エイミー・ベンダーの第2短編集 Willful Creatures の翻訳本が完成した。日本語タイトルは『わがままなやつら』、角川書店。子供の鉛筆画みたいな悪魔の絵の表紙が、内容にすごくよく合ってる。
江國香織さんに、すばらしいオビの言葉をいただいた。「エイミー・ベンダーの小説世界は、野の花のように荒々しい。このような物語りは、ほかでは味わうことができない。それはつまりこういうことだ。味わいたければ、野にでなければ」。
そう。ワイルドで繊細。崩れているようで、完璧に統御された美しさ。こういう作家は、なかなかいない。
2月29日に発売される。エイミーの最初の短編集『燃えるスカートの少女』、長編『私自身の見えない徴』、そしてこの『わがままなやつら』と3冊を訳してきて、彼女の作家としての成長にずっとつきあってくることができたのは、ぼくにとっては本当に大きな経験だ。そして改めていうまでもなく、彼女もユダヤ系。ユダヤ系アメリカ文学論を1冊、アフリカ系アメリカ文学論を1冊、これからの20年のうちには書き上げたいと思っている。