ひさびさに成城学園前に寄ったら、江崎書店がきょう3月31日をもって閉店とのこと。1974年開店。さほど大きくないが、土地柄か、文芸関係が充実した書店だった。
さほど大きくないといっても、大岡昇平先生の『成城だより』には「駅の向こうの大書店」として出てくる。文豪の散歩の目的地だった。
ちょっと残念。もっとも成城でいちばん残念だったのは、もうずいぶんまえ、栄華飯店が店じまいしたとき。鶏そばが最高にうまかった。大江健三郎先生の作中、イーヨーとその父親がパーコータンメンを食べにゆくのはこの店。
どんな店も、たぶん20〜30年の生活環でその寿命を終えていく。つまりはヒトの生物学的世代という枠を超えられないわけか。