新学年がはじまって早々の4月17日、池袋のジュンク堂で以下のセッションに参加する。映画『ランジェ公爵夫人』の公開(岩波ホールにて)、バルザックによるその原作の翻訳(工藤庸子さんによる)の出版、そして工藤さんご自身の著書『砂漠論』の出版という、三つの機会に合わせて、工藤さん、鈴木一誌さんおよびぼくの鼎談が企画されたというわけ。コーディネーターは左右社の小柳学さん。小柳さんは編集者だが、宮澤賢治についてのすばらしい本を書いてもいる。
工藤さんはぼくがもっとも尊敬するフランス文学者。鈴木さんは過去20数年にわたって、日本のもっとも先鋭的なブックデザイナーにして映画と本とデザインの理論家でもある人。ぼくだけが何者でもないが、まあ、進行係ということで。
小さなカフェでの開催(40名まで)なので、予約が必要。気がむいたら、ぜひ見にきてください。
バルザック『ランジェ公爵夫人』、工藤庸子『砂漠論』刊行記念トークイベント
「映画から文学へ」
工藤庸子 × 鈴木一誌 × 管 啓次郎
■2008年4月17日(木)19時より
4月5日より岩波ホールを皮切りに順次全国公開される、ジャック・リヴェット監督の映画『ランジェ公爵夫人』。19世紀貴族社会における男と女の運命を描くバルザックの傑作。
このたび、その瑞々しい新訳を行い、また砂漠を舞台にしたその恋愛遊戯を読み解いた評論集を刊行した工藤庸子さんと、デザイナーで映画評論家でもある鈴木一誌さん、旅や移動をテーマに執筆活動をされる管啓次郎さんが、恋愛と歴史、文学と植民地、旅と小説、映像と美、そして<映画から文学へ>について縦横に語り合います。
工藤庸子(くどう・ようこ)
1944年生まれ。東京大学教授を経て、現在、放送大学教授、東京大学名誉教授。著書に『砂漠論』(左右社)、『フランス恋愛小説論』(岩波新書)、『ヨーロッパ文明批判序説』(東京大学出版会)、訳書にバルザック『ランジェ公爵夫人』(集英社)など。
鈴木一誌(すずき・ひとし)
1950年生まれ。グラフィックデザイナー、映画評論家。季刊「d/SIGN」責任編集。著書に『ページと力』『重力のデザイン』(ともに青土社)、『画面の誕生』(みすず書房)、『映画の呼吸 澤井信一郎の監督作法』(共著、ワイズ出版)、『デザインのことば』(共著、左右社)など。
管啓次郎(すが・けいじろう)
1958年生まれ。翻訳者、エッセイスト、比較文学者。明治大学理工学部教授。著書に『オムニフォン』(岩波書店)、『コヨーテ読書』(青土社)、『ホノルル、ブラジル』(インスクリプト)、訳書に『燃えるスカートの少女』(角川文庫)、『こどもたちに語るポストモダン』(ちくま学芸文庫)など。