Saturday 29 December 2007

これからは手書き

やっぱり手書きだなあ、と思う。年賀状の話じゃないよ(それもあるけど)。学生のレポートの話でもない(それもあるが)。自分の原稿を、これからは手書きにしたい。そこにかかる時間のため、注意力のため。

何事も「早く仕上げればいい」「たくさんやればいい」という風潮は、もうこのへんでおしまい。ゆっくり仕事をすることにしたいと思う、これからは。で、手書きにするし、ぐずぐず書き直すことにする。何度でも。それでなければ達成できない境地がある。そのほうがずっと大切。(じつは自分の仕事の遅さの言い訳?)

ポール・ヴァレリーの手紙(ジャン=ダニエル・モブラン宛、1926年8月26日)から。

「たとえばピエール・ルイスは、少しでも失敗したと思ったら、もうそのおなじ紙に書き続けることができませんでした。文章を直したときにはそこで立ち止まり、新しい紙をとりだして、あの美しい筆跡で、しかるべき修正をほどこした一節をきれいに書き写す。こうしたやり直しが、しばしばありました。というのも彼ほどに細心綿密な作家にとっては、これではだめだと感じられることが絶えずあったからです。文学における綿密さをめぐって、本格的な研究がなされていいでしょう。」

そして手書きの文字の姿は、端的にそんな綿密さを反映するのではないかと思う。

自戒だけど。