大澤真幸さんの特別講義、終了。最高でした。量子力学からピカソへ、ベンヤミンからレーニンへ。息つくまもない2時間の高速ドライヴ。その精緻でいて大胆な展開に、学生たちも同僚たちも圧倒されていました。
思想系のことをやっている同い年の友人・知人たちでは、赤間啓之と大澤真幸のふたりに、学生時代からの20数年、大きな刺激を受けてきました。ぼくは哲学知らず思想知らずで、無知しか売り物がないのが残念。でも今日のような講義を聞くと、またやる気が湧いてきます。新しい組み立てのための。
終了後、簡単なレセプション。うちの学生である大洞くん、そしてその親友ともいえる仲野くんも参加。このふたりの大きな共通点は、高校をスキップして大検でつないできた、という点。すると本日の講義の最年少の参加者である慶應のKくん(未成年)が、自分もそうだというので驚きました。普通、学部の1年生はこういう場には顔を見せないものですが、やる気にあふれ、また話をよく聞いて理解している彼に、脱帽。ぜひ将来は明治の大学院に来てほしいものです。3年なんてあっというまだし。
かれら3人は、いずれも本気の読書家です。そして、独創的(独走的?)独学者たち。高校になじまないからといって、コースをはずれたなんて思う必要はない。むしろ、思い切り、知的な正道を歩んでいると思えます。(われわれの物理学科の同僚にもひとり大検出身者がいます。)
衝撃の快著『切りとれ、あの祈る手を』の著者・佐々木中さんも高校には三ヶ月しか通わなかったとか。なんか、そっちのほうが今後は真剣なインテリたちの王道になるような気もします。
高校スキップ、ただちに本を読むこと書くことに取り組む。そんな経験のある数人が集うと、われわれのプログラムは絶対的に異色のプログラムとなるはず。ぜひ集ってください!