2009年11月12日木曜日

「世界187の顔」

日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の写真展「世界187の顔」を明大前のキッド・アイラック・アートホールで見た。

ことばを見失い、何もいえない。強烈。われわれは通常どこにゆこうと何も見ていない。それに対して、この協会員のみなさんは。日本のフォトジャーナリズムの水準の高さを思い知らされた。

そしてもちろん大切なのは、そんな水準の評価よりも、そのむこうの世界そのもの。

佐藤文則さんのイベント(「陰に追いやられる難民申請者」11月5日)に行けなかったのが、かえすがえすも残念。他のみなさんの写真も、メッセージも、胸をつくものばかり。

このJVJAでは、パネルの貸し出しというかたちで、写真展を開催できるようだ。明治も生田はちょっと集客には弱いけれど、駿河台の図書館でやってみれば、ずいぶんいろんな人が見るだろう。

ともあれ、15日(日)まで。和泉校舎のみなさん、明大前に用があるみなさん、ぜひ立ち寄ってみてください。

阿蘇、ハーン、グリッサン

週末、フランス文学会のため熊本大学へ。

キャンパスに入ると、ラフカディオ・ハーンの銅像! いいぞ。あいつはほんとにすごいやつ。

ぼくは会員ではないのだけれど、日曜日に行われた「クレオール再考」と題したワークショップに参加。中村隆之、塚本昌則、(ぼく)、恒川邦夫のみなさんが順にしゃべった。構成と司会は熊本県立大学の砂野幸稔さん。ありがとうございました。

ひとりあたりの持ち時間が少なかったけれど、相当に広がりのある、本質的な話だったと思う。どこかで文章にまとめたいもの。

翌日、午後の飛行機に乗るまえに、あちこち走ってみた。いい天気で、快適そのもの。白川水源、蘇陽峡、そして阿蘇山一周。外輪山の美しさ。それから最後はいよいよ阿蘇火口で仕上げ。

阿蘇は高校の修学旅行以来だ(1975年)。今回はあのすさまじい火口がよく見えて、緑色の水(お湯?)の強烈さに圧倒された。火山はいい。いつかはエンペドクレスのように?

帰って、火曜日は一日中びっしり、あれこれ。きょうは12月刊行の本のゲラを戻し、来春刊行の中村隆之訳エドゥアール・グリッサン『フォークナー、ミシシッピ』のゲラのコピーをもらう。これは驚くべき好著。

来年は、来年こそは、グリッサンの年になるだろう。

明日、木曜日から台湾の政治大学を訪問してきます。来春の共同ワークショップの打ち合わせが大きな使命。IMAGINASIA!

2009年11月6日金曜日

「世界中のアフリカ2010」

ちょっと早すぎるけど、まあ、いいか。みなさん、大切な発表があります。

新年をむかえて1月9日(土)、在日アフリカ知識人たちとアフリカの現在を熱く語り抜きついでに踊る、すごいイベントをやります。題して『世界中のアフリカ2010』。

詳細はいずれお知らせします。場所は新宿某所。会場費・出演者謝礼として入場料をいただくことになりますが許されよ。その分、思いっきりおもしろい場にします、エンドレスで!

まずは1月9日を空けておいてください。

映画の変な連鎖

このところ見ている映画作品のつながりが、妙な糸をつむいでゆくのがおもしろい。意図を超えている。何かがつながってゆく。

張作驥『黒暗之夏』、金基徳『サマリア』、王家衛『欲望の翼』、張芸謀『幸福時光』、陸川『ココシリ』、トム・ティクヴァ『ラン、ローラ、ラン』、ハル・ハートリー『フラート』。

『黒暗之夏』から『幸福時光』は盲目という主題がつなげ、『ラン、ローラ、ラン』と『フラート』はおなじ話の3つのヴァリエーションが両者を並列する。

他にもいろんなかたちでいろんな要素がつながってくる。ということは。映画にも「本」という単位を超えた次元があるということだ。

大学院生の何人かと一緒に見ていると、かれらが細部に気づく繊細さがどんどん研ぎすまされてくるのが、手に取るようにわかる。見て、記憶すること。この基本作業を、きちんと続けていく必要がある。

それはともかく。『黒暗之夏』『幸福時光』が並んだら、『珈琲時光』を置かないわけにはいかない。年末のパーティーには、それを見ることにするか。

2009年11月4日水曜日

北欧シンクロニシティ

なぜか、北欧が重なっている。

昨日、打ち合わせに神保町に行って、入った喫茶店がどことなく京都めいたお店。いいジャズがかかっていたが、店の主題はなぜかノルウェー。ノルウェー情報であふれている。

きょう、麻布十番のgm tenで見たのがフィンランド在住のアーティスト、ネネツボイの作品展。ふしぎに明るいユーモア。ネネツボイという名前のフィンランド人だとばかり思ってたら、つぼいさんという日本人だそうだ。フィンランドを舞台にした映画『かもめ食堂』がおもしろいと学生たちがいっていたのも思い出す。展示の仕方がすごく参考になった。

そしていま読んでいる本が、そろえるつもりもなかったのだけれど、『よみがえれ! 夢の国アイスランド』。いわば北欧中の北欧。

こうしてみると、来年は北欧をめざすしかなさそう。

2009年11月3日火曜日

満月とハクビシン

満月の論理に一般と特定の区別はない
眺める人の心に月影の紋様が浮かぶだけ
ネットワークは幾何学的に発生し
ときどき氷のように光が凝固する
たくさんの団子をすすきとともに供えてみた
ハクビシンの親子が物欲しげに見るのを
ウクライナ人の老女がけらけら笑いながら見ている
秋のこの時期こそ祭礼の夜
循環する時間が声のように聞こえてくる
楽しいね、楽しかったね、楽しいね
もう来ないね、また来るさ、また来るよ
荒城に登りて楼閣を燃やし
それを松明として以て絶対的な持続を照明するのみ
輝けよ縞の尾
きらめけよ妖しい鼻
満月の無垢が砕け散りたくさんの団子となる

書肆吉成完成!

札幌で古書店を営む吉成くん、ついに「実店舗」が完成しました。

http://diary.camenosima.com/

書肆吉成の、新しい展開がはじまります。おめでとう!これからも「アフンルパル通信」をよろしく。