Thursday 28 January 2016

温又柔さんと

16日の星野博美さんとの対談は、おかげさまで超満員。キリシタンの歴史、東西交渉史をたどりながら、最後には星野さんによるリュート演奏を、みんなで楽しませていただきました。驚くほど美しい音色のかわいい楽器で、星野さんにいわせれば「かぶとがに」みたいだとか。

さて、それから2週間も経ちませんが、おなじ下北沢の本屋B&Bで、明日は温又柔さんの瞠目の一冊、『台湾生まれ日本語育ち』(白水社)をめぐる対談です。国とは何、国語とは何。言葉が人をしばるものではなく、人を自由にするものとなるために必要なものは。

温さんの心のさまよいと真摯な思索とでっかい笑顔の軌跡を、みなさんとともに探ってみたいと思います。では、明日の夜20時に!

Saturday 16 January 2016

星野博美さんと

下北沢の本屋B&Bでの星野博美さんとの対談、今夜です。

http://bookandbeer.com/event/20160116_suisei/

星野さんの新著『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記』(文藝春秋)刊行記念。キリシタンの歴史にみちびかれ、やがてはバスクへ、バレンシアへ。 現代日本最高の紀行作家のひとりが、なぜリュート演奏にとりくむようになったか、その秘密を知りたい人はぜひどうぞ!

リュートの響きを、実際に体験できるかもしれません。

Friday 15 January 2016

「青春と読書」2016年2月号

上岡伸雄さんの新著は『テロと文学 9・11後のアメリカと世界』(集英社新書)。国家と社会が狂えば狂うほど、文学に賭けられたものは大きく、切実になってきます。アメリカ文学の心ある作家たちが、いま何と戦おうとしているのか。その最前線を教えてくれる好著です。

ぼくは集英社「青春と読書」に、短い評を書きました。ぜひ読んでみてね。

Thursday 14 January 2016

B&Bで

下北沢の書店 B&Bで、1、2月は3つのイベントに参加します。

1月16日(土) 星野博美さんとの対談
1月29日(金) 温又柔さんとの対談
2月14日(日) 片桐功敦さんとの対談

いずれも、みなさんそれぞれの会心の新著をめぐって。たまたまぼくがお相手を務めることになりました。3人の尊敬する友人たちとの夕べ。ぜひこのうちの1つ、2つ、3つに、いらしてください!

「三田文学」124号

「三田文学」の2016年冬の号、昨年の国際メルヴィル学会におけるカレン・テイ・ヤマシタさんの基調講演「わが名はイシマル」と、ぼく、牧野理英さん、今福龍太さんからの応答が、日本語訳で掲載されています。

この号、巻頭の小野正嗣さんのエッセーをはじめ、読みどころ多し。ぜひ手にとってみてください。

Monday 4 January 2016

年頭のご挨拶(ASLE-Japan)

ASLE-Japan 文学・環境学会のための年頭のご挨拶を転載します。

われれはどこから来たのか、何者なのか、どこに行くのか? ポール・ゴーギャンが畢生の大作のタイトルとして選んだこの言葉に、人文学一般の課題が凝縮されているように思います。そして人が人と地球世界を考えるにあたっての多岐にわたる関心が総合されるのは、やはり文学という想像力の実験場でのことではないでしょうか。

想像力の問いは、現実の社会を相対化し、私たちの判断に直接の影響をおよぼします。その意味で、文学研究はつねにクリティカルであり、アクチュアルであるという運命をまぬかれることはできません。それはさらに必然的に、さまざまな分野における想像力のかたちそのものを、深く問いなおす機会をも提供することでしょう。

「近現代」(モダン)と呼ばれる時代を支配してきた論理は、くりかえしその破綻をあらわにしながら、今日もみずからを延命させ、社会を実際に作っています。われわれがとりくむ、人間世界と環境、つまりは非=人間世界とのインターフェイスを、個々の人生の位置から考えなおすという立場は、「近現代」を規定してきた想像力・美意識・倫理の輪郭の全体を問題にすることにならざるをえないでしょう。

文学研究を経て、広大な環境人文学へ、そして個々のわれわれの生きる土地、暮らしの場へ。そんな往復運動に根ざした思考と生き方のスタイルを作り出すこと自体、ASLE-Japanという小さな集合体の、ささやかで本質的な目標だと思います。

みなさま、明けましておめでとうございます。今年もよい経験を、思考を、研究を。また、何度でも、どこででも、言葉をかわしましょう。



2016年1月1日
ASLE-Japan 代表
管啓次郎

Saturday 2 January 2016

2016年に迷いこんで

みなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

で、今年も元旦から仕事です。 2016年上半期に確実に出る本は

翻訳として

アントナン・アルトー『手先と責苦』(大原宣久との共訳、河出書房新社)
J・M・G・ルクレジオ『ラガ』(岩波書店)
エイミー・ベンダー『レモンケーキの独特なさびしさ』(角川書店)

グリッサン『第4世紀』は、もう少しだけお待ちください。

そしてぼくの以前の本3冊の新版が左右社から。

『トロピカル・ゴシップ』(青土社、1998年)
『コヨーテ読書』(青土社、2003年)
『オムニフォン <世界の響き>の詩学』(岩波書店、2005年)

この3冊、いずれもぼくの大好きな漫画家、スージー甘金先生の表紙絵! ぼくの大好きな装幀家、ミルキィ・イソベさんの装幀! そしてそれぞれ、ここではヒミツにしておきますが、最高の顔ぶれに序文を書いていただけることになりました。お楽しみに。

これ以外にも2、3冊の翻訳、また自分の詩集をまとめられればと思います。あと364日のうちに。できるかどうかわかりませんが、のんびり進めていくつもりです。