2016年8月24日水曜日

「週刊朝日」2016年9月2日号

「週刊朝日」9月2日号に、グアテマラのユダヤ系作家エドゥアルド・ハルフォンの短編集『ポーランドのボクサー』(松本健二訳、白水社)の書評を書きました。ローカルな色彩と世界史的主題。傑作です。ぜひお読みください、書評も、本も!

2016年8月19日金曜日

「キネマ旬報」2016年9月号

「キネマ旬報」9月号に、『神聖なる一族24人の娘たち』(アレクセイ・フェドルチェンコ監督、2012年)の評を書きました。ロシアにおける非ロシア正教地域のマリ人の女性たちの世界を描いた、きわめておもしろい作品。9月公開です。

「キネマ旬報」に書かせていただいたのは1985年(?)の『未来世紀ブラジル』以来、31年ぶり! 一生のうちに何本の映画について何枚くらい書いたのかな、とふと思いました。四方田犬彦さんの100分の1以下でしょう。

これからはもっと映画のことを書くつもり。

2016年8月13日土曜日

12月3日、「声の氾濫」

みなさん、カレンダーの12月3日(土)にしるしをつけておいてください。この日の午後、明治大学アカデミーホール(お茶の水)で「声の氾濫」と題した画期的イベントを開催します。

温又柔、木村友祐、姜信子とぼくが、それぞれミュージシャンと組んで、1組につき30分の朗読と音楽のパフォーマンス。うちそれぞれ15分はこの日のための新作。

その第1部につづき、第2部では以上の4人が、物語と声と音楽と人々の心の歴史についての、濃密な議論を行います。司会・進行は中村和恵。そして第2部のしめくくりでは、中村和恵の新作朗読(と踊り?)を楽しんでいただきます。

2014年7月に、忘れがたい朗読劇『銀河鉄道の夜』最終ヴァージョン公演を開催した、1200名入る大ホールです。詳細は秋になってから、ポスターを制作しますが、まずはこの日、ぜひ空けておいてくださいね。

2016年8月10日水曜日

『あたらしい野生の地 リワイルディング』

映画『あたらしい野生の地 リワイルディング』の字幕の最終チェックをしています。見直して、感動を新たに。そのシネマトグラフィ(撮影)のすごさ完璧さは、他に類を見ません。震えます。

動物たちの世界とヒトの社会の関係を根本的に見直すための、きわめて重要な作品、鍵を握る作品だと、確信しています。

オランダ映画史上最大のヒット作であるこの作品を、われわれは一種の「上映運動」により日本のみなさまに見ていただこうと思っています。それは震災と原発事故後の傷ついた土地にとって、大きな意味をもつと考えているからです。

ぜひごらんください。そしてその準備を整えるためのクラウドファンディングに、ぜひ参加してください。

大スクリーンで、ご家族や友人たちのグループで、見ていただきたい作品です。なんとか公開にこぎつけるために、ご支援をおねがいいたします!

2016年7月28日木曜日

Rewilding! 『あたらしい野生の地』へ

一昨年夏からのぼくのキーワードのひとつ、rewildingの着想のもとになったドキュメンタリー映画 The New Wilderness の日本語字幕版を制作中です。この秋公開をめざして、現在、クラウドファンディングで運営資金を募っています。

https://motion-gallery.net/projects/rewilding

人が手放すとき、人が立ち入るのをやめたとき、野生の動植物はみずからの論理にしたがって生き、増えてゆく。そのとき、われわれが見たこともなかった光景が、その場に生じます。

ぜひご支援ください! 踏みにじられた列島の風景の、再生のための鍵です。

2016年7月25日月曜日

「生きとし生けるもの」展に参加しています

三島にあるクレマチスの丘のヴァンジ彫刻庭園美術館。24日、「生きとし生けるもの ALL LIVING THINGS」展がはじまりました。これはすごい。14人のアーティストの作品が、ヴァンジのかっこいい空間を埋めつくしてます。よくここまでできたなあ、と美術館の意志に感動。

観客のみなさんも、三沢厚彦さんの動物たちのでかさに笑い、橋本雅也さんの骨の花の繊細にたたずみ、おじいちゃんおばあちゃんから子供たちまで、3世代で楽しめるいい展示。お勧めします!

そして特筆すべきはカタログのよさ。一般書籍としても読みどころの多い、興味深い1冊になりました。ぼくのエッセー「動物がそこにいる」と160行の詩「ブレーメン革命」も収録されています。

ぼくの展示は、未完成の本「The Dog Book」をめぐる内容になっています。本は遠からず印刷が仕上がってくるはず、お楽しみに。展示から本作りまで、デザイナーの田部井美奈さんに全面的にお世話になってます。ありがとうございました。

さあ、春学期もほぼ終わり、本格的な夏の開始。みなさん、どこかで会いましょう!

2016年7月17日日曜日

KESEN ROCK FESTIVAL に参加して

土曜日の夜8時、Kesen Rock Festival の舞台に『銀河ロックンロール鉄道の夜』をぶじ走らせることができました。シナリオに、これまでになかった大幅な変更。まったく新しいキャラクター「鳥の 王=ロックンローラー」にアジカンの後藤さんを迎え、「鳥を捕る人」柴田さんの鬼気迫る熱演にみんな、しばし呆然としました。

日出男座長を中心=ドラムスの位置におき、その左右にギターを抱えたゴッチとケイタニー、その外側に柴田さんとぼくというV字フォーメーションはバンド感 覚にあふれ、およそ望みうる最高のステージになったと思います。舞台半ば、風が濃い夜霧を運んできて、演出かと思えるほど。賢治さんゆかりの種山高原で、 まるで賢治さんがそこに加わりたいと願っているかのように、物語は一瞬で水底に沈みました。

ぼくはこれまでの「定本」の3編の詩の2つを捨て、「きみだけの切符」を新たに書きました。ケイタニーはわれわれの「銀河」のアイデンティティともいうべ き名曲「フォークダンス」を封印し、新たな主題曲をみごとに完成させました。一昨年の完成ヴァージョンでみんなを戦慄させた柴田さんの「ラッコの上着」役もひっこめられ、そのぶん、「鳥を捕る人」が異様な高みに達しました。ここまでラディカルな変更を自分に、そしてわれわれに、課す、日出男座長の意志に戦きながら、一夜の乱入は終わりました。

いつもながら、チーム銀河の仲間たち、後藤さんおよびアジカンのスタッフのみなさん、この高原の夜に集ってくれたすべての人々に、心からの感謝を。そして忘れないでください。この劇のすべてが、2011年3月11日の、あの夜にささげられていたことを。