けさの朝日新聞に、おもしろい記事があった。パナマやペルーの熱帯林に住む線虫。アリに寄生し、その腹の中に産卵すると、アリのおなかがぱんぱんに晴れ上がった赤い実のようになる。なんとかベリーというか。それを木の実と信じて鳥が食べる(ふだんアリを食べない「マミジロミツドリ」などが)。すると線虫は食べられることで、鳥を利用して拡散し、鳥の糞により地表に舞い降りて、またそこで生存を図るのだ。
これですぐ思い出したのが、YouTubeで昨年話題になっていたゾンビー・スネイルのこと。
http://www.youtube.com/watch?v=EWB_COSUXMw
かたつむりの寄生虫がかたつむりの体内を触覚にまで上がってゆくと、触覚は緑色のギンギンギラギラ的オブジェに変わる。かたつむりは頭がおかしくなって、葉陰からよく陽が当たる植物の先端まで上ってゆく。すると鳥が触覚を何かの幼虫と勘違いして食べる。食べられた寄生虫は、ふたたび鳥を乗り物として拡散し、排泄により地上に降り、またかたつむりを探す。
いったい何だ、これは、誰が考えた、誰が仕組んだ? 線虫や寄生虫に、そのプロセスの全体が見通せているのか? 鳥たちはあざむかれっぱなしなのか(そうだろうね、たぶん)。どういうきっかけで、こんな行動パターンが確立されたのか?
擬態と並んで、考え始めると背筋が凍る、自然界の策略だ。
ところでもうひとつ、おまけのクイズ。鳥には便と尿の区別がないよね、たぶん。ほ乳動物では、それがはっきりしている。この区別は、何のために、いつ生じたのか? クイズとはいったけど、ぼくは答えを知りません。ずっとむかしから気になっているものの、調べることもせず。いずれ解明したい。