新宿で黒澤明『羅生門』の「デジタル完全版」。
申し分なくきれい。だが、旧版も記憶の中では光と水にあふれて美しいため、どのくらいの差があるのかは、いまは何ともいえず。そもそもデジタル修復って、どういうことをやるのか、知らない(またもや無知の告白でごめん)。こんど調べてみます。
それからphotographers' galleryにちょっと寄って、王子直紀さんの写真展「吐噶喇」。そう、あのあこがれの吐噶喇列島です。
あいかわらずシャープなイメージの連続。王子さんというと、これまで大都市のスナップが多かったので、今回は島の植物をとった(人間のいない)ものが特に印象に残った。なんとかという種類のサボテンが写っているのと、ちょっとブレた斜面(?)の写真が、ぼくの勝手な趣味。
白い部屋でひとりで見られたのがよかった。
それから急いで学習院の授業にむかい、マヤ・デーレンの『神聖騎士』を紹介(これは授業でとりあげたブラジル、サルヴァドールへの紀行文に出てくるカンドンブレとヴードゥーとの関連から)。ちょっと眠った人もいたけど、みんな半世紀前のハイチの美しさはわかってくれたみたいだった。ぜひ、佐藤文則さん写真展を、生田まで見にきてください。