2011年4月17日日曜日

昨日の言葉 15

また五重の塔のような高い建築が、多重の軒によってその建築の垂直性を水平に分散し、周囲の風景に「とけこむこと」を志向しているコンテクスト依存性は、周囲の風景から「とびぬけて」高々とそびえ立つことを志向する西欧風のタワーのコンテクスト・フリー性とは対照的である。
(有馬道子)

神話的思考はしたがって、複数のコードを用いて操作するという点にその独自性がある。それぞれのコードが、経験のひとつの領域から潜在的な特性をとり出し、こうしてその領域と他の領域との比較が可能となる。ひとことでいえば、それぞれの領域を相互に翻訳することが可能となる。ひとつの言語のみではほとんど理解不可能なテクストが、同時に複数の言語に訳されると、おのおのの異文から読みとられる、部分的で歪められた意味以上に豊かで深い意味が、複数の異文から浮き上がってくることがありうるのと同じように。
(クロード・レヴィ=ストロース、渡辺公三訳)

白人対インディアンの戦いも一時は五分五分で、とくに南北戦争の前後には白人側はかなりピンチに追いこまれたが、コルトという新兵器の出現が情勢を一変させた。あとはインディアンの勢力は急速に衰えてゆく。/こういう白人勢力の消長の指標がミツバチだったということは、ふつうの歴史書には書いてないけれども、一つの文化史的事実として見落とすことのできぬものである。/大西洋岸から開始されたミツバチの西進は、ミシシッピー川を越えてついにカリフォルニヤに至る。ここはまさにミツバチの楽園である。
(渡辺孝)