Thursday 31 July 2008

がんばれ青山ブックセンター

本日7月31日、青山ブックセンターの経営母胎である洋販ブックサービス株式会社が、東京地方裁判所へ民事再生の申立をしたとの報せ。2004年に経営をひきついでABCの活動を維持してくれた洋販が、ここで力つきたのはなんとも残念だ。しかし店舗の営業は持続する模様。あのしずかな炎が、これからも続くことを切望する。

つい3日ばかり前にも、若き同僚の波戸岡さんと青山ブックセンター本店で待ち合わせたばかりだった。もちろん、本も買った。ぼくひとりが買ったって、南極に降る雪の総量に対する、ほんのひとひらくらいの効果しかないだろう。でもここは、いつも大好きな書店だった。多くを発見した。多くを学んだ。夏には涼みもした。冬には暖をとった。バーゲンのときはたくさん買った。トイカメラのロモだって買った。壁ではいい写真をいっぱい見た。

2001年には蓮實重彦先生と工藤庸子さん、2003年には堀江敏幸さん、2006年にはエイミー・ベンダーさん、多和田葉子さん、2007年には大竹昭子さんと、ここで書店イベントをやった。なつかしい。そして、この場を失いたくない。

書店でのささやかなトークセッションや朗読会、小さなライヴ演奏やブックフェア、そうしたものがない都会は都会の名に値しない。青山ブックセンターを欠けば、表参道一帯の魅力は100分の1以下になるだろう。

本が追いつめられ、書店が追いつめられ、「文」の文化が衰退し。それでは住んでておもしろくない。がんばれ青山ブックセンター! DC系には、こんな書店が絶対に必要だ。