Monday, 15 December 2008

2日め

シンポジウム2日め。

まず東欧関係のセッション。沼野充義さんの司会で、井上暁子さん、奥彩子さん、竹内恵子さんが、それぞれドイツ在住のポーランド人作家ルドニツキ、旧ユーゴの移民文学、アメリカに亡命したロシア詩人ブロツキイについて話す。どれも大変におもしろい。ぼくはブロツキイのファンなので、ロシア語が読めないのが悔しい。

ついで午後は、浜崎桂子さんが2000年代に入ってからのドイツ語圏移民文学、崔正美さんが李良枝、水村美苗、楊逸について、教えられるところの多い発表。

そして最後に、文化人類学者・前嵩西一馬さんの感動的な「沖縄表象を訛る」の熱演。いわゆる「文学」とは世界の記述の一形式に過ぎないことをはっきり思い出させてくれる、すばらしい発表だった。

その前嵩西さんに紹介してもらったのが、知念正真による『人類館』(1978年、岸田戯曲賞)の一夜一幕かぎりの東京上演。16日(火)の6時半から、早稲田大学大隈記念講堂にて。詳細は東京国立近代美術館ホームページにある。ぜひ、行こう!

名古屋市立大学に行ったのは2回め。西さん、沼野さん、今福さんらとの共同討議のためだった。それからあっというまの2年、執筆の計画は進まず。場所の再訪はいろいろなことを思い出させてくれる。次に行くまでには、少しは。今回は日曜の空の青さが印象的だった。