Thursday 19 November 2009

バナナと水牛

友人から教えられて、よしもとばななさんの日記をひさしぶりに見ると、10月末に『本は読めないものだから心配するな』が紹介されていました。「本を書いていてよかった」というばななさんの感想に感動!ありがとうございました(とお礼をいわれても困ると思うけれど)。

そもそも、正確にいって、ぼくの本の一部分は彼女が書いたものです。そこには彼女の『サウスポイント』の書評が含まれていて、それはつまりは彼女が書いた『サウスポイント』がぼくに書き込んだ何かの、痕跡。本というのは、それを読めば読むだけ、書けば書くだけ、人が自分から解放されて別の何かになってゆけるもの。地球に対流圏があり成層圏があるように、人間世界のちょっと別の層にある言語界での交渉が、どこか根源的な無謀な勇気を与えてくれるのは、おもしろいことです。

また、かの「水牛」ホームページでは、八巻美恵さんが「水牛だより」で紹介してくださいました。

http://www.suigyu.com/

ありがとうございました(とお礼をいわれても困ると思うけれど)。並べていただいた3冊の、あと2冊がすごく興味深い! 中川六平『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』と津野海太郎『したくないことはしない 植草甚一の青春』です。特に、津野さんは、ぼくはお目にかかったことがないのですが、たぶんものすごく本質的な影響を受けていると思います。高校から大学にかけて、完全に晶文社カルチャーで育った以上。つねに宇宙線につらぬかれ太陽風の影響にさらされてきたようなものか。

ともあれ、うれしい反応でした。水牛はいい、水牛は水に潜ってじっとしている。石垣島で見た水牛の目が忘れられません。