日曜日の東京新聞に、驚くべき写真が掲載されていた。
「直径2・3メートル、高さ2・7メートル、胴回り6・6メートル」のキイロスズメバチの巣。ハチ研究家の富永朝和さんが、「女王バチ114匹と、働きバチ50万匹に2年がかりで作らせた」ものだそうだ。
富永さんの独創は、複数の巣の女王バチ、働きバチに、ひとつの家族だと思わせることに成功した点にある。なぜか巣の表面に「ハチ」の
文字が浮かび上がり、また別の巣は、オリンピックの聖火ランナーのかたちに仕上げられている。
どうやっているのかはわからないが、これはすでに動物芸の一種だろう。ハチとのあいだになんらかの記号を介した伝達の回路を発見したのが富永さんだというわけだ。驚くべきバイオアートの開拓者。
長野県には「ハチ博物館」だけでなく「蜂天国」という施設もあり、そこでは富永さんとは別のやり方で、かたちある巣を作らせているという。そんなことはまったく知らなかった!