日曜日。如水会館に行ってみたが、会場が小さくて人がぎっしり。あきらめて出る。ハンドアウトをもらったので、これで見当をつけることにしよう。外でイラン研究の鈴木均さんに会う。大学院時代の友人。イランをすみずみまで旅している人だ。また春休みにでも、ゆっくり話を聞きたい。
それから、やっと最終日寸前、現代美術館の「ネオ・トロピカリア」へ。ぼくの趣味でいうと、おもしろかったのはヴィック・ムニーズの砂糖写真、ホジェリオ・テガキのニット模様の油彩画。またリジア・パペの光と糸の彫刻(?)。
来るたびに思うのだが、この美術館は本当に設計が悪い。人の流れをまるで考えていない。これだけの規模の建物を作るんだから、もう少しどうにかならなかったものか。
ついで同時開催の森山大道、ミゲル・リオ=ブランコ写真展。タイトルが日本語では「共鳴する静かな眼差し」、英語ではA Quiet Gaze, Echoing Worldsとなっていて、ずいぶん意味がちがう。それはともかく、さすがに充実。森山がサンパウロを、リオ=ブランコが東京を撮るという趣向。リオ=ブランコはあいかわらずウーパールーパーだのフグだの、なまなましい生物が好き。森山は世界のどこに行っても森山大道で、GR21でばしばし撮りまくる姿勢のいさぎよさが、会場で上映されていたドキュメンタリーでもうかがえた。
白川清澄から表参道へ。ひさしぶりに青山ブックセンターに寄ると、ちょうど洋書バーゲンだった。書店イベントのたびにお世話になっている須藤さんに会う。なんと7割引きだというので、ついふらふらと大きな写真集を買ってしまう。ラルフ・ギブソンのBrazil (Damiani, 2005) は、さすがにうまい。プロ中のプロ。が、「どんな写真でも撮れる」という感じが、ちょっと強すぎるかも。
そして人工衛星から見た世界各地の山岳写真集Mountains from Space (Abrams, 2005)を。これはすごい。アルプスもアンデスもハワイも、ジオラマに見える。恐ろしい光景だ。あとは野生のイヌ科動物の子たち(狼、コヨーテ、各種キツネなど)の小さな写真絵本。狼の子は目が青いのに、成長するにつれて金色に変わるというのに興味を覚えた。
と道草を食っているうちに、いつのまにか日没。今週はこれから忙しくなる。