ゼミ初め、といっても授業は8日からで、きょうは生田に集まってみんなでだらだらとビデオを見た。参加者は、宇野澤、パコ、伊藤、昂陽。終了後、例によって味良で新年会。
見たのは市川崑の『ビルマの竪琴』。1956年版と1985年のリメイクを、続けて。最大のちがいは、なんといっても、白黒かカラーか。ビルマの赤い土が言葉で表現されるか、実際に映されるか。あとは「現地」の人々の顔と風景の描写。
だが、それでもやはり1956年版のほうが圧倒的に優れている。テレビが覇権を握って以後の時代の映画は、何よりも俳優たちの演技が妙に軽くなり、演出が全般的に妙にわかりやすく、説明過剰になっている。これは1960年代後半以降の映画の一般的な傾向だが、テレビ局が製作に関与しているこの1985年版では、それがいっそう感じられる。
映画の基本は省略と飛躍にあった。テレビは桁違いの視聴者を念頭に置くせいか、いちいち説明的、循環的に過ぎることが多い。映画史研究の専門家には、このへんをうまく説明してくれる人がきっといるにちがいない。
それはともあれ、今年も修士課程のみんなにはバカみたいに勉強してほしい。