヒト以外の動物とヒトとの関係を徹底的に考え直すことに誘われる、きわめて重要な本です。ぜひ書店で手にとってみてください。

Friday, 17 May 2019

シカゴ大学で

シカゴ大学での滞在を終えて、帰国しました。From Local to Global in East Asian Culture というシンポジウムに出席するのが主な目的。以下のスケジュールでした。

まず13日(月)午前に晴美ローリー先生の日本語3年生のクラス訪問。あらかじめ読んでおいてもらったぼくの作品やインタビューについて、それぞれふたりが質問を準備してあり、それに答えるという形式ですが、8人の学生(大学院生主体)の気合いの入った準備のおかげで、大変に楽しく質疑応答をこなすことができました。たぶんかれらにも、いろいろな発見をしてもらうことができたと思います。みんな専門は人類学、美術史、歴史、コンピュータサイエンスなどと多岐にわたっていますが、3年めが終わる段階でここまで日本語力がついていることに感動。さすがシカゴ大学。

それから夕方になり、大学近くのSeminary Co-op Bookstoreというすばらしい書店で自作朗読をしました。まず、ぼくが詩を読み、ついで同行した小説家の木村友祐さんが『聖地Cs』『イサの氾濫』から抜粋を読みました。友祐さんのこの作品は、ぼくの古くからの友人Doug Slaymaker による英訳が出版されたばかりで、この英訳はシカゴ大学が出す翻訳賞に選ばれたばかり。このお祝いも兼ねてのイベントになりました。ダグが解説とともに英訳を読み、それから友祐さんの魂のこもった声が響きました。

ところでこの書店は最高の品揃え。1週間通ってもまったく飽きない感じ。全米でも最高クラスではないでしょうか。いずれは本を買うためだけに、ここに来てみたい。

ついで14日(火)は一日がかりのシンポジウム。午前、午後ともふたりの発表とそれに対するひとりの充実したコメント、ついで質疑応答というフォーマットで進行しました。いずれ詳述しようと思いますが、沖縄、台湾、中国、イスラエル、日本の東北、済州島、キューバとプエルトリコといった土地での問題が思っても見なかったかたちでむすびつく、非常に凝縮度の高いシンポジウムになりました。Michael Bourdaghsさんの構想力のおかげです。ありがとうございました!

以上の議論が終わったあと、ぼくの基調講演。On The Glory of an Unknown Literary Prize というタイトルで、われわれのプロジェクト型文学賞「鉄犬ヘテロトピア文学賞」についての報告を、約1時間にわたって行いました。この賞にわれわれがどんな意味をこめているのか、受賞していただいた作品の「並び」が、どんな新しいヴィジョンにつながるのか。そういったことです。

これを話しながら、2013年以来、この賞につながるさまざまな活動をともにしてきたみなさんの顔と存在をひとりずつ思い浮かべ、ひそかに強い感動を覚えていました。

今年、第6回目の選考が進行中です。夏には受賞者が決まります。日本と日本語を根本から考え直すための手がかりをもらえるような、そんな作品がまた現われてくれるのを待望しています。みなさんも、ご期待ください!

Wednesday, 8 May 2019

モロッコで

モロッコの首都ラバトで開催された世界俳句セミナーで、5月3日、基調講演と朗読を行いました。講演のタイトルは De la transpoétique、この日の主題だった "transpoétique" というキーワードを、ぼく自身の poétique transversale (transnationale, translinguistique) の立場から論じました。

その後の朗読は、ぼくの初期のWalking Poems から日本語と英語で。若いウード奏者が即興で伴奏してくれた、楽興のひとときでした。

このセミナーを組織し招待してくれたのは、昨年まで東京のモロッコ大使館に勤務していたAbdelkader Jamoussiさん。すばらしい歓待を、ありがとうございました。

モロッコという国の魅力、ラバトの落ち着いた雰囲気を堪能することができました。ぼくにとっては初のアラブ文化圏(そして初のアフリカ大陸)。ラマダン直前でしたが、いまはすでにラマダンの真最中、毎日の断食行が進行しているはずです。また訪ねてみます、きっと。

ぼくの作品はジャンルとしてはフリー・ヴァースの現代詩ですが、みなさんの俳句にかける情熱に打たれました。もちろん、日本語俳句とはちがって、短い3行詩という感じですが、ずいぶんいろいろな情感をこめることができます。ちょっと追求してみたいところです。

Tuesday, 30 April 2019

ダブの第2弾

昨日(29日)は、来日中のガリシアの詩人カルロス・ダ・アイラとともに新宿2丁目カフェ・ラバンデリアで朗読会。佐藤由美子さん、ヤリタミサコさんの朗読につづき、ぼくは2月以来、ハミングバードと組んで、2回目のダブに挑戦しました。

少しだけ読む作品を入れ替え、また「海を返せ」はダブというよりレゲエの歌に。

カルロスはガイタ(ガリシアのバグパイプ)の名手でもあり、大きな刺激をうけました。新しい視界が開けました。この方向、もう少し追求してみます!

馬喰町で

26日、馬喰町アートイートのラストライヴに参加しました。すばらしいお店=ギャラリー空間でした。閉店を惜しむみなさんが交互に詩を朗読。ぼくは村次郎の詩に曲をつけたものを3曲歌いましたが、1曲めの出だしのキーにつまづき、冷や汗。

しめくくりのドリアン助川さんが、すべてを救って、みごとに重厚かつ愛にみちた声のパフォーマンスを披露してくれました。

この機会に改めて痛感したのが、馬喰町バンドのオリジナリティ。自作の楽器で、聞いたこともないようなテイストの自作曲を次々に。ぜひ見習いたい魂のあり方です。

店主の武さん、たくさんの思い出をありがとうございました。また必ず、次の場所で!

Sunday, 28 April 2019

イスタンブルへ

4月18、19日の両日、トルコの詩人Metin Cengizが主催する第1回イスタンブル国際詩祭に参加してきました。アルバニア、ブルガリア、エストニア、キプロス、ルーマニア、ポーランドなどの詩人たちが集まり、もちろん地元トルコの多くの詩人たちが加わって、充実したフェスに。ぼくは昨年刊行の英語詩集 Transit Bluesからの作品を朗読しました。

詩祭もよかったのですが、初のイスタンブルに魅了されました。驚くべき洗練の大都会。18世紀、つまり歴史のついこのあいだまで、世界の最先端に位置したのはパリやロンドンではなくここだったことを、いやでも実感させられます。

ここにはこれからしばしば立ち寄ることになりそうな予感。建設がつづいている新国際空港は、完成すれば世界最大となるそうです(いまでも成田よりはるかに大きい)。

Monday, 1 April 2019

「水牛のように」4月号

ウェブマガジン「水牛のように」4月号。160行の詩「コロラド」を掲載していただきました。読んでみてくださいね。

http://suigyu.com/2019/04#post-6137

Saturday, 30 March 2019

Paper Sky

12月に出た雑誌「Paper Sky」のインタヴューが、オンラインで読めるようになっていました。

http://www.papersky.jp/2019/01/08/interview-keijiro-suga/?fbclid=IwAR3W4pi0jSM1i-vRIk-os0TWRfuh2kRrEhmIS045xmoYPDfCywZV3ZthvkQ

ニューメキシコ、アリゾナの両州に興味がある方、ぜひお読みくださいね。

Wednesday, 27 March 2019

コロラド州デンヴァーにて

デンヴァーに行ったのはAAS(アジア研究協会)年次大会という巨大な学会のため。巨大すぎて全容がつかめないけれど、まさにあらゆる地域をめぐる、きわめて興味深いパネルがたくさん同時並行で行われています。他のパネルを聞きにいく余裕がないのが残念だった。

ぼくが参加したのは日本文学における動物表象を主題とするものでした。Doug Slaymakerによる古川日出男論(ダグは『馬たちよ、それでも光は無垢で』の英訳者)、Mimi Long による小林エリカ論、David Holloway による金井美恵子論と並んで、ぼくは古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』を素材にした、犬から見た近代批判(のつもり)。

2011年のホノルルでの大会にはリービ英雄さんと参加し、それがドキュメンタリー『異境の中の故郷』につながっていったと思うと感慨深い学会です。

上記の日出男さん、小林エリカさんのほか、別パネルでは若いアメリカ人研究者による最果タヒさん、さらに別のパネルでは知人の台湾人大学院生による温又柔さんについての発表があり、現代文学のいちばん新しい部分がこうして注目を集めるのはいいこと。

ぼくは今後は学会参加も少なくして自分の制作を優先させますが、若手の研究者のみなさんには、ぜひどんどん参加してほしいと思ってます。

Tuesday, 19 March 2019

明日には明日の音楽、詩

「音楽というものがまだほろびないとすれば、明日には明日の音楽もあるだろう。だが、それを予見するのはわれわれのしごとではない。いまあるような音楽が明日まで生きのびて明日をよごすことがないとおもえばこそ、音楽の明日にも希望がもてるというものだ。音楽家にとってつらい希望ではあっても。」(高橋悠治)

詩もまったくおなじ。

Sunday, 17 March 2019

「カメチャブ」をめぐる一考察

みなさん、牛丼が「カメチャブ」と呼ばれるのを、聞いたことがありますか。

ぼくはぜんぜん知らなかったけど、驚いた。この「カメ」はいうまでもなく洋犬のこと(Come here! を「かめや」と聞きなすことにはじまる横浜言葉)で、「カメチャブ」とは牛肉の入った、「洋犬用の餌」を意味するそうだ。

ぼくが「おおっ!」と思ったのは「チャブ」の部分。これは明らかに中国語系(どの方言かは知らない、広東方面?)のchow chowから来ていると思われるが、どうでしょう。食事を表す俗語(犬種にもいましたね、フロイト博士の愛犬)。ハワイに行くとこれがkaukau となり、プランテーション世界での日々の「ごはん」の意味に。

で、牛丼=カメチャブ=犬まんま、という等式が成立。

しかし、ここでふと思わざるをえないのは「ちゃぶ台」という言葉の語源です。「卓袱台」などと書くが、これは当て字と思われる。そもそも明治より前には存在しなかった家具。となると、この「ちゃぶ」も要するに chow に由来するんだろうか。ちゃぶ台そのものが、あるいは中国世界での発明品なのか。

などと書いているうちに吉野家に行きたくなるのは言を俟たない。あるいは「ちゃぷすい」(アメリカン中国料理の定番)が「雑炊」だとしたら、「ちゃぶ=ちゃぷ」は「雑」を意味し、汎用性の高い折りたたみ円卓を「雑卓」とでも呼んだのかしらん。それが移入されて「ちゃぶ台」になったのか。

こうしたすべてはconjectureにすぎないが、興味を引かれる主題ではあります。

Friday, 15 March 2019

日仏会館で思い出したこと

昨夜、ひさびさに日仏会館のステージに立って、いろいろ思い出しました。2001年、グリッサンとコンデが来日。2003年、ぼくの講演(後に『オムニフォ ン』に収録)もここ。2007年にはブレーズ・サンドラル生誕120周年イベントを正田靖子さんたちとやらせてもらった。

2000年代はじめの数年は、カリブ海文学に対する興味が(日本において)最高潮だった時期なのかな。2002年には一橋で大きな国際シンポジウムがあり、ぼくはハイチのアントニー・フェルプス(もっと評価されていい詩人)に対するディスカッサントとして「オムニフォン・エグジログラフィーとは何か」と いう話をフランス語で。また、これは日仏会館ではないけれど、やはりハイチのルネ・ドゥペストルの来日が2004年。いま思ってもすごいね。こうした企画の実現は、恒川邦夫さん、三浦信孝さん、立花英裕さんらの努力のたまもの。

そしてカリブ海とは関係ないけれどシルヴィー・ジェルマンが来日して、日仏学院で彼女とぼくが対談したのが2007年。この対談は「すばる」に掲載された(けど、いま手元にない)。このあたりで、ぼくのフランス語系の仕事がぷっつり途切れました。なぜ?ひとつには2007年から大学院ディジタルコンテンツ系の設立に忙殺されていたため。これが2008年に発足。2017年からは組織替えして総合芸術系。理工学部・理工研の中にアートスクールを作るというかつての野心(?)が、まずまず達成されたというわけ。

もうひとつには、2009年から自作の詩を発表するようになり、その分、研究や翻訳に使う時間が大幅に減った。詩人としての本格的デビューは2010年、スタンフォード大学で偉大なジェローム・ローセンバーグと一緒に朗読をしたとき。昨年、英語詩集Transit Bluesをキャンベラ大学で出してもらい、10年かけて創作言語のシフトも、なんとか実現。

という迷走の歴史を記して、自分の覚えとし、同時にそろそろ軌道修正を図ろうと思います。具体的には、フランス語の比重を大幅に増やします。まずは、はなはだしく遅れたグリッサン『第4世紀』を、きちんと出さなくちゃ。もうゲラになっています。ぜひ楽しみに待っててください!

Thursday, 14 March 2019

「福音と世界」2019年4月号

「福音と世界」4月号は「特集=人類学とキリスト教」。ぼくは長い詩「コルコヴァード」を書かせてただきました。いうまでもなくタイトルは、リオ・ジ・ジャネイロの、あの巨大なキリスト像のこと。260行という、これまで書いたもっとも長い詩になりました。「水牛のように」3月号の「ハバナ」の、いわば姉妹篇です。

Sunday, 10 March 2019

ジョージタウン大学にて

ジョージタウン大学で開催中のアメリカ比較文学会、"The Achievement of Suga Keijiro"と題された2日間のセミナーが終了しました。8人の研究者がぼくの仕事についての発表をしてくれるという稀な機会。まあ、最初で最後でしょう。みなさんに心から感謝します。

和氣久明さんの発表は、2000年から日本で教えはじめたぼくの教員としてのキャリアと文筆の仕事の関係について。以前彼が教えていたメイン州ベイツ・カレッジに招いていただいたときのことも、なつかしく思い出しました。

レイ・マゴサキさんは「批評としての詩」について。特に「4」という数字がもつ意味について、彼女のおじいさんが経営していた旅館の、おもしろいエピソードが印象的でした。

上野俊哉さんは、ぼくがいろいろな本に書いた「訳者あとがき」に焦点を合わせ、リオタールのパガニズム(異教)がぼくにとってもつ意味を正確に指摘してくれました。

ダグ・スレイメイカーさんは、今回のセミナーの企画者。ぼくのおなじみのトーテム動物たち、コヨーテ、犬、こうもりが、翻訳という営みに対して果たす意味を論じてくれました。

田辺裕子さんは最年少参加者。ぼくの旅行記の細密な読みを通じて、場所の神話(とりわけハワイの場合)の使い方を明るみに出してくれました。

ジョーダン・スミスさんはぼくの詩を、人間が片隅に小さく描きこまれる中国の山水画と並べ、スケール感の変化という特徴を指摘。ジョーダンは現在の東京における、わが詩的兄弟。5月にはモロッコで一緒に詩のフェスティバルに参加します。

小田透さんは思想史研究者。「認識論としての旅/翻訳」という主題を、いまではほぼ忘れられたぼくの40代はじめごろの文章から救出してくれました。東浩紀さんの観光論との対比も、興味深くうかがいました。

ショシャナ・ガンツさんはぼくの作品のエコポエティックな面に集中して、いくつかの詩を震災=原発事故後の状況と重ね合わせて読み、さらにカナダの現代詩人ロバート・ムーアと並べる見方をしめしてくれました。

最後にぼくが自分のエッセー「詩学」を紹介し、新作の「ハバナ詩片」からの16行詩をひとつ読んで、おしまい。夜はトルコ料理店で楽しい夕食をともにして、みんなそれぞれの場所と仕事へ帰ってゆきました。

小さなお祭りみたいなものですが、ぼくにとっては大きな一区切り。1960年代、70年代、80年代、90年代生まれのみなさんからの意見を聞けたことは、何物にも替えがたい財産です。まだまだ新しい道を探れるという気分になりました。次の展開をおもしろくすることで、みなさんへのお礼としたいと思います。ありがとうございました、またどこかで、またすぐ!

Sunday, 3 March 2019

立命館大学にて

3月2日は立命館大学衣笠キャンパス。きれい。温かい土曜日、シンポジウム「いま問い直す、宮澤賢治と動物」(西成彦研究室主催)に参加しました。

まず佐々木ボグナさん、村山龍さんの発表。ついで赤坂憲雄さんの講演と、ぼくのコメント。それから「水の記憶、土の記憶」(古木洋平監督)上映、そして全体ディスカッション。命の互酬性、肉食、仏教、果ては人口問題。賢治の作品にある糸口は、どこまでも広がっていきます。

Friday, 1 March 2019

「水牛のように」3月号

ウェブ雑誌「水牛のように」に160行の詩「ハバナ」を書きました。興味あったら、ごらんください。

http://suigyu.com/2019/03#post-6057

Tuesday, 26 February 2019

ダブの夕べ

ついで24日(日)はぼくのダブ・ポエトとしてのデビュー・イベント。レゲエ・ミュージシャンのハミングバードが作ってくれたトラックに載せて、自作の新作を3つ。そこからサックス奏者の仲野麻紀さんに入ってもらい、いま制作中の『狂狗集(きょうくしゅう)Mad Dog Riprap』の一部を読みました。全体で40分ほど。

なんといっても圧倒的な麻紀さんの即興に助けられ、完全にぼく好みのメロディアスなトラックも気持ちよく、いいパフォーマンスになったと思います。

新作詩は、まず英語の"Translation Is"、ついでスペイン語と日本語の"Caminando"、そして日本語の「海を海に」でした。

ぼくの通常の詩(=目で読むこと前提)とはかなりちがったものばかり。書く時にも、ふだんは使わない種類の注意力が必要です。いい経験。ありがとう、ハミングバード。 これからもどしどし新作を書いて、1時間ほどのステージをいつでもこなせるようにしたいと思っています。

この晩、ぼくらは前座。メインだったのはポルトガル出身でバルセロナで活躍するベーシストのJorge da Rochaでした。ウッドベースの弾き語り。情感あふれるベースとカラフルな歌声に驚愕。初来日初ステージを目撃することができて、幸運でした。

この場を準備してくださった、カフェ・ラバンデリアのみなさまにも、心からのお礼を申し上げます。

Monday, 25 February 2019

『敷石のパリ』出版記念イベント

新宿2丁目のカフェ・ラバンデリアでの週末2連続イベントが終了しました。

まず23日(土)、詩集『敷石のパリ』出版記念イベント。4人の作者がひとり20分の持ち時間で、パリを巡る自作を読んだり、話したり。

ぼくはさいわい金子雄生さん(トランペット)と河崎純さん(コントラバス)というすばらしいミュージシャンの即興をバックに得て、のびのびと朗読をすることができました。セットリストをあげるなら

1)ランボー「感覚」(フランス語、ついで日本語訳)
2)ヴェルレーヌ「心に雨が降る」(おなじ)
3)アポリネール「ミラボー橋」(おなじ)
4)『敷石のパリ』より「パリについて」7片(日本語のみ)

特筆すべきはこの本の共著者のひとり、ミシマショウジさんのパン。彼は西宮でパン屋さんを経営していて、この日も朝パンを焼いてから新幹線で駆けつけたとのこと。そのパンのおいしさ。特にバターのきいたクロワッサンは、これまで食べたすべてのクロワッサンの最高峰でした。

編集制作にあたってくれた佐藤由美子さん、佐藤さんの作品のフランス語訳を作り朗読してくれたスレイマンさん、自分で撮影したパリの街角のビデオを見ながらこの都会の魅力をレクチャーしてくれた清岡智比古さん。かれらとともに充実した声の場を作ることができたと思います。


キューバで

現代におけるもっとも神話的な国のひとつ、それがキューバ。初のキューバに行ってきました。参加したのは第28回キューバ国際ブックフェアと第9回イベロアメリカ・カリブ海若手作家の集い。ラテンアメリカ全域を中心に世界中から多くの小説家・詩人たちが参加するかなりの規模のフェスで、1週間の会期のあいだ、ぼくは2回の朗読と、1回の自著紹介(朗読つき)をこなしました。使用言語はスペイン語。

朗読の素材とし、また紹介の対象としたのは、ぼくの詩集Agend'Arsからの選集メキシコ版(クリスティナ・ラスコン+南映子訳)、そして1月に出たばかりの詩集Transit Blues スペイン版(ハビエル・ボサロンゴ訳)。いずれもすごく真剣に聴いてくれる観衆に恵まれ、終わった後、各国の詩人たちがあいついで感想を述べに来てくれて、小さな祝祭気分になりました。

ハバナの街については、いずれまとめます。今回はハバナだけでしたが、キューバの良さはたぶん田舎にあり。早くも第2回目の旅を企画したいところです。必ず。

Saturday, 9 February 2019

2月23日(土)です!


1968年5月の運動から半世紀を記念して昨年暮れに出版されたのが詩集『敷石のパリ』。その朗読会が新宿2丁目のカフェ・ラバンデリアで開催されます。ぜひいらしてください!

大竹昭子さんと

渋谷、文化村そばにあったすてきなイベントスペース、SARAVAH東京が、惜しまれつつ今月店じまいします。「ことばのポトラック」、朗読劇『銀河鉄道の夜』など、思い出深いいくつものイベントを開催させていただきました。

そのクロージング記念として、5日、BOOKS青いカバで、ピエール・バルーの生涯をめぐる対談をしました。大竹昭子さんと。そして特別ゲストとして、レ・ロマネスクのTOBIさん! まさに不世出の天才、ヒッピー世代以前のプロト・ヒッピー、そしてボサノヴァのフランスへの導入者としてのピエールさんのことを、しっかり捉えなおす場になったと思います。

おかげで気分はひさびさにボサノヴァ。鳴り止まない音楽がいまも脳をにぎわせています。

BOOKS青いカバは、さすがの本棚作り。ぜひお立ち寄りください。でもなぜ「青いカバ」なのかは知らない。

http://www.bluekababooks.shop/

小原一真さんと

大阪・福島のフォトギャラリー・サイで、小原一真さんの写真展開催中。きわめて重要な展示です。チェルノブイリ以後に成長した子供たちが、成人し、家庭をもつ。そんなかれらの生活を、静謐に、精密に、追っています。

http://kazumaobara.com/2019/01/13/exposure-everlasting/

2月2日(土)に、オープニング・イベントとして小原さんとぼくの対談。ついで3日(日)には、ぼくの小説「33歳のジョバンニ」全文朗読会を、音楽家・歌手のKawoleさんにサポートされながら開催しました。

Kawaoleさんの効果的な音響と新作の歌を背景に、ぼくにとっての大震災のヴィジョンの一部を編み上げたものです。

両日とも20名ほどのお客さんをむかえて、いい会になりました。

会期中、映画上映や対談など、関連イベントが毎週用意されています。この機会に、ぜひギャラリーに行ってみてください。

Sunday, 3 February 2019

「水牛のように」2月号

 「水牛のように」に160行ほどの詩「グラナダ」を寄稿しました。ぜひ読んでみてください。

http://suigyu.com/2019/02#post-6046

2月5日(火)、ピエール・バルーのために

 生きることがまるごと詩であり歌だったような天才、ピエール・バルー。サラヴァ・レーベルを少しでも知る人なら、自分の感受性のある部分が、彼のヴィジョンによって生み出されたものだと考えないわけにはいかないでしょう。

そんな彼の生涯と活動について、大竹昭子さんと対談をします。BOOKS青いカバにて。「一期一会」を生の原則とし、そこからつねに新鮮な果実を人々に与えてきた彼の大きな足跡を、一緒にふりかえってみましょう。いうまでもなく、ボサノヴァ気分、ブラジル気分満点の場になることが予想されます。

http://www.bluekababooks.shop/items/16303807

ぜひ、いらしてください。ぼくからの特別なおみやげも用意してます!

Sunday, 27 January 2019

Tokyo Poetry Journal Vol.7

東京で発行されている英語の詩誌、それがTokyo Poetry Journalです。その第7号が完成しました。今回は、1昨年の1年間をスペインのグラナダで過ごしたジェフ・ジョンソン編集による Yamato-Sepharad Constellationsという特集号。日本語圏とスペイン語圏をむすぶ詩人たちの作品を集めた、おもしろい号です。

ぼくはアメリカ南西部を舞台に書いた詩の連作 The Southwest Lettersの3篇を寄稿。今夜、浅草のノルウェー・カフェFuglenでの朗読会でもそれを読みました。

ジェフ、テイラー、ジョーダンをはじめ、関係者のみなさま、ありがとうございました!これからもToPoJoを応援します(あまり役に立ってなくてごめん)。

『あたらしい野生の地』上映会

1月が慌ただしく過ぎていきます。仕事がすべて遅れてて、すみません。関係者のみなさま、しばしお待ちください。

今月は映画『あたらしい野生の地 リワイルディング』の上映会をひさびさに開催しました。12日(土)の夜に、高松の本屋ルヌガンガ。感動的なセレクションの、気持ちのいい書店で、 機材トラブルがちょっとあったけれど、終了後のディスカッションまで楽しいひとときを共有できました。

ついで翌日13日(日)の午後、岡山駅近くの商店街・奉還町にあるラウンジ・カド。角にあるからカド! 明解な名付けの、ここも気持ちの安らぐお店で、急な階段を上った2階にみんなで集まって、映画を鑑賞。東京に戻らなくてはならなかったため、トークと質疑応答の時間が30分弱しかとれなくて、すみませんでした。

でも、いずれも心に残る集いになったと思います。日本の各地方も、リワイルディングに直面しています。それにまた、動物たちとの関係を考え抜かないかぎり、ニンゲンの生はひどく貧弱なものになってしまいます。

今回は、うちの大学院(新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系)の最初の修了生のひとりである宇野澤昌樹くん主催の上映会でした。これからも各地で上映運動をつづけていきたいと思います。興味がある方は、ぜひ連絡をください。「明治大学理工学部・管啓次郎」宛てに、まずはかたつむり郵便でお願いします!

Friday, 11 January 2019

German Lessons #17

Die Dinge singen hör ich so gern.
(Rilke)

Saturday, 5 January 2019

「福島民報」1月1日

元旦の「福島民報」に詩を寄稿しました。タイトルは「光のりんご」。オンラインで読めるようになるのかどうかは、不明。機会があったらご一読ください!

Tuesday, 1 January 2019

「水牛のように」2019年1月号

書いたばかりの詩「犬探し」を掲載していただきました。これが今年の制作のはじめ。

http://suigyu.com/2019/01