Tuesday, 18 June 2019

フィンランドで

今回のフィンランドでの活動記録。

14日(金)LIWRE初日。第1パネルに参加、Rachel Rose, Anni Kytömäki, Arian Lekaと。

夕方、Vesi Järvi 水上ステージでのケイタニー(小島ケイタニーラブ)のコンサートに出演、詩をひとつ読み、歌をひとつ歌う。

夜、レストランTirraでのオープン・マイク。村次郎の詩に曲をつけた3曲を歌う。

15日(土)LIWREのクロージング朗読会、コンサート・ホールにて。8人の朗読のトリを務める。言語は日本語、英訳・フィンランド語訳を字幕で。

16日(日)Runomaraton (ポエトリーマラソン)に出演、朗読。翻訳者のMayu Saaritsaと。言語は日本語、マユちゃんがフィンランド語訳を読む。

17日(月)これからHeinolaという森の町に向かい、そこで詩人のCristina Johansonと朗読と対話。使用言語はたぶん日本語と英語とフィンランド語。(結局、ケイタニーも加わり3人の、いい構成のイベントになりました!)

美しい土地の、いい季節です。

Friday, 14 June 2019

Lahti International Writers' Reunion

隔年開催で2年前には古川日出男さんが参加した「ラハティ国際作家の集い」に参加しています。今朝これから話します。主題は「詩人の自然」。

今年はどうも詩人中心みたいですが、1963年創設の伝統あるフェスティヴァルで、毎回主題を決めて世界中から作家・詩人が招待されています。日本からは過去に安部公房、開高健ら。

この過去の参加者の顔ぶれを見ると、心から感動。ノーベル賞作家だけでもアストゥリアス、クロード・シモン、カミロ・ホセ・セラ、ギュンター・グラス、ナイポール、クッツェー、バルガス・ジョサが来た。サルマン・ラシュディ、グレアム・スイフト、アンドレイ・マキヌ、ベルナルド・アチャーガ、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー、アーシャ・ジェバールらも参加したことがある。他にもぞろぞろ。

やる気をかきたてられるには十分です。これからの制作への糸口を、いくつかこの土地で、見つけられればと思っています!

Wednesday, 5 June 2019

6月3日、和光大学

3日(月)、和光大学での上野俊哉さんの授業にゲスト参加しました。生態学、環境史、アメリカ文学の先生たちと彼が共同でやっている詩人・思想家ゲイリー・スナイダーをめぐる講義の一環。上野さんが「部族」という名の、日本における対抗文化運動のグループとスナイダーの関わりを説明したあと、屋外に出てパフォーマンスの時間になりました。

上野さんのDJのもと、ぼくはスナイダーを意識した自作詩をいくつか朗読。ついで、かつてぼくとハイダグワイへの旅をともにした宮田浩介さんが自作を朗読。そのままいつしか夕闇をむかえ、楽しいバーベキュー大会に。教室のすぐ外でこれができる自由さ! さすがは和光です。

それからしばらく学生のみんなとビールを飲みながら談笑。悩みを聞いたり、ジョークを教わったり、自分の勤務校ではなかなかできない(仕事に追われて)交流のひとときでした。こんな機会を、詩と音楽に乗せて、明治でも作りたいものです!

Thursday, 30 May 2019

対談、ユーラシアンオペラをめぐって

5月29日、音楽詩劇研究所を主宰するベーシストの河崎純さんと対談しました。かれらの昨年の舞台、ユーラシアンオペラ「Continental Isolation」をめぐって。まず舞台の記録映像を上映、その後、ふたりで1時間ほど話しました。

強烈な作品。ここまで大きな構想力をもったものだとは思わず。無知を恥じました。トゥバ共和国、トルコなどからの4人のすばらしい女性歌手をゲストとし、中ソ国境地帯で20世紀を追いつめられるように生きてきた狩猟民族の神話と歴史をモチーフに、シャーマンの死と再生が語られます。

話は、ぼくが訪れたばかりのイスタンブルのことからはじまって、アニミズムのもつ意味、ルクレジオ文学の特異性と重要性といったことにおよびました。

6月26日に上演するために永方佑樹さんたちと準備している「ライヴ・ポイエーシス」のためのヒントもたくさんもらいました。詩と歌、音と沈黙、声と文字、ヒトとケモノ、楽器と自然音。考えるべきことがぽろぽろ湧いて。

まずは、これだけ重要な作品を作り続けている河崎さんの思索と感覚に、おめでとう、ありがとう。かれらの6月のイベント「東方声聞(しょうもん)録」も楽しみです。

Wednesday, 29 May 2019

「週刊朝日」6月7日号

「週刊朝日」6月7日号に、生田武志『いのちへの礼儀 国家・資本・家族の変容と動物たち』(筑摩書房)の書評を書きました。ヒト以外の動物とヒトとの関係を徹底的に考え直すことに誘われる、きわめて重要な本です。ぜひ書店で手にとってみてください。

Friday, 17 May 2019

シカゴ大学で

シカゴ大学での滞在を終えて、帰国しました。From Local to Global in East Asian Culture というシンポジウムに出席するのが主な目的。以下のスケジュールでした。

まず13日(月)午前に晴美ローリー先生の日本語3年生のクラス訪問。あらかじめ読んでおいてもらったぼくの作品やインタビューについて、それぞれふたりが質問を準備してあり、それに答えるという形式ですが、8人の学生(大学院生主体)の気合いの入った準備のおかげで、大変に楽しく質疑応答をこなすことができました。たぶんかれらにも、いろいろな発見をしてもらうことができたと思います。みんな専門は人類学、美術史、歴史、コンピュータサイエンスなどと多岐にわたっていますが、3年めが終わる段階でここまで日本語力がついていることに感動。さすがシカゴ大学。

それから夕方になり、大学近くのSeminary Co-op Bookstoreというすばらしい書店で自作朗読をしました。まず、ぼくが詩を読み、ついで同行した小説家の木村友祐さんが『聖地Cs』『イサの氾濫』から抜粋を読みました。友祐さんのこの作品は、ぼくの古くからの友人Doug Slaymaker による英訳が出版されたばかりで、この英訳はシカゴ大学が出す翻訳賞に選ばれたばかり。このお祝いも兼ねてのイベントになりました。ダグが解説とともに英訳を読み、それから友祐さんの魂のこもった声が響きました。

ところでこの書店は最高の品揃え。1週間通ってもまったく飽きない感じ。全米でも最高クラスではないでしょうか。いずれは本を買うためだけに、ここに来てみたい。

ついで14日(火)は一日がかりのシンポジウム。午前、午後ともふたりの発表とそれに対するひとりの充実したコメント、ついで質疑応答というフォーマットで進行しました。いずれ詳述しようと思いますが、沖縄、台湾、中国、イスラエル、日本の東北、済州島、キューバとプエルトリコといった土地での問題が思っても見なかったかたちでむすびつく、非常に凝縮度の高いシンポジウムになりました。Michael Bourdaghsさんの構想力のおかげです。ありがとうございました!

以上の議論が終わったあと、ぼくの基調講演。On The Glory of an Unknown Literary Prize というタイトルで、われわれのプロジェクト型文学賞「鉄犬ヘテロトピア文学賞」についての報告を、約1時間にわたって行いました。この賞にわれわれがどんな意味をこめているのか、受賞していただいた作品の「並び」が、どんな新しいヴィジョンにつながるのか。そういったことです。

これを話しながら、2013年以来、この賞につながるさまざまな活動をともにしてきたみなさんの顔と存在をひとりずつ思い浮かべ、ひそかに強い感動を覚えていました。

今年、第6回目の選考が進行中です。夏には受賞者が決まります。日本と日本語を根本から考え直すための手がかりをもらえるような、そんな作品がまた現われてくれるのを待望しています。みなさんも、ご期待ください!

Wednesday, 8 May 2019

モロッコで

モロッコの首都ラバトで開催された世界俳句セミナーで、5月3日、基調講演と朗読を行いました。講演のタイトルは De la transpoétique、この日の主題だった "transpoétique" というキーワードを、ぼく自身の poétique transversale (transnationale, translinguistique) の立場から論じました。

その後の朗読は、ぼくの初期のWalking Poems から日本語と英語で。若いウード奏者が即興で伴奏してくれた、楽興のひとときでした。

このセミナーを組織し招待してくれたのは、昨年まで東京のモロッコ大使館に勤務していたAbdelkader Jamoussiさん。すばらしい歓待を、ありがとうございました。

モロッコという国の魅力、ラバトの落ち着いた雰囲気を堪能することができました。ぼくにとっては初のアラブ文化圏(そして初のアフリカ大陸)。ラマダン直前でしたが、いまはすでにラマダンの真最中、毎日の断食行が進行しているはずです。また訪ねてみます、きっと。

ぼくの作品はジャンルとしてはフリー・ヴァースの現代詩ですが、みなさんの俳句にかける情熱に打たれました。もちろん、日本語俳句とはちがって、短い3行詩という感じですが、ずいぶんいろいろな情感をこめることができます。ちょっと追求してみたいところです。