ちょっとおもしろい展開。同僚の浜口稔さん(言語思想史、沖縄研究)の尽力により、明治大学生田図書館の一角にギャラリー的な空間を用意できそうだ。たとえばそこで月替りの写真展を開けるだろう、絵画展もできるだろう、アーティスト・トークも開けるし、農学部の人たちが育てている珍しい植物の展示だってできるかもしれない。コンピュータを使ったインタラクティヴな作品の体験だってできるし、簡単な演劇だってできるかも。
企画はいくらでもある。そうした場がなかったことのほうがむしろ不思議なくらい。そして大学の外の人たちにも見にきてもらえる、学生のみんなは思いがけないものにぶつかってびっくりする。授業と連動するかたちで、たとえば倉石信乃さんの「写真集を作る」ゼミの発表会や、ぼくの作文ゼミの朗読会だってできる。
忘れてはいけないのは、大学が試みの場だということ。
そこでは「お金の論理」とは無縁に、知識や表現を追求することができる。他では目にふれるチャンスのないものを見たり、聞くチャンスのない話を聞いたりすることは、大学という場の大きな社会的役割だ。
いいかえれば、この自由度を生かして、つねにいろいろな企画をしかけてゆくことが、ぼくら教師の側の義務だと思う。学生のみんなにとっては、4年間はあっというまにすぎる。われわれは、10年を見通して動くことができるし、そうするべきだ。
早ければ今年の後半から、いろいろな動きが出てくると思う。ここでも十分に広告してゆくつもりだが、要注目! そして「試み」を支持するという気持ちが少しでもあるなら、ぜひあれにもこれにも参加してほしい。
大学がおもしろい場になるかどうかは、すべてそこで生きる者たちの「試みの気持ち」にかかっている。