Sunday 21 December 2008

宮内勝典さん

きょう、終末の年末の週末の閑散とした生田キャンパスで、小説家の宮内勝典さんをお迎えして、DC系大学院特別講義を開講した。宮内さんがいらっしゃるというので、田口ランディさんも遊びに来てくれて、一緒に佐藤文則さんの写真展「ダンシング・ヴードゥー」を、佐藤さんご自身の解説付きで見る。

講義のタイトルは「惑星的アイデンティティにむかって」。ネーションや宗教の対立を超えて、この惑星そのもののネイティヴとして生きる道を模索しようという呼びかけ。発想が理系だの文系だの芸術系だのといった枠にはまっているかぎりどうにもならない、ということだけは、みんなはっきりわかったと思う。

終了後も、みんなで遅くまで話す。大学院授業なのでいちおう広報なしで行なったのだが、口コミという最良のコミュニケーション形態によって思いがけない人が何人も来ていて、しかもそれぞれ複雑なかたちでむすびついている。非常に不思議な感じがした。おもしろかった。

そして懇親会の準備と片付けを一手に引き受けてくれた同僚の清岡さんには、心からのお礼を。

新年には宮内さんの連載長篇がはじまる。『焼身』の主題が、どんなかたちで延長されてゆくのか。心して待ちたい。