「現代思想」の7月臨時増刊号は「震災以後を生きるための50冊」。いろんな人が何かの手がかりを求めて、それぞれが読んでいる本、読もうと思っている本、人にも勧めたい本について語っています。3月11日以後の日々において。ここから、どこかへと、脱出を図るために。
ぼくは井伏鱒二『黒い雨』を中心に思っていることを綴りました。でもその文章は、じつは名取市の小6の少女、菊地里帆子さんの次の言葉に対する反応です。これほどすべての人に勇気を与える言葉はありません。
「あの夜は、星が怖いくらい光っていた。悲しかったけれど、停電であかりがなくても星はすごい光っていた。そういう存在になれたらいい」(「朝日新聞」2011年5月23日)。
非常に示唆されるところの多い特集号です。ゼミでもぜひ読んでいきたい。