9日(土)、南相馬市立図書館でドリアン助川=明川哲也さんとの2人朗読会を開催しました。『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)の朗読会としては、これが20回めになります。
あらゆる細部まで配慮のゆきとどいた、建築としても施設としても最高にかっこいい図書館のカフェ空間で、マイクをつかわない生の声の朗読会。30名ほどの聴衆を前に、あっというまの90分でした。
その前後、ドリアンさんと南相馬を回りました。被害の痕は唖然とする状態でいまもまざまざと残っています。今日(日曜日)は、森幸彦さんをはじめとする福島県立博物館のみなさんにご案内いただき、この土地でいったい何が起こり、そのあとどんなふうに事態が推移していったかを、詳しく教わりました。
いちばん強く思うのは、「国」という機構の機能不全、「政府」という存在の無責任ぶりです。地元=地方自治体の判断のほうが正しい場合、それをじゃますることにしかならない。そして住民にまるで無用な、余分な苦労を強いる。
もちろんぼくに何がいえるわけではなりませんが、この段階から、新たにこの地域のことを学んでゆくのも、意味のないことではないでしょう。こんどは学生たちを連れていきたいと考えています。