Thursday, 4 March 2010

遠山先生、さようなら!

3月2日、語学の同僚中の長老である遠山義孝先生の最終講義が生田キャンパスで行われた。

遠山さんは長年、明治理工で哲学とドイツ語を担当。カント研究者だが、理論物理学者で哲学者だった20世紀後半のドイツの知的巨人、ヴァイツゼッカーの直弟子だ。

60年安保のときの活動家で、以後、一貫して、平和論をご自分の哲学の中心に据えて来られた。その重厚な語りに、90分ほどの講義がまたたくまに過ぎた。最後は万雷の拍手。いいフィナーレだった。

ぼくはこれで明治理工に勤めて丸10年。遠山さんとのつきあいもおなじだけ。数年前、まだ子供たちが小さかったとき、組合のスキー旅行で富良野にご一緒したのがいい思い出だ。また、中沢新一さんの内藤礼論をドイツの美術館カタログに載せるため、ぼくが英訳し、ドイツ語訳を遠山先生にお願いしたこともあった。

松本深志出身のアルピニスト。高校生のころ受験勉強をしていると、朝になると瓶のインキが凍っていた、それに比べるといまは温暖化を実感する、といういつか雑談の際にうかがった話が、妙に心に残っている。

今後ますますお元気で、登山と哲学におなじだけの情熱を注いでゆかれることを願っています!