オープン・ゼミ初日はかわなかのぶひろさん。映画の前史からはじまって実験映画の世界まで、ご自分が身をもって生きてこられた歴史が立ち上る、すばらしい一夜。
映画をやりたい! という気持ちにみちびかれるまま苦闘を続けた青春時代、浅草六区でカレースタンドをやっていたときの内藤陳さんとの出会い、新宿の古本屋で偶然見つけた豆本の「動く絵の歴史」、ケルンの中古カメラ屋で発見した仕掛け種版、おもしろいエピソードが目白押し。
伊藤高志の伝説のSpacy(これが大学生の卒業制作だなんて!)がドイツで上映されたときの観客の熱狂的な反応を、映像で見られたのもよかった。ズビグニュー・ルプチンスキーの「タンゴ」やブルース・ベイリーの「オール・マイ・ライフ」といった歴史的傑作を丁寧に紹介していただき、学生たちにはこの上なく豪華で刺激にみちたお話だったと思う。
7時からはじめて、終了は10時過ぎ。外部からの参加者も多く、余熱がいつまでも残るセッションだった。