4日、土曜日、大学院ガイダンス。DC系という、理工・人文・芸術の融合コースにふさわしい、まったくバラバラの新入生が集まって、さあ、これからの一年が楽しみ。
今年はとにかく、みんなに熱が出るくらい考えてもらうこと、脳内のいろんな情報のピースが化学反応を起こしたみたいに発熱しやがて沸騰するまでよくかきまぜること、がテーマか。
ビジネス・ミーティングのあと、2年生と1年生の顔合わせ。運営は2年生におまかせ。ぼくのゼミの新入生では、于さんがしっかりしたダンナさんを紹介してくれて、うれしかった。黄さんには日本各地への旅の話と中国各地のことを聞く。佐藤くんには「明治理工だからオタク」という論理を聞いて、はあ、なるほど。原くんはテレキャスターを買ったばかりとのことで、こんどスタジオでジャムセッションなど。ケン・ローは、あいかわらず無口だった。
帰り道、駅で会った数名と、喜多見の蕎麦屋に寄る。蕎麦もおいしいが、茄子とか、ねぎサラダとか、卵焼きとか、そういったものが旨い。さあ、来週から(大学院は再来週から)授業だ。
ゼミについては、個別のリーディング・リスト作成作業を中心にしようと決意。たとえば36冊として
(1)自分の考え方、感じ方、判断力の核をなす本を12冊。
(2)自分が専門と呼びたい分野(「デザイン」でも「写真」でも「ファッション」でも)の本を12冊。
(3)分野を問わず「現代性」を主題とする本を12冊。
これで1冊あたり200字くらいの短いコメント(長くてはいけない)をつければ、だいたい20枚の長さのペーパー代わりになる。
後期には、この36冊をいわば「雲」として捉え、その形状と色彩を描写することを課す。数冊は別の本と入れ替えてもいい。
それに加えて、キットラーを読もうかとも思うが、これはみんなと相談してのこと。
またこの36冊のリストを提出することに関して、「外部ゼミ生」制度を作ろうかとも、電車の中で思いつく。つまり、別に学生でなくてもなんでもいいから、希望する人は今学期、学生たちと並行して、リスト作成を進めてもらう。その上で、7月にでも一日がかりのオープン・ゼミを開催し、それには参加してもらう。おもしろいかも。できれば高校生の参加もうながしたいところだ。
こないだから都立高校で教える友人と話しているのだが、「大学生」のレベルを飛ばして、高校生と大学院生のあいだで協同の回路を作ると、なかなか双方にとって生産的なんじゃないだろうか。