はるばるカリブ海の島マルチニックから、外部ゼミ生・中村隆之くんのリストが届きました。はるばる、といっても、一瞬で届くのが不思議。
すでに東京外国語大学で博士号を取得し、いまはフランス語圏カリブ海文学・文化の研究のために島暮らしをしている中村くん、さすがに筋の通った選択ぶりです。
滞在の充実を祈りつつ、ありがとう!
1.自分の考え方、感じ方、判断力の核をなす12冊
東松照明『長崎曼荼羅』(長崎新聞新書、2005年)
桐山襲『都市叙景断章』(河出書房新社、1989年)
吉本隆明『言語にとって美とはなにか』(角川ソフィア文庫、2001年)
深沢七郎『言わなければよかったのに日記』(中公文庫、1987年)
李良枝『李良枝全集』(講談社、1993年)
荒川洋治『詩とことば』(岩波書店、2004年)
川満信一『沖縄——自立と共生の思想』(海風社、1987年)
エドゥアール・グリッサン『〈関係〉の詩学』(管啓次郎訳、インスクリプト、2000年)
ジェルジ・ルカーチ『歴史小説論』(伊藤成彦訳、白水社、1986年)
ジョージ・トムソン『詩とマルキシズム』(小笠原豊樹訳、れんが書房、1972年)
ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』(山田登世子訳、国文社、1987年)
ウンベルト・エーコほか『エーコの読みと深読み』(柳谷啓子・具島靖訳、岩波書店、1993年)
2.自分が専門と呼びたい分野の12冊(クレオール文学/文化論)
田中克彦『クレオール語と日本語』(岩波書店、1999年)
今福龍太『クレオール主義』(ちくま学芸文庫、2003年)
野家啓一『物語の哲学』(岩波現代文庫、2005年)
ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(篠田一士訳、集英社文庫、1978年)
サン=ジョン・ペルス『サン=ジョン・ペルス詩集』(多田智満子訳、思潮社、1975年)
ジャメイカ・キンケイド『小さな場所』(旦敬介訳、平凡社、1997年)
ヴィクトル・セガレン『〈エグゾティスム〉に関する詩論/覊旅』(木下誠訳、現代企画室、1995年)
エメ・セゼール『帰郷ノート/植民地主義論』(砂野幸稔訳、平凡社ライブラリー、2004年)
フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(海老坂武・加藤晴久訳、みすず書房、1970年)
P.シャモワゾー/R.コンフィアン『クレオールとは何か』(西谷修訳、平凡社ライブラリー、2004年)
ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック』(上野俊哉ほか訳、月曜社、2006年)
Edouard Glissant, Le discours antillais, Seuil, 1981
3.「現代性」を主題とする12冊
藤田省三『全体主義の時代経験』(みすず書房、1997年)
西谷修『世界史の臨界』(岩波書店、2000年)
川田順造『口頭伝承論』(平凡社ライブラリー、2001年)
上村忠男『韓国の若い友への手紙』(岩波書店、2006年)
森崎和江『異族の原基』(大和書房、1977年)
荒このみ編・訳『アメリカの黒人演説集』(岩波文庫、2008年)
スティーヴン・グリーンブラット『驚異と占有』(荒木正純訳、みすず書房、1994年)
アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』(野谷啓二訳、洛北出版、2006年)
イマニュエル・ウォーラーステイン『ヨーロッパ的普遍主義』(山下範久訳、2008年)
ヴァルター・ベンヤミン『図説写真小史』(久保哲司訳、ちくま学芸文庫、1998年)
エーリッヒ・アウエルバッハ『ミメーシス』(篠田一士・川村二郎訳、ちくま学芸文庫、1994年)
デヴィッド・グレーバー『アナーキスト人類学のための断章』(高祖岩三郎訳、以文社、2006年)