Wednesday, 28 January 2009

オープンゼミのお知らせ

2月4日と5日、アキバで、管啓次郎研究室主催の以下のセミナーを開催します。宇野澤くんの企画です。ぜひご参加ください。冬の夜が、熱く沸騰することは確実です。がらりと世界が変わって見えるかも。


管啓次郎研究室オープンゼミのご案内

明治大学理工学部新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系管啓次郎研究室では、2月4日(水)・5日(木)の2夜連続でオープンゼミを開催します。

ディジタルコンテンツ系では、幅広いメディア表象を研究対象にしています。今回のオープンゼミでは、ゲストとして映像作家かわなかのぶひろ氏とアーティスト田中功起氏に、メディア表現について制作者の立場から、それぞれの活動と体験に基づいたお話をしていただきます。
学内外を問わず多くの方に聴講していただきたいと考えております。ぜひご来場ください。(司会・進行=宇野澤昌樹)

映像表現と詩 かわなかのぶひろ(映像作家)
2月4日(水) 19時~21時30分(途中休憩あり)
我々の映像体験は、ハリウッド映画やCMなどに代表される、あらかじめ設定された物語を表象するための映像を受動的に消費するだけのスタイルが、長い間主流とされてきました。しかし、近年YouTubeなどによってより多くの人が映像を加工するようになり、鑑賞者の枠から外れた行為を行うようになっています。
かわなかのぶひろ氏は映像作家として、フィルム、アナログビデオ、デジタルビデオと、メディアの変遷を体験しています。大きな映画会社やテレビ局としての活動ではなく、個人の表現としてそれぞれのメディアを使用してきました。かわなか氏が影響を受けたアメリカの実験映画も、商業的な映画とは異なり、個人の表現としてつくられたものでした。まるで「詩」のようなパーソナルな表現が、映像の領域でも脈々と行われてきたのです。
かわなか氏が影響を受けたアメリカの実験映画とかわなか氏本人の作品の観賞と解説によって、映像が本来もつ可能性について考察します。

everything is everything 田中功起(アーティスト)
2月5日(木) 19時~20時30分
 田中功起氏は、さまざまな物質と映像メディアを用いた作品をつくっています。あえて分類すれば、インスタレーションと呼ばれる空間をつくるタイプの作品が多い作家だといえるでしょう。映像を使ったインスタレーションというと、集中して見るには耐えない散漫な作品が多いという印象がありますが、田中功起氏の作品はまったく異なります。思わず目をむけてしまう作品、不思議さと明瞭さという相矛盾するふたつの認識を見た瞬間に受け取ってしまう刺激的な作品を作り続けています。
 田中氏のつくる空間には、映像による時間感覚とモノによる物質感があります。物質感とは色・素材・形・重さなど、モノが存在することによって感覚される、その感覚そのものでしょう。時間と物質、このふたつの感覚が刺激される、知覚的な空間です。また、一度見たら忘れることができない独特のユーモアをもっています。
 田中氏の表現活動を、クロノロジカルな形式で紹介していただき、創造のプロセスや思考について解説していただきます。

■実施概要
会場:明治大学秋葉原サテライトキャンパス
東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル601号室 
※JR秋葉原駅電気街口から徒歩1分
地図:http://www.meiji.ac.jp/akiba_sc/outline/map.html
入場:無料
定員:50名(先着順)
※両日ともに、開場は開始30分前(18時30分)からです。
お問い合わせ先:masaunozawa@hotmail.com (@を小文字にしてください)
宇野澤昌樹(ディジタルコンテンツ系修士課程1年)

かわなかのぶひろ
1941年東京生まれ。60年代初頭より映像制作を開始、68年<ジャパン・フィルムメーカーズ・コーポラティブ>設立。69年<日本アンダーグラウンドセンター>を経て77年<イメージフォーラム>を設立、日本を代表する個人映画・実験映画作家として、また指導者として活躍。2006年、東京造形大学教授退任後も毎月新作を発表、作品数は90作品を超える。

田中功起(たなか・こおき)
1975年生まれ。主な展覧会に「国立新美術館開館記念展、20世紀美術探検」(国立新美術館)、「夏への扉」(水戸芸術館)、 「笑い展」(森美術館)、個展「Everything is everything」(広島市現代美術館)、「La Chaine」(BankART)、個展「Setting up and Taking down」(Palais de Tokyo)、「Spectacle and Situation」(Zentrum Paul Klee)、「Turning the Lights on」(Centre A)、台北ビエンナーレ06、光州ビエンナーレ08、釜山ビエンナーレ08など。作品集に『Koki Tanaka Works 1997-2007』(Akio Nagasawa Publishing Office、2007年)、『The End of Summer: Koki Tanaka』(大和プレス、 赤々舎、2008年)がある。