東京駅に行ったついでに、やっとINAXギャラリーに。石川直樹さんの新作展は「Vernacular」と題されている。副題は「世界の片隅で」。28日まで。
いよいよ充実している。映像人類学的、といってぴったりくる写真ばかり。去年、DC研の講師をお願いしたときはちょうどベナンに旅立つ直前だったが、そのベナンでのヴォドゥン儀礼を撮ったものが、とりわけすごかった。
おそるべき歩行者だ。マラルメがランボーを評した言葉を借りれば、un passant considérableか。定着された光の、すさまじいひろがり。
彼の旅を見ていると、もう自分はどこにも行かなくていい、という気になるが、それでもこっちもまだまだ。石川さんをお呼びする機会を、ぜひまた作りたい。