Sunday, 7 March 2010

その場所が好きだった

土曜の夕べは、多摩川沿いのギャラリー&イベント空間、Art & River Bankでの杉田敦さんとの対談。雨の中、予想よりずっと多くの人にいらしていただき、楽しいひとときでした。

杉田さんが女子美のみなさんと一緒にやっているビデオによる意見交換のプロジェクト、Who You Know? Who Knows You? の一環です。このビデオは、オーストラリア、ポルトガル、日本の各国の少人数のグループが、それぞれに他国に関して抱いているイメージを20分間、自由に話し合うというもの。たとえば、オーストラリアのグループが日本について、日本のグループがオーストラリアについて。これで計120分の、相当に興味深いビデオ討議が残されるというわけ。

昨日、きょうと通って、ひととおりビデオを見たあと、対談に臨みました。話題はカリブ海マルチニックの詩人・思想家エドゥアール・グリッサンや、アメリカのリトアニア系哲学者アルフォンソ・リンギス、はたまたポルトガルや、現代芸術の想像力などにおよび、ぼくとしては大きな刺激を受けました。

何より、場所がよかった! 雨の多摩川の水面を見ながら、古くて奇妙な作りの建物の一角で、振幅の大きな旅の話をするのは、とても味のある経験でした。手作りのパイプのテーブルがかっこいい。建物周辺には古墳がいくつか。地霊の励ましさえ感じられます。また桜の季節に見に行こう。

話しているうちに、ポルトガルに行きたくなった。杉田さんは、大のポルトガル・ファン。これからもいろいろ、あらゆる分野のことを、教えていただきたいものです。杉田さんご夫妻、女子美の助手の沼下さん、そしてみなさま、ありがとうございました!