Friday 27 June 2008

授業から

水曜日の「新領域創造特論」で冒頭にふれ歌を聴いてもらったのが、マリ共和国の盲目のカップル、アマドゥとマリアム。この機会にひさびさに聞き直して、惚れ直した! 最高。しかもその演奏がいまはYouTubeで見られる。映像もすごくいい。

http://jp.youtube.com/watch?v=iju1_DhH2Qs&feature=related

アフリカだなあ、やっぱり。今年、アフリカ初登場しようかと考えているところ。

木曜日の「コンテンツ批評」では建築家の原広司の『空間 <機能から様相へ>』をとりあげた。原先生の授業には、おおむかし、潜ったことがある。最高にかっこいい先生だったが、そのことばをいま読み直すと、また深い。たとえば「無境」について。

無境は、ここでは「中道」ではなくて、出現の誘起であり展開なのである。この限りない展開の可能性とその限界をさして、たとえば、「もののあはれ」と人は呼んだのである。中世の歌論が、「歌病」(かへい)として反復すなわち「同心の病」(トートロジー)を避け、輪廻を避けようとしたのも、ひとえに展開に憧れたからに他ならない。「無常」は、衆彩荘厳の限りない展開があることを知る喜びと、それが見尽くせない悲しみの同時存在を言いあらわしている。(「<非ず非ず>と日本の空間的伝統」)

ぐっとくる。