ドキュメンタリー映画監督・海南友子さんの講演、終了。台風接近の中、お客さんが来てくれるのかなあと心配していたら、30数名の方が。まずはほっと胸をなでおろしました(と言葉ではいうが実際に動作として「胸をなでおろした」ことは一度もない)。
海南さんの傑作ドキュメンタリー『ビューティフル・アイランズ』から一部(ツバルの部分)を見せていただき、それからお話をうかがう。歴戦の海南さん、さすがに堂々として的を射たお話に、みんな深く頷きながら(これは実際に「頷き」)耳を傾けていました。
これはすばらしい、重要な作品で、そのしずけさが印象的。ナレーションなく、BMGなく。土地の息づかい、人々の語りを、あまり動かないカメラで丁寧に追ってゆきます。
お話を聞きながら思ったのが、映画監督の大変さ。構想し、行動し、説得し、調整し、そのあいだに途方もない旅をし、ものすごい数の人に出会い、その果てにやっと自分のヴィジョンがかたちをとって。ぼくにはとてもできっこありませんが、強く惹かれるものがあります。
海南さん、これからもよい旅を! この作品がさらに多くの人に見られ、人々が地球上での共通の運命を考えるための素材となることを願うとともに、劇映画だという次回作にも心から期待します。