山形国際ドキュメンタリー映画祭にはむかしから行きたい行きたいと思いつつ、なかなか行けなかった。行くなら一週間ずっといたい、という気持ちがあったから。でも例年10月はそんな風には休めない。
それで日曜日、思い立って、着の身着のまま行ってきました、山形へ。以前、フランス文学会東北支部のシンポジウムに呼んでいただいたときに初めて来た町だけど、事実上知らないに等しい。空がでっかくて、気持ちのいい土地。山がよく見えるいい天気。
まずは山形市民会館小ホールで、1965年ごろのキューバのニューズリールを数本。サンティアゴ・アルバレス特集の一環。映像もすごいが、フィデルの演説がすごい。『怒りのキューバ』を思い出す、あの熱気。生身で体験したかった。
それから山形市中央公民館に移動し、インターナショナル・コンペティション部門の2本。ニコラス・リンコン・ギル『川の抱擁』とジョン・ジョスト『失われた町のかたち』。コロンビア、マグダレーナ川の戦慄の現実から、リスボンの点景へ。どちらも強烈に記憶に刻まれる。
翌朝は早く戻らなくてはならなかったので、もったいないといえばもったいないけれど、こんな風にしなければ2013年を待たなくてはならなかった。まずは満足できる小旅行。翌朝にはいらしていたはずの小林茂監督(『チョコラ!』)にお会いできなかったのが心残りだけれど、それもまた、いつか、どこかで。
次回はきっと一週間のゼミ合宿として行こう、行きたい、きっと行く、山形でした。