6月1日が「写真の日」だそうで、この日の前後に「東京写真月間」があるそうだ。
その中で、わが同僚・倉石信乃さんが企画した写真展が開かれる。案内の葉書、なんということもない水泳プールが、不思議に美しい。みなさん、ぜひどうぞ!
秦如美写真展 日常
Chin Yomi: Everydayness
−東京写真月間2008 倉石信乃企画−
会期:2008年5月19日(月)〜31日(土) 日曜休
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
会場:表参道画廊
東京都渋谷区神宮前4-17-3アーク・アトリウムB02
TEL/FAX:03・5775・2469
E-mail: info@omotesando-garo.com
http://www.omotesando-garo.com/
※オープニング・パーティー 5月24日(土)18:00〜20:00
日常にまつわる心の働きには「期待」がある。期待とは差異のことだ。時の移行のなかに定常的であることが期待され、定常的な時のなかに移行が期待される。このずれにおいてもう一つの心理、「不安」が到来する。不安によって日常は、安んじて帰還できる手軽な楽園とみなされ、いまここではない「いつかどこか」を呼び寄せるため の祈禱所となる。こうして日常は期待と不安のサーキットを形成する。しかし秦如美の写真が伝えているのは、そんなサーキットの心理学ではない。そうではなくサーキットの周囲にある、逃げ場のない、直面する物理的な心の震えである。震えているのは「この私」ではなく「周囲の事物」であり、その中に「私という物」もある。
倉石信乃(批評家・明治大学大学院准教授)
作家略歴
1964年東京生まれ。1992年朝鮮新報社写真部に入社、退社後フリーランスの写真家と なる。2002年東京綜合写真専門学校研究科卒業。同年、写真集『月の棲家』(冬青社) を刊行、また新宿ニコンサロンで個展開催。2004-5年国際交流基金主催・笠原美智子キュレーションによる国際巡回展「アウト・オヴ・オーディナリー」展に出品。現在、東京在住。