そして9日、新著『ストレンジオグラフィ』(左右社)が完成しました! これまでにない(たぶん)といえそうな仕掛けがいくつもありますが、中でも「あとがき」はぜひごらんください。そしてその秘密を、誰にも教えないでくださいね。
ぼくにとっては9冊めのエッセー集です。
『コロンブスの犬』(1989)
『狼が連れだって走る月』(1994)
『トロピカル・ゴシップ』(1998)
『コヨーテ読書』(2003)
『オムニフォン <世界の響き>の詩学』(2005)
『ホノルル、ブラジル』(2006)
『本は読めないものだから心配するな』(2009)
『斜線の旅』(2009)
これに続く9冊め。最大の特徴は、この本に収めた文章の中に、2011年3月11日という大きな切断の日付が隠れていることでしょうか。この日、そしてそれにつづく日々、日本社会は「それまでのやり方」にはっきり別れを告げる決意をしたはずです。それを何事もなかったかのように、好き勝手な方向に日本をむかわせようとするやつらには、あくまでも抵抗しなくてはなりません。
そして抵抗の基礎は、読書にあります。何しろ、日本を動かしている、と称しているやつらは、本らしい本なんてぜんぜん読まないんだから。