中国・武漢に来ています。
台湾、香港、マカオには行ったことがあるけど、大陸中国ははじめて。乗り換えの上海空港のでかさからはじまって、とにかく驚きっぱなし。中学生のときはじめてアメリカに行って、いろんなもののでかさに茫然としたけれど、それ以来の衝撃。
旅行の目的は「文学与環境国際学術研討会」(ただし文字は簡体で)出席のため。初日に、エコクリティシズムの中心人物であるスコット・スロヴィック(ネバダ大学)がチェアを務めるパネルEcocriticism, Public Consciousness, and Social Practiceで"Hidden Under the Water, History"という発表をしたところです。
話したのは、ダムによる水没をめぐる映画・写真作品について。最近の中国映画2つ(ドキュメンタリーの『水没の前に』と『長江哀歌』という邦題で公開された『三峡好人』)からはじめて、日本では岐阜県の徳山ダム建設で水没した徳山村の写真を撮りつづけた増山たづ子さん、そして広島県の灰塚ダム建設を背景におこなわれた壮大なアート・プロジェクト「船、山にのぼる」について話し、最後に既設ダムの破壊によるもともとの生態系復元の試みについて話して、おしまい。
この主題は、ヒトによる都市化と自然の関わりについての中心的問題になりうるもので、これからいろいろ見たり考えたりしていきたいと思ってます。
夜は、同僚の波戸岡さんとともに、大学院生の女の子たちに案内してもらって、武漢の百貨店やスーパーマーケットを見てまわりました。消費生活は、日本とぜんぜん変わらない。百貨店での衣服や化粧品の品揃えなどは、たとえば扱うスニーカーの銘柄をとっても日本より品目が多いくらいだし、スーパーの巨大さはアメリカの大スーパーマーケット以上。地方都市とはいっても、周辺を入れた人口は1000万以上なのですから、消費者数の多さもあたりまえか。
スターバックスに寄ると、外のデッキにあるテーブルの隣のグループはイタリア人数名で、どこにいるのかまったくわからなくなる。
大学院生の彼女たちには「明治大学」が一発で通じたのでびっくりしたら、それはジャニーズ系のタレント学生のおかげでした。木村拓哉も、すごい人気でした。
案内してもらった上に、武漢の名物「周黒鴨」(アヒルの首を辛く味付けしたもの)をプレゼントしてくれて、どうもありがとう。なかなかおいしい。強烈な匂いがする臭豆腐も名物みたいですが、そっちはまだ試していません。
明日はEcocritical Studies of World Classics: American Literatureというセッションのチェアを務めます。街をもっと歩いてみたいけど、時間があるかどうか。