いまさらといわれそうだが、YouTubeは本当に楽しい。特に楽しいのが、むかしのヒット曲を映像つきで見られること。ぼくにとっては小学校から中学にかけての1970年前後のいくつかの歌のすばらしさを、何度でも楽しめる。
たとえばウェールズ出身のMary Hopkin (1950-)の大ヒット曲Those Were the Days とか、Melanie Safka (1947-) の「ローラースケートの歌」として知られるBrand New Keyとか。大好きだった歌を改めて聴くと、その声のよさ、歌のうまさにほれぼれする。メラニー(当時の)の声、好きだなあ。絶品です。もっとも年をとってからの歌い直しは、ぜんぜんよくない。
ポップ歌手の声というと大好きなのがフランス・ギャルなんだけど、発見したPoupee de Cire, Poupee de son のたぶんテレビ番組の映像は、ちょっとがっかり。歌がはずれ。メラニー(当時の)みたいなスリリングなバランスがなくて。でもその表情を見ていると、並のアイドル100人分くらいの、すごいカリスマがある。歌詞のきれめでちょっと唇をかむみたいにするところや、歌が終わってからの晴れやかな笑顔など。しかしこれも、後の「口パク」になると、ぜんぜんよくない。音程がはずれていても、やはりライヴの魅力か。
他にもぼくがたぶんアメリカ先住民歌手の存在を最初に意識したBuffy Sainte-Marie がPete Seegerと一緒に歌っている映像とか。不思議な楽器を演奏している姿も見られる。こうした白黒時代のテレビ映像がとりわけおもしろい。
こうした文化資源のアーカイヴにどんどん手が届くようになったんだから、すごい。もう現代を忘れ、こうして過去に遊んで暮らすのもいいかな、という気になる。すると一年や二年、すぐ過ぎるだろう。