「かれらの声を捕まえてきた」
「
わかった、とパパ・ロングエはいった。おまえさんはかれらが恐いのか? つまり、ラ・ロッシュとサングリとあの娘のことだが? かれらはあそこにいる、かれらは命令する。おれのような老いぼれには、かれらがどんなふうに話すかも、なぜそんなことをいうのかも、わからないと思うのか? われわれにはわかるよ、われわれにはわかる。かれらがわれわれの頭ごしに話をしていたそのころ以来、われわれは網を張ってかれらの声を捕まえてきたんだが、かれらはそれを知らない。かれらは知らない、われわれにもあの人たちはこれこれなんだといえることを。おまえはおれの樽をよく見ようとしないが、まちがっているよ。おれと一緒に戻ろうじゃないか、若者たちよ、おまえはかれらの頭上を流れる砂を見るだろう……。」(グリッサン『第4世紀』より)