2009年5月20日水曜日

すべてを、惜しみなく

デザイナーのミルキィ・イソベさんをお迎えしてのギャラリー・トークavec 藤部明子。大成功だった。

当初、20人お客さんが集まってくれるかなあ、と心配していたら、ふたを開ければ32名+! ギャラリーはもちろん満員で、ビデオカメラで映像を流した前室で、宇野澤くんとぼくと倉石さんと畠山直哉さん(藤部さんの師匠)と田中友章さん(建築学科の同僚)が寝転がって見る、という爆笑的事態に。

そしてミルキィさんは、すべてを語ってくれた。デザインの秘密、写真の意図、色の選択、ページ上の配置、下すべき判断の、すべてを。またたくまの2時間だった。藤部さんの完全主義的こだわりと目をみはる色彩感覚をうけとめつつ、工夫につぐ工夫をこらし、決断を重ねる。その過程のスリル。語られるそれを、われわれが想像するスリル。

そして写真集というものを最終的に完成させるまでに、あらゆる人たちのあいだで交わされることばの、重みを痛感した。本だって、写真集だって、それはすべて多くの人々の徹底的なコミュニケーションの産物なのだ。

知っていることはなんでも教える、惜しみなく。ぼくも心がけていることだが、ミルキィさんはその100万マイル先を行っている。それにより、技は、閉ざされない、失われない。伝えられる。新たな可能性を開発してゆく。そんな無償の接ぎ木だけが、文化の最大の可能性。

ミルキィさんほど理知的に話せる人は、少ない。いろんな作家や哲学者たちの話をさんざん聞いてきたぼくだが、ミルキィさんのその知力は、ほとんどの思想家・文学者を凌駕している。作り手の迫力にみちている。

いろんな人が集まってくれた。どうもありがとうございました。レセプションの準備を買って出てくれた、大切な同僚の清岡さん、波戸岡さん、ありがとう。おかげで、誰にとっても忘れられない一夕になったことと思います。

こうしてまた誰かが、それぞれの創造へのきっかけを摑むこと。そのため、だけに、大学はある。片山たちもがんばれよ。

図書館スタッフのみなさんも、ありがとうございました! これからも、ぜひいろいろやってゆきましょう。