2014年12月21日日曜日

『ほんとうのうた』上映会@サラヴァ東京

12月24日、クリスマス・イヴ。渋谷のサラヴァ東京で河合宏樹監督『ほんとうのうた』が上映されます。1日3回、最終回のあとには小島ケイタニーラブのライヴという流れ。

2011年12月24日にここで初演された、われわれの朗読劇『銀河鉄道の夜』の旅を追って作られたドキュメンタリー。この機会にぜひごらんください!

http://l-amusee.com/saravah/schedule/log/20141224.php

2014年12月20日土曜日

『ハワイ、蘭嶼』

新しい本ができました。題して『ハワイ、蘭嶼 旅の手帖』(左右社)。ハワイ諸島、そして台湾の南東の離島・蘭嶼を舞台とする旅のエッセーです。ぼくが撮影したスナップ写真多数。五十嵐哲夫の渾身の装幀で、美しく仕上がりました。

24日から店頭に並ぶと思います。クリスマスの贈り物に、ぜひどうぞ!

2014年12月6日土曜日

大学院進学を考えているみなさんへ

理工学研究科新領域創造専攻のII 期入試、年が明けたらすぐに出願期間です。

http://www.meiji.ac.jp/sst/grad/examination/index.html

進学を考えているみなさんは、まずは指導を希望する教員に研究計画を郵送してみてください。ディジタルコンテンツ系の中での人文系・芸術系の教員は、ぼく(批評理論、デザイン人類学、文化研究全般、クリエイティヴ・ライティング)、倉石信乃さん(美術史、写真史、批評)、波戸岡景太さん(現代文学、コンテンツ批評)の3名です。もうひとり清岡智比古さん(世界映画、都市文化論)がいますが、来年度は特別研究でお休み。

だれか自分の研究(予定)分野にいちばん近いと思う人にコンタクトをとってください。もちろん、その後の話し合いで指導教員を変更することもできます。

ぼくの研究室では、現在進行中の修士研究は3件。フラの舞踊人類学的研究、ミュージックビデオにおける映像と音楽の関係、そして2000年代以降の日本映画論。来年度、すでに入学が決まっている2名の専攻予定分野はカリブ海研究と観光人類学です。

郵便住所は

214-8571 川崎市多摩区東三田1−1−1
明治大学理工学部 (教員名)

それでは、連絡を待ってます!


2014年11月30日日曜日

今年も作品展を

毎年、学生たちとの作品展(+関連図書の展示)を開催しています。明治大学生田図書館のギャラリー・ゼロで。今年もやります。12月3日(水)より。今年のテーマは「水」。ぜひいらしてください。ぼくは9枚の写真を展示します。以下、作品タイトルと作者によるコメントを。

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川、湖、ダム湖、海へ
管啓次郎

 ある年、早春の奥入瀬渓谷を走った。葉のない樹林を明るい陽射しがみたし、そこは光の国だった。渓流は鮮烈。勢い良くほとばしる水が撥ね、光が撥ね、心を削った。手をふれると冷たい水だ。どんな命が隠れているのか。どんな時間を流しているのか。
 そこから上流にむかうと、川の始まりには湖があった。十和田湖。大きく深い水瓶のようにして火口に雪解け水が溜まり、湖になったのだった。ミズウミというが、ここはウミと変らない。北風が雲を飛ばし、どんよりとした灰色の層からときおり光と雨が降ってくる。波が立つ。しぶきが飛ぶ。
 
 別の年、沖縄本島の北部をひとりで走ってみた。福地(ふくじ)ダムは貯水目的でアメリカ軍が建造した石積みのダムで、それはまるで知らない土地の古代からやってきたピラミッドのようにも見えた。ダム湖はしずかだ。人工物ではあるけれど、できてしまえばダム湖もみずうみ。水面にはさびしい心と歴史が写っている。
 そのまま北上し、この島ではこれ以上行けないところにたどり着いた。辺戸岬、ここが沖縄本島の北端だ。海がどれほどの年月打ち寄せてきたのか、波の造形力をこれほど感じさせる場所はない。岩に無数の穴が穿たれている。北の水平線上に与論島が浮かんでいる(浮かんではいないけれど)。

 水はどこまでめぐるのだろう、水はいつまであるのだろう。そもそも、いつどうして、地球には水ができたのか。なんの答えも知らぬまま、水をたどっていつも歩いている、走っている。流れる水のかたわらで、ぼくの体にも水が流れている。

「動物のいのち」終了

29日(土)、明治大学中野キャンパスホールでのシンポジウム『動物のいのち』を開催しました。

第1部として、12名のアーティスト、研究者による、ひとり15分のショートプレゼンテーション。ついで第2部は、ディスカッサント2名を加えて、全員によるパネルディスカッション。驚くべき言葉が次々と飛び出す、深い意味を帯び沈黙に裏付けられた場が生じました。

ぼくにとっては、これまでの人生で自分が企画した、もっとも重要なイヴェントとなりました。

発表者、オーディエンスのみなさま、ほんとうにありがとうございました。人間社会をどうにかしようと思ったら、動物との関係を見つめ直すほかありません。次の動きを、早くも考えています。今回来られなかったみなさん、次回はぜひどうぞ。

赤阪友昭さん、片桐功敦さん、木村友祐さん、佐川光晴さん、佐々木愛さん、高山明さん、橋本雅也さん、服部文祥さん、纐纈あやさん、古川日出男さん、分藤大翼さん、山口未花子さん、石倉敏明さん、波戸岡景太さん、ほんとうにありがとうございました。みなさんのそれぞれの道が、また未来のどこかで交差することを、心からお祈りいたします。

2014年11月28日金曜日

「週刊朝日」12月5日号

「週刊図書館」のページに、マルグリット・デュラス『ヒロシマ・モナムール』(工藤庸子訳、河出書房新社)の書評を書きました。

「ヌヴェールという地名に英語のnever が複数形で書きこまれていることを、ふと思った。けっして帰って行けない土地、時間。けっしてくりかえしてはならない悲劇、行為」


2014年11月26日水曜日

沖縄で

連休、沖縄でふたつの学会に参加しました。いずれも会場は名護市の名桜大学。ゲイリー・スナイダー研究者の山里勝己さんが学長を務めている、小高い丘の上のきれいなキャンパスです。

まずISLE-EA (International Symposium on Literature and the Environment in East Asia)。韓国、台湾、日本をはじめとする東アジアの環境文学研究者が隔年で集まる、重要な国際シンポジウムです。今年のテーマは "Unsettling Boundaries: Nature, Technology, Art"でした。上記の国のみならず、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどからも参加者があり、充実したパネルがいくつも組まれました。

ぼくは初日に基調講演。"On the Re-wilding Coast: Reflections after 11 March, 2011" と題して、社会と自然の関係を全面的に問い直す機会となった東日本大震災と原発事故後の状況について話しました。畠山直哉さん、赤阪友昭さん、片桐功敦さんから、すばらしい写真をお借りして、ぼく自身が撮影した動画や写真とともに、東北の土地で考えてきたことを伝えようと試みました。

二日目の基調講演はアメリカで活躍するドイツ人批評家でUCLA教授のUrsula Heiseさん。エコクリティシズムをリードする、第一人者です。

思えば1997年、メキシコのプエルト・バジャルタで開催されたACLA(アメリカ比較文学会) で、エコクリティシズムをめぐるはじめてのセッションが組まれたのでした。組織したのはパトリック・マーフィー。上記のハイザ、動物をめぐる理論で知られるキャリー・ウルフ、ぼく、みんなこの分野にとりくみはじめたばかりのころでした。ぼくがゲイリー・スナイダーとヤキ族のエスノポエティクスについて発表したのは、このときでした。

シンポジウムが終わり、日曜日の午後は辺野古へのフィールド・トリップ。あまりに美しい海。基地の建設はとりかえしのつかない破壊をもたらしますが、この海岸で改めて、アメリカと日本との関係、ヤマトと沖縄の関係を、考えないわけにはいきませんでした。すぐお隣の台湾、韓国のみなさんにも、この海の光が、強い印象を与えたようです。

海外からのみなさんと別れて、月曜日はASLE-JAPAN (文学・環境学会)の第20回大会。創立20年を迎えて、大きな転換期にさしかかっていることを再確認しました。まず文学研究を、さらに広い環境人文学、そしてアートへと開いてゆくこと。そして、ともすれば英語圏研究者主体になりがちな研究共同体に、日本文学、他の外国語文学のみなさんの参加を促し、アジア・太平洋圏や北欧(環境人文学の先進地域です)との交流を作り出すこと。

ぼくとしては、写真家、映像作家、造形作家、音楽家、舞踊家、いろいろなかたちで表現にとりくむ人たちにもぜひ参加していただき、文学・人文学研究との接合を試みていきたいと考えています。

興味がある方は、「学会」という名前を敬遠せずに、ぜひお気軽にご参加ください。