Friday, 13 July 2007

アイスランドへの接近

11日、台場の日本科学未来館でのヨハン・ヨハンソンのコンサートに行ってきた。アイスランドのキーボード奏者。今回はパーカッション・プログラマーとチェロ奏者とのトリオ編成で、耳になじみやすいフレーズがくりかえされる曲を90分にわたって演奏。ちょっとデジタルな反復が退屈だったが、その分、生のチェロの響きが印象に残る。

ただし会場はあまりよくない。外の明かりが、特によくない。頭上には「ジオ・コスモス」という巨大な地球儀があり、それはおもしろいのだが、舞台の背景として映し出される映像作品の曖昧さは、あまりおもしろいとは思わなかった。あまりにも見えにくい。

特筆すべきは「霧の彫刻家」中谷芙二子さんによる、微細なミストの吹き込み。ときおり、ステージも客席も霧に包まれ、でもさして濡れるわけではなく、幽玄な雰囲気が漂う。

中谷さんは「雪博士」にして名エッセイストとして知られた物理学者、中谷宇吉郎の娘さん。この人工の霧により、すべてが救われた感じだった。途中のテクニカルなトラブルによる中断も含めて!

ともあれ、以前から抱いているアイスランドへの興味が、かきたてられたのは事実。世界に行きたいところはいろいろあるけれど、いまはニュージーランドとアイスランドに行ければそれでいい。