オープンゼミ2日目は、アーティストの田中功起さん。あの強烈な Everything is everything に衝撃を受けて以来、ぜひお目にかかりたかったので、こういうかたちでお招きできたのがほんとにうれしかった。
田中さんの短い作品を映像で見ながらお話をうかがったが、どれも、すべてが、おもしろい。なんという発想力。なんという無意味。なんというユーモア。なんという明るさ。いわゆるビデオアートに対するユーモアたっぷりな棘、Animal Paradiseには爆笑。他にもいくつも印象深い作品を見ることができて、ぼくとしては大満足。ほんとうに、サミュエル・ベケットに見せてあげたかった!
そんな田中さんの作品だが、2007年に恵比寿の写真美術館で見たビール工場のビデオは、正直なところ、よくわからなかった。これって、社会科見学? と思っていたら、ご本人から、まさにそうだという解説。そしてその影の意図をうかがって、「あっ!」と思った。作品に作者の意図は関係ないが (basically) 聞けばまた見えてくるものがあることも現代美術の宿命。
宇野澤くんの進行も過不足なく適切。ごくろうさま。友人の工藤晋が都立芸術高校の生徒2名を連れてきてくれたのもおもしろかったし、マリオ曼陀羅の田内マリオくんや他にも多くの外部の人々が参加してくれて、きわめて充実した一夜になった。
田中さんは3月から3年間のアメリカ滞在。またとんでもない爆発を、われわれはまのあたりにすることになるだろう。
やってよかったなあ、この二日間。これで確実に「目が変わった」人が、20人はいると思う。そして20人というのは途方もない数で、それがたちまち400人、8000人へと、増えていく。
かわなかさん、田中さん、ありがとうございました!