Monday, 13 April 2009

『チョコラ!』

すばらしいドキュメンタリーを見た。

ケニア、ナイロビ近郊の小都市ティカに暮らす路上生活の少年たちを追ったドキュメンタリー作品。Chokora とはスワヒリ語で「拾う」を意味し、かれらはビニールや鉄くずを拾い集めては、それを売り、それで生計を立てている。シンナーを吸い、タバコを吸い、物乞いをし、みんなで焚き火で料理をし。

と聞いただけで、出来合いのイメージで判断する習癖のあるヒトという動物は、暗く悲惨な生活を思い浮かべるだろう。もちろんそれは辛く、苛酷で、日々が生命の危険にさらされているような暮らしだ。

だが、それだけではない。絶対に、見なければわからない、この感じ。あふれる色彩、笑顔、踊り。想像を絶するかれらの生活が、その光が、自由自在なキャメラにより捉えられてゆく。

小林茂監督は故・佐藤真監督の盟友。病を押しての長期取材でこのフィルムを完成させた。控えめな音楽(サカキマンゴー)もすごくいい。5月9日から、渋谷ユーロスペースで公開。みんな、ぜひ見よう!