2011年4月22日金曜日

昨日の言葉17

コーンウォール地方のケルト語の名前はケルナック(Kernuak)だということは知っていた。カルナックのケリアヴァルという土地にドルメン(石のテーブル)と呼ばれる石のモニュメントがあって、そしてケルマリオ、ケルルスカン、ケルドゥアクに列石と呼ばれるドルメンがあること、さらに近郊にケルアルという町があることも知っていた。
(ジャック・ケルアック、中上哲夫訳)

火山活動は、人間の活動を中断させる。しかし、テフラ [火山灰地層] とテフラのあいだにはしばしば人間の生活の跡があるということは、考えようによっては、火山灰が堆積したあとに、すぐ人間の活動がはじまっているということになる。火山噴火は一時的に森林を焼き尽くしてしまう。だが、それは人間にとって耕作しやすい環境を与えられたことを意味する。とくに火山灰に含まれるさまざまなミネラルが、作物の生育を助けたであろうと言われる。火山の噴火というと現代に生きる私たちには悪いことばかりが想像されるが、人的な被害の裏で、人間にとって正の側面もあわせもっているのだ。
(佐藤陽一郎+渡邉紹裕)

さらに奇妙なことだが、もののつくり方を知っている人間よりも、つくり方に全く関心のない人間の方が、あるもののもっている謎めいた力を見出すことが少なからずある。後者はものから自在な連想をひきだしアナロジーの環をひろげるが、その制作や素材などに立ち入ってみようとは思わない。そのときにものから浮かび上がってくるのは構造ではなく図像なのである。この図像はそれだけ取りだしたときには、ただ謎めいて何を意味するのか明確ではない。だが、私にはこのようにして浮上する図像を介して物から物へとひろがる一種の差異と類推の網目が、社会的なひろがりをもつ象徴の基層をなしているように思われてならない。
(多木浩二)