Monday, 15 March 2010

古川日出男とともに動物になること

土曜日の夜となると、やりたいこと行きたいことばかりで。忙しいので大体はあきらめるが、13日は池袋のジュンク堂に。同僚の波戸岡景太さんの、『オープンスペース・アメリカ』をめぐる対談があったから。

お相手は、古川日出男さん。まえからいちどお目にかかりたかったのだが、7時から90分のセッションでぴったり8時にはじまった朗読が、す・ご・か・っ・た!

読んだのはジャック・ケルアックの『メキシコシティ・ブルーズ』。文は律動になり、歌になり、虫の羽音になり、獣の叫びになり、流星群のように降り注いだ。10分のパフォーマンス、堪能しました。

古川さんが朗読をはじめたのはさほど古いことではなく、直接の刺激になったのは、吉増剛造師匠の朗読だという。ぼくは詩の朗読自体、なかば懐疑的なんだけど、それでも自分でもやってきたし、これからもやるかも。

そんなことはともかく、古川さんの存在の強烈に打たれた土曜日の池袋の一角でした。

われらが若旦那(と職場では呼ばれている)波戸岡さんは、みずからの本の解説者にして司会進行係にして聞き手にしての3役かそこらを、そつなくこなして見事。やる気がある若い同僚をもつことの幸運を、また思った。

そして波戸岡さん、古川さん、ぼくをむすぶものがあるとすれば、それは犬。人間は、つねに他のモノになってゆく努力をしなくてはならない。それがたとえ想像力だけのことであっても。その誓いを新たに、これからの季節は早起きでいろいろ仕事を進めようと思った。

そして古川さんが、文学の中心はやはり詩だ、と考えているのがうれしかった。ぼくもそう思う。それで、詩を書く。今年は詩集を出します。