おくればせながら国立新美術館で。さすがに充実している。特に彫刻。大平實の廃材利用、村井進吾の黒御影石は、それぞれ木と石の「やわらかさ」にぞくぞくする。
石川くんの写真は、でっかいプリントで見ると写真集よりいちだんといい。何かのまちがいで儲かったら、いつかオリジナル・プリントを購入したいもの。
金田実生の作品では水溶性クレヨンと鉛筆だけで描かれた「冬の呼吸」に見とれた。津上みゆきは色遣いにより自分がまったく別の反応をしめすことに、むしろ驚く。絵も結局は画面と見る者とのインターフェイスでどのようにでも変わるわけか。
ペーター・ボーゲルスのビデオで眠る少女の(別々の日付をもつ)顔が、一瞬の目覚めでシンクロするところに、クリス・マルケルの「展望デッキ」のあの有名なまばたきのシーンを100倍に増幅したスリルを感じた。
川村記念美術館にロスコを見に行きたいが、なかなか行けず。連休も苦しい。