Wednesday, 21 March 2012

そのメタ物質が

「大気圏外空間から来た、異なるものを結合するという観念に欠けている生物を想像してもらいたい。彼がいた惑星では、幅跳びに専念する者がいる一方で、翡翠の彫像を収集する人もいるし、ロココ風庭園を設計する人もいるが、誰もこういうこと全部をまとめてしようとは夢にも思わない。この地球の文化に到着したそういう訪問者はまず、故郷でしていたようにそういうもののなかから選択しなければならないと考えるが、やがて地球上で最低限の努力でこれら全部のものの間を往来するためには、とくにある一つのものが存在することを発見する。それは一種のメタ物質というか、ほかのすべての事物の魔の抽出物であり、その名は金(カネ)である。」(テリー・イーグルトン『ゲートキーパー』滝沢・滝沢訳)